事業計画書をプロが作成代行!資金調達を成功させる書き方(外食産業)

補助金

 一部の業態で好調も、全体ではまだ厳しい状況
   事業継続のカギは信頼される事業計画書の作成!

  (目次)
1.外食産業の市場動向
2.外食産業の問題点と今後の展望
3.政府の各種支援策と事業承継(M&A)
4.飲食店における事業計画書作成のポイント
5.まとめ

1.外食産業の市場動向

  外食産業の2023年2月における外食全体の売上高は前年同月比123.5%とな
 りました。2019年同月比でも103.8%(店舗数は92.1%)となりコロナ前を上回って
 います。
  コロナ感染の収束傾向、気温の上昇、マスク緩和への動きなどによる人流の増加
 が大きな要因となっていますが、一方で、引き続き原材料費、光熱費、物流費等の
 高騰により値上げせざるを得ない事情があったからの売上増で、実質利益の観点から
 は依然として厳しい経営状況が続いています。

 「パブ/居酒屋」等の店内飲食業態は、昨年のような営業規制がとれ客足の戻りが
 回復基調で、売上283.9%と大幅に増加しました。個人客やインバウンド需要の回復
 傾向に加え、企業等の大きめの宴会も少しずつ増えています。
 但し、19年比では売上64.5%と、コロナ前には戻っていません。
 又、「ファーストフード」業態(昨年比110.2%/2019年比116.3%)、ファミリーレ
 ストラン業態 (前年比139.0%、19年比は95.1%)は引き続き売上好調を維持して
 います。

 (出典:一般社団法人日本フードサービス協会
     「外食産業市場動向調査 2023年2月度結果報告(2023年3月27日)
     http://www.jfnet.or.jp/files/getujidata-2023-02.pdf

2.外食産業の問題点と今後の展望

  1)問題点
   ①原材料価格の高騰
    原材料価格の高騰が続いていて、特にロシアのウクライナ侵攻による食材の
    輸入制限やエネルギーコストの上昇などが影響しています。さらに気候変動
    に伴う災害や不作により、収穫量が減少したり、輸送コストが上昇したりす
    ることもあります。
     これらにより、原材料費の上昇が営業利益を圧迫することが懸念されて
    います。消費者物価指数は前年比3.3%上昇しましたが、食料品は10.0%、
    光熱・水道費は10.8%上昇しています。
    この上昇分を一気に価格に反映させることはできないうえに、円安の影響で輸
    入食材の上昇はさらに大きくなってきていて、経営圧迫要因となっています。

   (出典)総務省 「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)2月分」
       https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

   ②コロナ禍による影響
    新型コロナウイルスの感染拡大により、店舗の休業や時短営業などの営業制限
    が行われ、多くの店舗が経営に打撃を受けました。感染予防のための衛生管理
    によるコスト増加や、営業時間の短縮による売り上げ減少なども課題となって
    います。

   ③人手不足
    外食産業では人手不足が深刻化しており、特に調理師やホールスタッフの不足
    が問題となっています。これにより、スタッフの負担が増大し、サービスの質
    の低下や営業時間の短縮が起こることがあります。
     コロナ禍で休業していた時期には、アルバイト・パートを減らして何とか対
    応していました。ところが、昨今の客数増でも従業員を集めることができず、
    深刻な人手不足となっています。
     人手不足に拍車をかけているのが外国人労働者の減少です。
    新型コロナ対策で外国人の入国を厳しく制限していたことや円安による日本の
    賃金の魅力が大きく低下したことが外国人労働者を遠ざける原因となっていま
    す。

   ④人件費の大幅な増加
    深刻な人手不足の結果、需給の関係からもパートやアルバイトの時給は急速に
    上昇しています。当然、利益率が悪化し経営圧迫要因となっています。

   ⑤食文化の多様化
    近年、食文化の多様化が進んでおり、健康志向や食の安全性に対する意識の高
    まりなどが背景にあります。これにより、需要の変化に対応できない外食企業
    が増加しており、競争激化が進んでいます。

   ⑥デジタル化の遅れ
    デジタル化が進む現代において、注文や決済、配達などのプロセスをオンライ
    ン化することが求められています。しかし、外食産業においてはデジタル化に
    取り残されている企業も多く、顧客との接点が限定されることが課題となって
    います。

