事業計画書の力で資金調達を実現!    信用保証協会付き融資のポイント

銀行融資

 融資を受けるには、事業計画書の作成が欠かせません。特に信用保証協会付き融資を利用する場合、事業計画書はポイントとなります。本記事では、信用保証協会の特徴に焦点を当てながら、事業計画書の重要性について解説します。事業を始めるにあたって資金が必要な創業者や経営者の方々にとって、必読の内容となっています。信用保証協会の活用と事業計画書の書き方をマスターし、成功への一歩を踏み出しましょう。

   目次
1.信用保証協会とは
2.信用保証協会の最近の動き(参考)
3.信用保証協会付き融資のメリットとデメリット
4.事業(創業)計画書の役割と重要性
5.事業計画書の作成代行サービスの利用メリット
6.銀行のプロパー融資との比較
7.信用保証協会付き融資の返済計画とリスク管理
8.まとめ

1. 信用保証協会とは

 1) 概要
  日本の中小企業・小規模事業者(企業全体の99.7%)のうち、約半数程が利用している信用
  保証協会。信用保証協会が保証をしている融資である「保証付融資」は資金調達の大きな柱とな
  っています。

   信用保証協会は、信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)に基づき、中小企
  業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。
  中小企業・小規模事業者が金融機関から事業に必要な資金を借りる際に、その保証人となって、
  資金が借りやすくなるようサポートすることを目的としています。
 
   信用保証協会の役割は、保証付融資の借主である事業者の融資返済が滞ったときに、信用保証
  協会が代位弁済(肩代わりとなって返済する)すると融資元である金融機関に約束することにあ
  ります。

  その仕組みは「信用保証制度」といい、以下の二つの機能から「信用補完制度」とも呼ばれてい
  ます。
  ① 信用保証協会が金融機関に対して、中小企業・小規模事業者の債務を保証する「信用保証」機能
  ② これを国の出資による日本政策金融公庫が再保険する「信用保険」機能

 この制度の簡単な関連図は次のようになります。

 2) 信用保証の仕組み
  保証申込から代位弁済・回収に至るまでの流れは以下のとおりです。

  A:信用保証協会
  B:金融機関
  C:中小企業・小規模事業者

  ① 信用保証委託申込(C→A) / 融資申込(C→B) / 信用保証申込(B→A)
  ② 信用調査(A→C)
  ③ 信用保証書発行(A→B)
  ④ 保証料支払(C→A) / 融資(B→C)
  ⑤ 返済(C→B)
  ⑥ 代位弁済請求(B→A)
  ⑦ 代位弁済(A→B)
  ⑧ 求償権発生(A→C)
  ⑨ 返済(回収)(C→A)

 3) 信用保険の仕組み
  信用保証協会と日本政策金融公庫は代位弁済に関して保険契約を結びますが、その内容は以下
  の通りです
  (1)保証付融資が実行されると、信用保証協会は日本政策金融公庫に保険料を支払います。
  (2)融資を受けた事業者が所定期限までに金融機関へ借入金の返済を行わない場合、金融機関か
   ら信用保証協会にその旨通知され、信用保証協会は金融機関に代位弁済します
  (3)信用保証協会は、代位弁済額の70~90%を保険金として日本政策金融公庫から受領します
  (4)信用保証協会はその後、融資を受けた事業者に求償権を行使して返済をしてもらいます。この
   金額の一定の割合について、日本政策金融公庫に「回収納付金」として返納します。

 4) 保証制度の種類
  (1)流動資産担保融資保証制度(ABL保証)
   売掛債権や棚卸資産を担保にした融資を保証する制度
  (2)小口零細企業保証制度
   金融環境の変化による影響を受けやすい小規模企業者を対象として創設された責任共有制度
   対象除外となる保証制度。
  (3) 借換保証制度
   複数の保証付融資の債務一本化等を促進することにより、中小企業・小規模事業者の月々の
   返済額の軽減等を推進し、中小企業・小規模事業者の資金繰りを円滑化することを目的に創
   設された保証制度
  (4) 特定社債保証制度
   社債の発行により資金調達の円滑化を図り、資本市場から直接資金調達を行う保証制度

