新たなビジネスを立ち上げる際、最初の一歩を踏み出すために必要なものは何でしょうか?それは、資金と具体的なビジョンです。そしてその両方を繋ぐ重要なツールが「事業計画書」です。
本記事では、現在のスタートアップにおける資金調達の内容と現状、事業計画書の重要性、その効果的な「書き方」、そして作成代行のメリットについて詳しく解説します。これらを理解し活用することで、スタートアップを成功へと導く道筋が見えてくるでしょう。
(目次)
1.スタートアップにおける資金調達方法
2.追い風の吹くスタートアップ
3.スタートアップ資金調達方法の変化
4.成長するスタートアップの特徴
5.事業計画書の重要性
6.事業計画書の作成代行サービスとメリット
1.スタートアップにおける資金調達方法
スタートアップにおける資金調達方法は様々あります。
1)自己資金
自身の貯蓄や資産を使って事業を始める方法です。リスクは高いですが、他人
に対する説明責任や返済責任がないというメリットがあります。
2)エンジェル投資
個人投資家であるエンジェル投資家から資金を調達する方法です。エンジェル
投資家はスタートアップのビジネスモデルや創業者のビジョンに共感し、初期
段階でのリスクを受け入れ、投資を行います。
3)ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルは、高いリターンを期待してリスクの高い初期段階の企
業に投資します。ベンチャーキャピタルからの資金調達は大きな資金を得るこ
とができますが、株式の一部を譲渡することで経営権が分散する可能性があり
ます。
4)銀行融資
銀行や金融機関からの借入れも一つの方法ですが、担保や返済能力が求められ
るため、スタートアップにはハードルが高いです。
5)クラウドファンディング
インターネットを通じて一般の人々から小額の資金を集める方法です。リワー
ド型やエクイティ型など、様々な形式があります。
6)政府による支援策
①補助金・助成金
特定の業種や事業内容に対して、政府が部分的に費用を補助する制度です。競争
率は高いですが、採択されれば返済義務はありません。
②政府保証の融資
日本政策金融公庫や信用保証協会などが提供する融資制度で、政府が一部または
全額の保証を行います。これにより、銀行などの金融機関からの融資を受けやす
くなります。
③税制優遇措置
研究開発投資や設備投資に対する税制優遇措置が存在します。これらは、初期
投資の負担を軽減し、ビジネスの成長を促進するためのものです。
以上のような資金調達方法や政府の支援策を活用することで、スタートアップは
初期段階で必要とする資金を確保することが可能になります。ただし、各方法には
それぞれメリットとデメリットが存在しますので、自社のビジネスモデルや成長計
画に合わせて最適な方法を選択することが重要です。
また、どの方法を選択するにせよ、資金調達の成功には事業計画書が欠かせません。
事業計画書は、ビジネスのビジョンや戦略、市場分析、財務計画などを明確に記述
し、投資家や金融機関に対してビジネスの可能性を訴求するための重要なツールと
なります。その作成は専門的な知識を必要としますが、作成代行サービスを利用する
ことで、専門的な視点と効率的な時間管理を実現することができます。
2.追い風の吹くスタートアップ
政府主導の「スタートアップ育成5か年計画」(2022.11.24発表)が始動しています。
岸田首相は「新しい資本主義」の実現に向けた重点分野にスタートアップ支援を掲げ
ていて、その具体策がこの5カ年計画になります。
具体的な目標は、
・スタートアップへの投資額を2027年度には10兆円規模に引き上げる
・スタートアップを10万社創出し、その中からユニコーン企業を100社創出する
というもの。
その達成に向けて、政府は以下の3本柱を5カ年計画の軸としています。
1)スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
(起業を志す人材の育成や支援、起業を加速)
・メンターによる若手人材支援
・起業家教育の拡大
・大学等の技術シーズの事業化支援
等
2)スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
(VCの投資拡大や公共調達の促進など)
・経営者保証を必要としない信用保証制度の創設
・スタートアップへの再投資に係る非課税措置の創設
・VC等への公的資本の投資拡大
・ディープテック分野の研究開発支援の強化
・ストックオプションの環境整備
・スタートアップからの公共調達拡大
・海外起業家/投資家の誘致拡大
・海外市場開拓支援
等
3)オープンイノベーションの推進
(大企業とスタートアップとのオープンイノベーションを推進)
