M&Aにおける事業計画書は、買い手探しや買い手候補とのコミュニケーションに必要なものです。
事業計画書がしっかりと書けていない、もしくはそもそも事業計画書がない。それは相手に将来のビジョンすらない企業という印象を与えてしまいます。また具体的な戦略だったり、収益の見込みはあるのかどうかについても、ネガティブな印象を抱く理由になるでしょう。
勿論、事業計画書を作成しても中身がなかったり中身が現実に即さないのはNGですが、そもそも事業計画書がないのは論外だといえます。
事業計画書はM&Aだけでなく、資金調達にも役立つ材料となります。事業計画書を活用するメリットは大きいですし、しっかりとした事業計画書なしではハンデが大きいといえます。
事業計画は将来についてその方針を決めるものなので、事業計画書を作成すると今企業が置かれている状況、将来の方向性などが見えてきます。
M&Aにおいては、事業計画書があれば買い手企業にとって今後の計画を立てる参考になりますし、あるのとないのでは大違いでしょう。
事業計画書はこのように、売り手が作成するものと思いがちですが、実は買い手の方が作成するケースの方が多いです。というのも、M&A後の主体は買い手企業となるので、吸収や買収される企業が事業計画書を作成しても、その案が採用される可能性は低いです。
むしろ買い手となる企業が作成することで、売り手にM&Aについて自分たちの考えをまとめて伝えることができます。
買い手企業の事業計画書作成には、M&Aの対象となる企業の情報を集めて分析したり、M&Aによる相乗効果について、戦略的にまとめる必要性があります。つまり売り手企業は買い手の事業計画書に目を通すことで、M&Aの考えを知ることになります。
双方にM&Aに前向きな共通の意思があれば、ヒアリングをしながら作成することも可能でしょう。これはコミュニケーションのきっかけになることを意味しますし、やはり自分たちの考えをまとめたりお互いの考えを知る意味で、重要なツールとなるのは間違いないです。