 5)対象となる中小企業・小規模事業者の基準表
  (業種・企業規模)

業種

資本金

従業員

製造業

3億円以下

300人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

小売業

5,000万円以下

50人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

医療法人等

300人以下

(農業、林業、漁業、金融、保険業は対象外)
 (業種によりさらに細分化されている場合があります)
 (区域・業歴)
  原則として、各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる必要があります。

 6)保証限度額(最高限度額)

 

個人/法人

協同組合等

普通保証

2億円

4億円

無担保保証

8,000万円

8,000万円

社債保証

4億5,000万円

2.信用保証協会の最近の動き(参考)

 1)新型コロナウィルス感染症の影響を受けた事業者への対応
   ・経営相談窓口の設置
   ・セーフティネット保証4号(突発的災害(自然災害等))の発動
   ・危機関連保証の発動
   ・セーフティネット保証5号(不況業種)の原則全業種指定
   ・新型コロナウイルス感染症対応資金の取り扱い内容の拡充
 2)事業承継時における経営者保証を不要とする取り組みの拡充
   ・事業承継時、後継者の経営者保証を可能な限り解除することを後押しするための取り組み
    を開始
 3)相次ぐ自然災害における被災事業者への対応
  ・2020年7月の九州大雨や、12月~2021年1月の大雪、2月の福島県沖地震等と相次いだ自然
   災害に対し、セーフティネット保証4号(突発的災害(自然災害等))を発動する等、速やか
   に金融支援を講じた
 4)東日本大震災を踏まえた対応
  ・「東日本大震災復興緊急保証」及び「災害関係保証」の二つの保証についての適用期限を2022
   年(令和4年)3月31日まで延長した
 5)ウクライナ情勢対応緊急融資の創設(東京都)
  ・ウクライナ情勢の変化により世界的に、原油等のエネルギーに加え、資材や原材料の価格高騰
   など、様々な影響が懸念されるため、ウクライナ情勢を発端として事業活動に影響が生じる中小
   企業者等を「経営安定融資(経営一般)」の融資対象として知事指定し、資金的な支援を行った
 等

3.信用保証協会を利用するメリット・デメリット

  (メリット)
 1)実績が少ない事業者でも融資が受けやすい
  信用保証協会の保証がある為、実績が少ない事業者に対しても銀行等金融機関も融資がしやすい
  制度となっています。
  新規事業を立ち上げた事業者には「創業融資(保証)」という商品も取り扱っていて、信用力の
  乏しい起業家にはおすすめの制度となっています。
  経営経験が浅い事業者には無料の経営相談や創業事例の紹介なども行っています。
  また、保証付融資の利用で不安がある場合は、税理士に相談することもできます。
 2)融資枠の拡大
  取引金融機関のプロパー融資と信用保証協会の保証付融資を併用することが可能なので、融資枠を
  拡大することができます。
 3)ニーズに合わせた保証制度
  利用目的に合わせて各種の保証制度を利用することができます。
 4)長期の借入が可能
  保証制度によっては、長期の借入が可能です。
  例えば、「長期経営資金保証制度」(東京・千葉等の信用保証協会)は、返済期限が設備資金20年
  ・運転資金15年以内という制度もあります。
 5)連帯保証人は不要(原則として)
  法人の場合、法人代表者以外の連帯保証人は必要ありません。
  個人事業者の場合は保証人は原則として不要です。
 6)担保不要
  他の融資制度と比べて担保(不動産担保等)を用意する心配はあまりありません。
 7)保証協会団信に加入できる
  保証協会団信は、保証協会団信付の保証付融資が完済となる前に被保険者(事業者)が死亡また
  は高度障害となった場合、全国信用保証協会連合会が生命保険会社から受取る保険金で保証付融
  資を弁済するものです。又、一般の生命保険より安い特約料(保険料)となっています。
  中小企業者の事業の維持安定とともに、その家族の安心を図ることができます。

