新型コロナウイルスの影響により、多くの企業が経営難に直面しています。
そんな中で、「コロナ借換保証」は救世主となり得る制度です。しかし、その利用
には「事業計画書」が必要不可欠。この記事では、事業計画書の重要性と、その効
果的な書き方を解説します。さらに、忙しい企業経営者のための「事業計画書作成
代行」サービスについても紹介します。我々がこれまでに1000社以上の企業を支援
してきた経験から得た知識を共有することができます。
(目次)
1.銀行融資状況
2.「コロナ借換保証」とは
3.現状把握が重要
4.融資審査のポイント
5.事業計画書の重要性
6.事業計画書の作成代行サービスとメリット
7.まとめ
1.銀行融資状況
2023年4月末における全国銀行の貸出金残高は565兆8952億円で、
前月末比2,245億円増、前年同月末比では4.3%増でした。前年同月末比は年度初め
から連続して増加になっています。
これはコロナ禍で急増した運転資金などの融資の返済が進んだ一方、ウクライナ危
機に伴う原油(資源・エネルギー)高やポストコロナ/ウィズコロナ対策などに備
えた資金需要が少しずつ増えていたからのようです。
(出典:全国銀行協会「全国銀行 預金・貸出金速報(2023.4月末)」2023.5.10発表)
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/stats/month1_01/yokashi03833.pdf
しかし、コロナやウクライナ危機の影響にとどまらず企業の経営環境は厳しさを
増しています。企業の輸入コスト負担は、円安によって加速度的に増しています。
仕入れ価格の上昇で利益が急減した企業では、将来不安に備えて借りたコロナ融資
の資金を日々の支払いに回さざるを得なくなったケースも多々あるようです。
2.「コロナ借換保証」とは
このような状況を踏まえて、民間ゼロゼロ融資からの借換え需要に加え、他の保
証付融資からの借り換えや、事業再構築等の前向き投資に必要な新たな資金需要に
も対応する信用保証制度(コロナ借換保証)が2023年1月10日から開始されていま
す。
(制度概要)
保証限度額:1億円(民間ゼロゼロ融資の上限額6千万円を上回る)
保証期間 :10年以内
据置期間 :5年以内
金利 :金融機関所定
保証料 :(事業者負担) 0.2%等(補助前は0.85%等)
要件 :売上または利益率が5%以上減少 など
その他 :・100%保証の融資は、100%保証での借換が可能
・経営行動計画書(※)の作成
・金融機関の継続的な伴走支援
(出典:中小企業庁「民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度
(コロナ借換保証)を開始します。」 令和4年12月23日 更新2023.1.17)
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html
※金融機関との対話を通じた「経営行動計画書」は必須ですが、根拠ある事業計画
書があればそれをベースに作成することが容易にできます。
3.現状把握が重要
銀行融資による資金調達を進めていくにあたり最も重要なことは、現在の経営状
況を客観的にかつ正確に把握することです。正確な現状把握と財務分析をしたうえ
で実現性のある事業計画を作成することにより、各資金調達申請の承認・採択の可
能性がかなり高まることになります。
財務分析は、貸借対照表や損益計算書等の財務諸表から、会社の収益性・安全性
・生産性・成長性を分析することです。企業の現状や経営における問題点を把握、
将来予測をすることが可能です。
現在の経営状況を把握するためには事実の確認と検証が必須になります。
・売上と利益等各数値目標には必ずデータに基づいた根拠があること
・決算書・試算表・資金繰り表・返済予定表等は3期分を分析し特徴を把握する
こと
・売上と利益のバランスが良いこと(特に利益は必ず返済額より多いこと)
・役員報酬/人件費が妥当であること
・人件費以外の経費にもムダがないこと
・資金計画は綿密に作成すること(返済計画と矛盾しないこと)
など
※これらの作業は、やはり融資や財務に詳しい税理士・公認会計士や専門コンサ
ルタントに依頼して行うことが確実に遂行できると思われます。
できれば、これを機会にCFO(Chief Financial Officer=「最高財務責任者」)
を設置(社内昇格又は専門の外部コンサルタント)することが望まれます。
4.融資審査のポイント
1)融資基本項目の確認
以下の項目について、融資希望内容に妥当性があるか確認します。
・必要金額、資金使途(運転/設備)、返済期間、金利、担保、保証人の有無、
返済財源(資金繰り表) など
2)定量評価(財務状況)
財務諸表(決算書・試算表・資金繰り表・借入一覧表 等)の数値に基づき、
・安定性(流動比率、自己資本比率 等)
・収益性(利益率、当期純利益額 等)
・成長性(売上増加率、経常利益増加率 等)
・返済能力(キャッシュフロー、債務償還年数 等)