 2)今後の展望
   外食産業は多様なニーズに応えることができる業態を持っていて、需要の増加や
  多様化が見込まれる分野もあります。例えば、
   ・健康志向や地産地消、グルメなど、多様な消費者ニーズに応えるメニューや
    サービスを提供することで、需要の拡大やファン層の獲得につなげることが
    できます。
   ・訪日外国人旅行者を対象とした外食サービスや、地域の特色を生かしたローカ
    ルフードなど、新たな需要を開拓する取り組みも期待されています。

  これらの取り組みを通じて、外食産業は今後も成長の機会を模索し続けることにな
  るでしょう。

   外食産業は今後も競争環境が激化する中で、さまざまな課題に直面することが
  予想されますが、多様なニーズに応えることで需要の拡大や新たなビジネスチャン
  スを獲得することができると予想されます。
   従って、経営者は市場動向を見極め、柔軟な経営戦略を立てることが求められま
  す。消費者側も、外食産業に対してより高いクオリティやバリューを求めることが
  増えますが、これも外食業界全体の発展に貢献する一つの動向であると言えます。

3.政府の各種支援策と事業承継(M&A)

 1)政府による各支援策
   厳しい状況の続く外食産業の再生戦略や事業構造転換の資金調達をサポートして
  いるのが、従来からの銀行融資や経済産業省・中小企業庁が実施している「事業再
  構築補助金」等の政府による中堅・中小企業向け補助金・助成金制度です。

   (参考)経産省:ミラサポ「人気の補助金・給付金」
       https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/

  なかでも、補助金額の多い「事業再構築補助金」は、飲食店等の中小企業・中堅
 企業が事業再構築つまり企業体質を根本的に強化し、今後長期的に外的変化に耐え
 うる日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

 <事業再構築補助金:飲食店におけるメリットとデメリット>
 (メリット)
  ①補助金は返済不要(返済負担無し)
  ②設備投資の費用も補助してもらえる
  ③条件により補助率が高くなることも
  ④自社(お店)の事業計画(今後の方向性)が明確になる
  ⑤事業再構築補助金申請により、今後も新戦略展開にチャレンジが可能

 (デメリット)
  ①申請書類の作成に時間がかかる
  ②補助金は後払い(経費は先に自分で払う)
  ③申請が採択されなかった場合、労力と時間が無駄になる

 このように、事業再構築補助金の申請には、メリットとデメリットがありますので、
 今重要なポイントはどちらにあるのかを十分に検討する必要があります。

 2)事業承継(M&A)という方法
   今後の外食産業の抱える問題点を解決し、事業継続(事業承継)をすすめていく
  もう一つの方法としてM&A(Mergers(合併)and Acquisitions(買収))が
  あります。
  外食産業(飲食店)はM&Aによる事業承継に成功しやすい業種(そのお店特有の
  技術やカルチャーも比較的引き継ぎやすい為)とされていて、実際に外食・フード
  サービス業界ではM&Aが増加してきています。
  料理等はレシピをそのまま引き継ぐことで同じ味を提供でき、店舗・内装・店員等
  もそのまま引き継ぐことが可能です。又、買い手が付きやすいという傾向もありま
  す。

 最近、M&Aによる事業承継が脚光を浴びている理由は、以下のような要因が挙げ
 られます。

  ①経営者の高齢化と後継者不足
   多くの外食企業において、経営者の高齢化が進んでおり、後継者不足が深刻化
   しています。このため、事業承継を行う必要性が高まり、M&Aが選択肢の1つ
   として注目されています。

  ②規模拡大と競争力強化
   外食市場は過剰競争が激しく、企業は規模拡大を図り、ブランド力の向上やコス
   ト削減、経営効率化などを目的としてM&Aを活用することが多くなっています。

  ③事業多角化/新規事業展開
   外食産業において、単一の業態に偏った事業はリスクが高く、景気変動の影響を
   受けやすい傾向があります。M&Aにより、複数の業態を抱えることで、事業リス
   クを分散し、安定的な収益源を確保することができます。
    例えば、外食企業が他の業種の企業を買収することで、新しい市場に進出する
   ことができます。又、海外市場への進出は事業拡大やグローバルなブランド力の
   向上につながるとされています。

  ④資本政策の選択肢/資本力の強化
   外食企業はM&Aを通じて資本政策を選択することができます。例えば、買収
   企業の株式を発行して新株予約権を与えることで、資金調達が可能になります。
   また、M&Aを通じて株主価値を向上させることができます。