・オープンイノベーション税制によるM&A促進
・未上場株のセカンダリー市場整備
等
(出典:経産省「スタートアップ育成に向けた政府の取り組み」)
https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/meti_startup-policy.pdf
経済産業省は現時点で69種類のスタートアップ支援策を提供しています。
すべての人がすべての支援策を利用できるわけではありませんが、事業内容や経営
状況を問わず、何かしらのスタートアップ支援策を利用できると考えてよいでしょう。
閉塞感のある日本企業・日本経済を活性化する為にも、スタートアップの活躍を
強力に後押しすることが一連の政府支援策の狙いであり、今回の発表はその本気度
を表したものといえるでしょう。
このような広がる各種支援策で、まさにスタートアップには追い風が吹いていると
いえるでしょう。
3.スタートアップ資金調達方法の変化
2023年のスタートアップ市場は、VC(ベンチャーキャピタル)など投資家の
選別姿勢が一段と強まる公算が大きく、IPOでも十分な成長資金を調達しにくい状況
です。又、物価高や人材市場の流動性の低さも経営を圧迫する要因となっています。
世界情勢の影響が徐々に日本の資金調達環境にも変化をもたらしてきていて、レ
イターステージ(株式上場も視野に入る成熟段階)のベンチャーも企業評価額の水
準が下がったため、IPO直前でとりやめるケースも多くなってきています。
投資家によるベンチャー企業の投資可否の選別がより厳しくなってきていると思
われます。ただ、そんな逆風の中でも健闘して資金調達を実現し、成長性と収益性
を高めている日本のスタートアップ企業もあります。
厳しい状況の中でも、事業環境がよく独自の強みをもっている企業は着々と大型
の資金調達を成功させています。投資ファンドの設立も2019年~2021年にかけては
活発だったので、未投資の運用金額は豊富と思われます。(ファンドの投資期間は
通常2~3年)
VC等に出資する機関投資家も広がっていて、世界最大の機関投資家であるGP
IF(年金積立金管理運用独立行政法人)もVCへの投資を増やす動きをみせてい
ます。
又、政府も上述のとおり様々なスタートアップ支援策を打ち出していて、スタート
アップ・ベンチャーへの投資環境は揃ってきているといえるでしょう。
4.成長するスタートアップの特徴
独自の強みを持ち事業の採算性が高い(成長性と収益力が高い)等、事業環境の
良い企業はこの逆風の中でも資金調達のチャンスがきたといえるでしょう。
例えば以下のような特徴(見込)のある企業は企業価値が高く評価されます。つま
り成功する確率が高く、資金調達も有利にすすめることができるといえるでしょう。
1)明確なビジョンがある
成功するスタートアップは、ビジョンを持ち、それを追求します。ビジョンは会
社の方向性を示し、全員が一体となって目指す目標を提供します。
2)高い成長率
対象事業の市場全体の成長率よりも高い成長率が見込まれること。
3)高い市場シェア
対象事業における業界シェアが高く、かつその事業の市場そのものが成長すると
予想されること。
4)競合が少ない
現時点での競合が少ないほうが、当然ながら高収益になる可能性があります。
但し、競合が多い方が市場に魅力があるということでもあるので、競合が多い中
で市場シェアがとれることが理想ではあります。
5)経費(人件費や物件費など)率が低い
人件費や物件費などのコストが低いことは、当然ながら高収益企業の条件の一つに
なります。
6)問題解決力
成長するスタートアップは、特定の問題を解決し、価値を提供します。それは新し
い市場を作り出すか、既存の市場で新たなソリューションを提供するか、もしくは
既存のソリューションを改善するかもしれません。
7)強力なチーム
成功するスタートアップは、共に働くための強力なチームを持っています。それ
は、創業者だけでなく、従業員全員が強く熱意を持っており、共通の目標に向かっ
て働いていることを意味します。
8)適応性
スタートアップは常に変化し、新しい挑戦が常に出現します。成功するスタート
アップはこれらの変化に対応し、必要に応じて戦略を調整する能力を持っています。
9)資金調達能力
成長するためには資金が必要です。成功するスタートアップは、投資家や金融機関
から資金を調達する能力を持っています。これには、事業計画書の作成能力が重要
になります。
5.事業計画書の重要性
スタートアップを支援するいずれの資金提供者も、対象会社健全育成のうえ将来
的に各種利益(インカムゲイン、キャピタルゲイン等)を得ることを目的としてい
ます。従って、借り手企業についてはシビアに調査・分析するのは必然といえます。