 (デメリット)
  1)代位弁済後も債務は残る
   デメリットというか当然ではありますが、代位弁済により金融機関への債務は消えても、弁済
   した信用保証協会に対しては債務が発生します。
  2)審査に時間がかかる可能性がある
   保証付融資を受けるには、信用保証協会と融資元である金融機関の両方の審査を受けなければ
   なりません。その為、審査には1か月以上かかることもあり、利用する際には時間に余裕を持
   って申し込みすることが必要です。(片方の審査だけが通らない場合もあります)
    審査を効率よく進めるためにも、経営状態の把握や提出書類(特に事業計画書や返済計画な
   ど)を周到に用意し、審査時にはスムーズに説明できるように準備することが大事といえます。
   この際、裏付けとなる数字はより具体的に記載し、内容・根拠を明確にする必要があります。
  3)融資の金利以外に保証料が別途必要
   信用保証協会は代位弁済の義務を負っているので、融資先からは保証料を徴収します。保証料率
   はCRD(中小企業信用リスクデータベース)を活用して、決算書を基にした財務評価プラス定
   性評価(財務以外の要素)により9段階に区分された保証料率から決定されます。

4.事業(創業)計画書の役割と重要性

  銀行等の金融機関からの融資がうまくいかない場合でも、キチンとした対策をたてて対応する
 ことにより信用保証協会の保証付融資を使える可能性があります。
 その対策に欠かせないのが事業計画書(創業する場合は「創業計画書」)になります。

  審査では、様々な角度から事業(創業)計画を検証したうえで融資実行の判断をしますが、「利息
 をつけて返済できる」「将来成長が見込まれ、日本経済の発展に寄与する」という評価を受けること
 が第一条件となります。つまり、経営を維持向上できる、そして今後大きく成長が期待できる企業と
 いうことです。

  事業(創業)計画書は、会社の経営理念・ビジョン・成長性・独自性・事業推進計画・数値目標
 (売上/利益見込)・各組織体制/目標などの経営情報項目を文章化・可視化した資料です。
 つまり、事業(創業)計画書には未来の事業方向性・業績予測(収益見込)が描かれていて、信用
 保証協会が事業の成長性や返済能力を評価する上での根拠となります。正確かつ具体的な事業計画
 書を作成することは、融資の審査を通過するための重要なステップです。
 貸し手となる金融機関・信用保証協会側としても、貸出金回収とともに日本の中小企業や創業する
 企業を育成するという使命があります。まさに資金調達の決め手は「実現性のある事業計画書」に
 あるといえるでしょう。

5.事業計画書の作成代行サービスの利用メリット

  事業計画書の作成は時間と労力を要する作業ですが、作成代行サービスを利用することで以下の
 ようなメリットがあります。
 1)専門知識と経験の活用
  作成代行サービスは専門のライターやコンサルタントが在籍しており、豊富な知識と経験を活か
  して事業計画書を作成してくれます。
 2)作成の効率化
  専門家が指導やテンプレートを提供し、スムーズな作業をサポートします。時間を節約し、迅速
  な申請を行うことができます。
 3)品質の向上
  専門家による校正やアドバイスにより、事業計画書の品質が向上します。書類の内容や論理性、表
  現方法などを専門家の目でチェックしてもらえます。
 4)審査通過のサポート
  作成代行サービスは信用保証協会の審査基準に詳しいため、審査通過へのノウハウやポイントを提
  供してくれます。
 5)経営者の負担軽減
  事業計画書の作成は経営者にとって煩雑な作業です。作成代行サービスの利用により、経営者は他
  の重要な業務に集中できます。