  ⑤人材の確保
   外食産業においては、人材不足が深刻な課題となっています。M&Aにより、人材
   の確保や育成によって、企業の成長が期待されます。

  ⑥ブランド力の向上
   例えば、有名な外食チェーン店を買収することで、買収先のブランド力を自社に
   取り込むことができます。これにより、買収した企業の知名度を上げることがで
   き、競争力が強化されます。

  ⑦M&Aのイメージ向上
   経済産業省や民間企業による、事業承継の選択肢としてのM&Aを推進する動きや
   M&Aのプラットフォーム(各都道府県に事業引継ぎ支援センターが設置等)の出
   現等により、M&Aのイメージが大きく変わりました。
    これにより、中小企業でも第三者に引き継ぐM&Aという選択肢が身近なもの
   になってきました。

  ⑧従業員の雇用
   ほとんどの場合、M&A後でも従業員の雇用が確保されています。

  ⑨公的機関のサポート急増
   公的機関・民間支援機関のサポート急増中しており、中小企業のM&Aへの取組
  が右肩上がりで増加しています。
   又、最近では、メガバンクをはじめとする金融機関が事業承継を後押しする動き
  が加速してきています。

 コロナ禍という未曽有の危機に遭遇し、自社事業の将来性に改めて向き合った中小
 企業が多い中で、上述のような事業承継メニューやプラットフォームが全国的に整っ
 た
ことも、事業承継問題の解決・改善が大きく進んだ理由と思われます。

4.飲食店における事業計画書作成のポイント

 1)飲食店における事業計画書作成の目的を再確認する
  外食産業の構造的な変動に対応すべく、新たな時代の消費者満足を追求した外食
  ビジネスモデルを追求する事業計画が必要です。
  一つの方向性として「食の外部化」の加速があります。
   高齢化の進展・少子化・核家族化・単身世帯・夫婦のみ世帯の増加というような
  世帯構造の変化が、「外で食べる」「買ってきて食べる」「食事を届けてもらう」
  という消費者行動を促してきています。
  売上が好調なのは、「昼の時間帯・家族客・土日・休日」の集客(ファミリーレス
  トラン、ファーストフード等)に代表され、「夜遅く・酒類・法人需要」がメイン
  の業態(居酒屋、ディナーレストラン等)は不調のようです。

  早くからシステムのデジタル化やデリバリー化(宅配化)体制を進め、メニュー
 の見直し(夜型メニューの開発など)を進めた外食大手などは、この逆風下でも増収
 増益を実現しています。

 このような消費者行動を満足させる、「時間と空間に縛られない新たなビジネスモデ
 ル」を実現することが、今後の外食産業・飲食店の再生戦略であり、思い切った事業
 構造転換の機会であるといえるでしょう。(店舗依存ビジネスのリスクからの脱却)
  又、資金の出し手側からみた重要ポイント(収益性・実現性の高い内容か、助成金
 制度等の目的に合っているか)を織り込むことも必須となります。

 2)経営理念・ビジョンの明確化
  経営者の思いやビジョンを明確にし、それを具体化することが重要です。何を目指
  しているのか、どのような飲食店を目指すのか、どのような価値を提供するのかを
  明確にすることで、事業計画の方向性が決まります。

 3)市場分析
  市場の需要・供給の状況、競合他社の動向、顧客のニーズなどを調査・分析し、
  市場の状況を把握することが大切です。具体的な数字やデータを用いて分析し、
  自店舗がどのような立ち位置にあるのかを明確にすることが必要です。

 4)ターゲット顧客層の明確化
  飲食店は広い年齢層や性別、職業などの多様な顧客層を対象とする場合が多いです
  が、その中でも特に重視したい顧客層を明確にして、そのニーズや好みを把握する
  ことが重要です。ターゲット顧客層を明確にすることで、メニューや店舗内装、広
  告宣伝などの企画や戦略を立てる際の方針が明確になります。

 5)競合分析の実施
  競合分析は、自店舗と同じ地域で競合する他店舗の情報を収集して、自店舗の強み
  と弱みを分析することです。競合店舗の集客力、価格、メニュー構成、サービス内
  容、店舗の外観や内装などを調査し、自店舗との差別化ポイントを明確にすること
  が大切です。