とくにスタートアップ・ベンチャー企業の事業計画は、過去の実績はありません
ので、その将来の事業の姿を可視化・文章化したものである「事業計画書」が客観
的に納得性・実現性のあるものでなくては、信頼できません。希望的な数字で作成
した場合はすぐにわかりますので、事業計画書全ての項目に対して、裏付け・根拠
のあるものにする必要があります。
まさに「納得性と実現性のある事業計画書」が資金調達の決め手であり、経営者
のプレゼン能力(熱意、覚悟)によりその内容がうまく伝わるかどうかが決まります。
事業計画書とは、「会社の経営理念・事業方針を明確にし、今後の事業推進計画
・数値目標(収益見込)・各組織及び各個人のやるべきこと等を可視化し、社内及
び社外に説明するための書類」です。
つまり、「事業計画書」には未来の事業方向性・業績予測(収益見込)が描かれて
います。資金提供者としても資金回収の目論見と取引会社育成の使命があります。
まさに決め手は「実現性のある事業計画書」にあるといえるでしょう。
6.事業計画書の作成代行サービスとメリット
審査が厳しくなっている資金提供者を納得させるような事業計画書を作成するこ
とは大変困難な作業で、それなりの経験と知識及びテクニックが必要となります。
外部の事業計画書作成の専門家(コンサルタント)を活用することも融資実現の
早道といえるでしょう。
<事業計画書を外部の専門コンサルタントに依頼するメリット>
①専門知識を持っていないオーナーでも、適切で質の高い事業計画書が作成可能です。
②自社内では気づきにくい問題点や改善点を指摘してくれる可能性があります。
③事業計画の中立性を保つことにより、客観的な視点を失うことがありません。
④最新のトレンドやベストプラクティス(成功事例)を取り入れることが可能です。
⑤専門的なノウハウやツールを使った分析や調査により、自社内で行うよりも効率的・
正確な情報の収集が可能です。
⑥時間・社内リソースが不足していても、迅速かつ効率的に事業計画書を作成することが
できます。
⑦専門コンサルタントが作成することで、出資者や金融機関などへの強いアピールを行う
ことができます。
<事業計画書の作成代行サービスの選び方>
事業計画書の作成代行サービスを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
①実績と評判(過去の成功事例や顧客からの評価をチェック)
②専門性(業界やビジネスモデルに精通したライターやコンサルタントの有無)
③コミュニケーション(円滑なコミュニケーションが可能なサービスか)
④価格と納期(予算や納期に合ったサービス。但し品質が第一。)
⑤アフターサポート(資金調達後もアフターサポートが充実しているか)
<事業計画書のアップデートとフォローアップ>
事業計画書は、一度作成しただけではなく、定期的に見直しやアップデート
が必要です。市場環境や競合状況の変化、新たなビジネスチャンスやリスクが発
生した場合、事業計画書を適時更新することで、投資家や金融機関に対して企業
の状況を正確に伝えることができます。
また、プロによる事業計画書作成代行サービスを利用する場合、アップデート
やフォローアップも依頼できることが多いため、企業の状況に応じた最適な事業
計画書が常に提供されます。
<事業計画書の他の活用方法>
事業計画書は、資金調達だけでなく、企業の内部経営にも役立てることができ
ます。具体的には、経営陣や従業員が企業のビジョンや目標を共有し、一致団結
して取り組むための指針となることが挙げられます。また、事業計画書を作成する
プロセス自体が、企業の現状分析や市場リサーチ、戦略立案に役立ちます。
<最新のトレンドにも目を向ける>
①デジタル化やテクノロジーの活用
②環境・社会・ガバナンス(ESG)への配慮
③グローバル市場での競争力強化
これらの要素を取り入れた事業計画書は、投資家に対して企業の先見性や持続可
能なビジネスモデルをアピールできるため、資金調達の成功確率を高めることが
できます。
※事業計画書の書き方については、当ブログ内にも参考となる記事があります
ので、以下のページをご参照下さい。
→ 【成長戦略のカギ】事業計画書の書き方と資金調達への活用法
※当バルクアップコンサルティング社は、全員が日本及び世界のトップコンサ
ルティングファームで経験を積んだトップコンサルタントであり真のプロフェ
ッショナル集団です。資金調達における事業計画書の作成や事業展開にお悩み
の場合は是非一度ご相談下さい。
(事業計画書作成の作成代行サービスについてはこちら)
→ バルクアップコンサルティング社 事業計画書作成サービス
(バルクアップコンサルティング社の概要についてはこちら)
→ バルクアップコンサルティング株式会社