といった指標が決定されます。
融資審査においては最も重要な評価ポイントとなります。
3)定性評価(決算書等では表れない要素)
・経営者の能力
・市場の将来性
・実現性のある事業計画(事業の健全性) など
→数字には表せない項目も多く適切な評価を得ることは難しいですが、客観
的に納得性・実現性のある「事業計画書」を作成することで、融資審査を
有利に進めることができます。
4)保全状況(返済が不可能となった時の回収方法)
・信用保証協会、保証会社、担保、連帯保証人 など
5.事業計画書の重要性
融資審査時の重要ポイントである決算書ですが、あくまで過去の実績でしかあり
ません。決算書の内容が多少見劣りすることがある場合でも、定性評価のひとつで
ある「事業計画書」の内容が良ければ、融資審査での印象を良くすることができま
す。
事業計画書には未来の事業方向性・業績予測(収益見込)が描かれています。
銀行としても貸出金回収の目論見と取引会社育成の使命があります。まさに融資の
決め手は「実現性のある事業計画書」にあるといえるでしょう。
(「コロナ借換保証」の申請に必須の「経営行動計画書」ですが、このような事業
計画書があれば容易に作成することができます)
6.事業計画書の作成代行サービスとメリット
審査が厳しくなっている資金提供者を納得させるような事業計画書を作成するこ
とは大変困難な作業で、それなりの経験と知識及びテクニックが必要となります。
外部の事業計画書作成の専門家(コンサルタント)を活用することも融資実現の早
道といえるでしょう。
<事業計画書を外部の専門コンサルタントに依頼するメリット>
①専門知識を持っていないオーナーでも、適切で質の高い事業計画書が作成可能です。
②自社内では気づきにくい問題点や改善点を指摘してくれる可能性があります。
③事業計画の中立性を保つことにより、客観的な視点を失うことがありません。
④市場の動向・最新のトレンドやベストプラクティス(成功事例)を取り入れることが
可能です。
⑤専門的なノウハウやツールを使った分析や調査により、自社内で行うよりも効率的・
正確な情報の収集が可能です。
⑥時間・社内リソースが不足していても、迅速かつ効率的に事業計画書を作成すること
ができます。
⑦本来のビジネスに集中することができます。
⑧専門コンサルタントが作成することで、出資者や金融機関などへの強いアピールを行う
ことができます。
⑨作成された事業計画書は、企業の成長を支える一方で内部の意思決定にも役立ちます。
<事業計画書の作成代行サービスの選び方>
事業計画書の作成代行サービスを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
①実績と評判(過去の成功事例や顧客からの評価をチェック)
②専門性(業界やビジネスモデルに精通したライターやコンサルタントの有無)
③コミュニケーション(円滑なコミュニケーションが可能なサービスか)
④価格と納期(予算や納期に合ったサービス。但し品質が第一。)
⑤アフターサポート(資金調達後もアフターサポートが充実しているか)
<事業計画書のアップデートとフォローアップ>
事業計画書は、一度作成しただけではなく、定期的に見直しやアップデートが必
要です。市場環境や競合状況の変化、新たなビジネスチャンスやリスクが発生した
場合、事業計画書を適時更新することで、投資家や金融機関に対して企業の状況を
正確に伝えることができます。
また、プロによる事業計画書作成代行サービスを利用する場合、アップデートや
フォローアップも依頼できることが多いため、企業の状況に応じた最適な事業計画
書が常に提供されます。
7.まとめ
新型コロナウイルスがもたらした経済環境の変化は、多くの企業にとって困難な
状況を強いています。しかし、それは同時に新たなビジネスチャンスを探求し、企
業の成長を促進する機会でもあります。事業計画書を通じて自社のビジネスモデル
を再評価し、新たなビジョンを描くことで、コロナ禍を乗り越える力を得ることが
できるでしょう。
コロナ借換保証制度と事業計画書の重要性を理解した上で、資金調達を成功させ
るための第一歩を踏み出しましょう。そして、その過程で事業計画書作成代行サー
ビスを活用することで、より高品質な事業計画書を作成し、事業の成長を加速させ
ることができるでしょう。
※事業計画書の書き方については、当ブログ内にも参考となる記事があります
ので、以下のページをご参照下さい。
→ 【成長戦略のカギ】事業計画書の書き方と資金調達への活用法
※当バルクアップコンサルティング社は、全員が日本及び世界のトップコンサル
ティングファームで経験を積んだトップコンサルタントであり真のプロフェッ
ショナル集団です。資金調達における事業計画書の作成や事業展開にお悩みの
場合は是非一度ご相談下さい。
(事業計画書作成の作成代行サービスについてはこちら)
→ バルクアップコンサルティング社 事業計画書作成サービス
(バルクアップコンサルティング社の概要についてはこちら)
→ バルクアップコンサルティング株式会社