6.銀行のプロパー融資との比較

  いわゆる銀行のプロパー融資(銀行と事業主が直接取引)と比較すると、以下の違いがあります。
 1)審査を行う機関
  プロパー融資は銀行と事業主が直接取引を行う融資であり、審査は銀行がします。信用保証付き
  融資は信用保証協会が保証を行う融資のため、銀行と信用保証協会それぞれが審査をします。
 2)担保や保証人の要否
  信用保証協会付き融資では追加の担保や保証人が不要ですが、プロパー融資では必要とされる場合
  があります。
 3)審査の厳しさ
  プロパー融資では、事業主の返済が難しくなった場合は、銀行側が貸し倒れのリスクを負うので、
  実績のある企業が中心となり、審査も厳しくなります。
  信用保証付き融資では、信用保証協会が貸し倒れのリスクを負うため、金融機関との取引関係が
  それほど無い中小企業や小規模事業者の方は信用保証付き融資の方が融資を受けやすい傾向があ
  ります。
 4)利率や返済条件
  融資の利率や返済条件は各融資制度によって異なります。比較検討を行い、自社の状況やニーズに
  合った最適な条件を選択する必要があります。
 5)審査期間
  基本的にプロパー融資は実績のある企業しか利用ができず、2週間~2か月程度とされています。
  信用保証付き融資の場合、初めて利用するのであれば2~3か月程度、追加融資であれば、1~2か月
  程度とされています。
  いずれも、企業の業績状況や時期によっても審査期間は変わってきます。
 6)手数料の有無
  プロパー融資では銀行に対して、手数料を支払う必要はありませんが、信用保証付き融資では信用
  保証協会へ所定の手数料を支払う必要があります。
 7)融資限度額
  プロパー融資の場合は、限度額を決めるのは銀行になります。銀行との信頼関係や実績により金額
  の大きな融資を受けられることもあります。
  信用保証付き融資の場合は、信用保証協会の保証限度額が基本的に無担保で8,000万円、有担保で2
  億8,000万円と決まっているため、限度額以上の融資を受けることはできません。
 8)金利
  プロパー融資の場合は、銀行のリスク判断に応じて金利は変わります。
  信用保証付き融資の場合には、保証協会が金融機関のリスクを負担していますので、プロパー融資
  の方が金利は高い場合が多いといえます。
 9)借入期間
  プロパー融資では、長期の借入期間を設定するとリスクが高くなるので、借入期間は3~5年の短期
  になることが多いです。
  信用保証付き融資では、銀行はリスクなく利息収入が増えるという点から、借入期間が5~10年の
  長期になることが多いです。

7.信用保証協会付き融資の返済計画とリスク管理

 信用保証協会付き融資の返済計画とリスク管理については、以下のポイントに注意する必要があります。
 1)返済能力の確保
  事業計画書において返済計画を具体的に示すことが重要です。収益予測やキャッシュフローの見通
  しを明確にし、返済能力を示すことが求められます。
 2)リスク要因の分析
  信用保証協会はリスク管理を重視しています。事業計画書において、リスク要因や対策を明確に記
  載することで信用性を高めることができます。
 3)返済能力の変動への対応策
  将来の経営環境の変動に対する対応策も事業計画書に盛り込むべきです。リスクの予測とそれに対
  する柔軟な対応策を示すことが重要です。

8.まとめ

  今回解説しました信用保証協会の保証付融資は実績の少ない中小企業・小規模事業者の資金調達
 にとって大変心強い味方となっています。
 そして、その資金調達を実現するには、「事業計画書」の内容をいかに充実させるかが最も重要なポ
 イントとなります。

  資金提供者を納得させるような「信頼される事業計画書」の作成作業を短期間に進めていくのは、
 思った以上に大変な作業となります。当然、複数の人間が携わりますので、スケジュール調整も絶
 えず行う必要があります。又、このような事業計画書の作成はそんなに頻繁にあるものではありま
 せんし、経験が豊富で完璧に書く自信のある人はあまりいないのが実情ではないでしょうか。
 そこで、外部の事業計画書作成の専門家(コンサルタント)を活用することも資金調達の早道といえ
 るでしょう。

※事業計画書の書き方及び作成代行を利用するメリットについては、当ブログ内に参考となる
 記事がありますので、以下のページをご参照下さい。
→  【成長戦略のカギ】事業計画書の書き方と資金調達への活用法

当バルクアップコンサルティング社は、全員が日本及び世界のトップコンサルティングファ
 ームで経験を積んだトップコンサルタントであり真のプロフェッショナル集団です。資金調
 達における事業計画書の作成や事業展開にお悩みの場合は是非一度ご相談下さい。

(事業計画書作成の作成代行サービスについてはこちら)
  → バルクアップコンサルティング社 事業計画書作成サービス

(バルクアップコンサルティング社の概要についてはこちら)
  → バルクアップコンサルティング株式会社

 

関連記事

新着記事

TOP