 6)商品・サービスの提供内容
  提供するメニューやサービス内容を詳しく記載することが必要です。メニューの種
  類、価格帯、提供方法、サービスの品質など、細かい点まで記載することで、具体
  的なビジネスモデルが浮かび上がります。

 7)販売促進・広告戦略
  月次や年次の売上目標を設定し、それに必要な人員、資材、設備、広告宣伝などを
  具体的に定めることです。売上目標を達成するために必要な販売戦略やプロモーシ
  ョン戦略、販促企画を明確にすることが大切です。

 8)資金計画
  開業資金や運営資金など、必要な資金を明確に計画することも必要です。これには、
  予想される初期投資費用や毎月の経費、売上や利益の予測などをもとに、財務計画
  を策定します。資金調達の方法や、事業拡大に必要な資金を確保するための方策も、
  この段階で考慮する必要があります。

 9)経営陣・人材計画
  経営陣の役割分担や人材採用・育成計画、福利厚生制度なども記載します。また、
  自身の強みや弱み、経営方針に合う人材像なども明確にすることが必要です。

 10)リスク管理
  リスク要因を洗い出し、どのように回避するかを考えます。リスク管理の計画を立
  て、具体的な対策を記載します。

 11)飲食店特有の情報・イメージを明確に伝える
  特に飲食店の事業計画なので、提出先にはお店のイメージや料理等をビジュアル的
  にわかりやすく書く必要があります。
   又、かつてとは違って社会環境やお客様のニーズも大きく変化してきています。
  タ ーゲットとなる客層の変化や料理のジャンル・提供の仕方なども時代に合わせ
  て、再度検討することが必要です。

 事業計画書の書き方については、当ブログ内に詳細な内容の記事がありますので、
  以下のページをご参照下さい。
   -事業計画書の書き方&活用- (基本知識)

5.まとめ 

  新型コロナ感染拡大等さまざまな社会的背景により経営が厳しくなった飲食店が、
 新事業(分野)展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編等への取り組み等、事業
 再生に本気で挑戦するためには、将来ビジョンの確立とともに資金調達が成否の分か
 れ目となります。
  M&Aによる事業継続や「事業再構築補助金」等公的資金援助制度の申請を有利に
 進めるためには、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応し新再生戦略を盛り込んだ、
 納得性と信頼ある事業計画書の作成が絶対条件になります。

  このような事業計画書の作成には専門的な知識やテクニック等も必要となりますの
 で、外食産業に見識があり、経験豊富な外部の事業計画書作成の専門家(コンサルタ
 ント)を活用することも、資金調達の早道といえるでしょう。

※事業計画書を外部の専門コンサルタントに依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。

 ①専門的な知識や経験を持つコンサルタントが、事業計画書の作成にあたるため、
  ビジネスの専門知識を持っていないオーナーでも、適切で質の高い事業計画書を
  作成することができます。

 ②外部のコンサルタントは客観的な視点で事業計画書を評価してくれるため、自社内
  では気づきにくい問題点や改善点を指摘してくれる可能性があります。

 ③コンサルタントが事業計画書を作成することで、事業計画の中立性を保つことがで
  き、個人的な感情や思い入れによって、客観的な視点を失ってしまうことを防ぎま
  す。

 ④コンサルタントは、多数の事業計画書の作成経験を持っているため、他の企業や業
  界の傾向を知り、最新のトレンドやベストプラクティスを取り入れることができま
  す。

 ⑤専門的なノウハウやツールを使った分析や調査が行われるため、自社内で行うより
  も効率的に、かつ正確な情報を収集できます。(時間や労力を節約できます)

 ⑥事業計画書の作成に時間をかけることができない場合や、社内のリソースが不足し
  ている場合でも、外部のコンサルタントに依頼することで、迅速かつ効率的に事業
  計画書を作成することができます。

 ⑦専門家としての信頼性があるコンサルタントが事業計画書を作成することで、出資
  者や金融機関などへのアピールがしやすくなります。

 当バルクアップコンサルティング社は、全員が日本及び世界のトップコンサルティ
  ングファームで経験を積んだトップコンサルタントであり真のプロフェッショナル
  集団です。資金調達における事業計画書の作成や事業展開にお悩みの場合は是非一
  度ご相談下さい。

(事業計画書作成の作成代行サービスについてはこちら)
  バルクアップコンサルティング社 事業計画書作成サービス

(バルクアップコンサルティング社の概要についてはこちら)
  バルクアップコンサルティング株式会社

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