事業を成長させるためには、戦略的な資金調達が欠かせません。そこで重要な
役割を果たすのが「事業計画書」です。しかし、どう書けば良いのか、どのポイン
トを強調すべきか、といった悩みを抱える方は少なくないでしょう。我々はこれま
でに1000社以上の事業計画書作成に関わり、多くの企業が資金調達を成功させ
てきました。本記事では、「デット・エクイティ・スワップ」という特殊な資金調
達方法と、その成功に至る事業計画書の書き方について深掘りします。
(目次)
1.ゼロ・ゼロ融資後倒産状況
2.デット・エクイティ・スワップ(DES)という方法
3.DESのメリット、デメリット
4.DES成功につながる事業計画書の書き方
5.事業計画書作成代行について
1.ゼロ・ゼロ融資後倒産状況
2023年4月の「ゼロ・ゼロ融資」を利用後の倒産は43件(前年度同月比38.7%増)
で、2022年8月から9カ月連続で40件を上回りました。(2023年の月次件数では最少
となっていますが)
尚、2020年7月からの累計は787件に達しています。
(「2022年4月「ゼロ・ゼロ融資後」倒産の状況」 ㈱東京商工リサーチ 2023.05.11))
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1197646_1527.html
倒産抑制に大きな効果を見せた「ゼロ・ゼロ融資」ですが、同時に過剰債務という
副作用をもたらしました。最長3年の利子補給も順次終了する今後、「ゼロ・ゼロ融
資後」倒産はさらに増勢ピッチが強まることが懸念されています。
継続的な過剰債務の状態から債務超過を経て倒産にいたるケースが多く、この状態
をいかに解決していくかが、現在大きな課題となっています。
※「債務超過」とは、「負債の総額が資産の総額を上回っている状態」を言い、
「過剰債務」とは「企業の収益や資産に比べ適正な水準を超過している借入金
など」のことを言います。(※債務超過になってもすぐに倒産するわけではあり
ません)
債務超過の状態が続くと、銀行融資が困難になったりして倒産につながりますので、
何よりも優先して行うべきなのは「債務超過状態の解消」なのです。
もちろん、業務の改善により利益を上げ黒字経営を継続することが最良ですが、
その他の方法としては、DES(デット・エクイティ・スワップ)・資産売却・増
資・会社更生法適用などがあります。
なかでもDESについては、債務を資本に振り替えることで債務が減少するという
当該企業にとっては大変メリットの大きい再建手法となっています。
2.デット・エクイティ・スワップ(DES)という方法
負債返済が困難な会社が解決に用いられる手法である「デット・エクイティ・
スワップ(Debt Equity Swap=DES)」。
DESは、経営状況の厳しい(負債の返済が困難な状態にある)会社が財務体質
の改善を行うために用いられる手法で、デット(Debt=負債)とエクイティ(Equity
=資本)をスワップ(交換)するという取引で、「債務の株式化」「債務の資本化」
と表現されることもあります。
つまり、債権者が持つ金銭債権を、債務者企業の株式に振り替えることで、債務
者企業は財務内容の改善を図り事業再生を実現することができる手法です。
この手法の利点は、債務者企業が資金調達を行いやすくなることにあります。
負債を抱えている企業は、新たな負債を追加するのが困難です。しかし、デット・
エクイティ・スワップにより負債を株式に変換することで、企業は新たな負債を追加
することなく資金を調達することが可能となります。
債権者は貸付金を回収できなくなる代わりに、株主として債務者企業の経営に関与
できたり、配当金によるインカムゲインや起業価値が増大した段階で株式売却による
キャピタルゲインを得ることができるようになります。

3.DESのメリット、デメリット
以下の表にあるとおり、DESは財務状況さえ改善されれば収益を上げられる経営体質の会社に特に有効な手法といえます。


4.DES成功につながる事業計画書の書き方
DESによる財務内容の改善手法を選んだ場合、既存株主や債権者がその事業
内容と将来性を判断する材料として、決算書やその他の経営状態を確認する多数の
書類に加えて、事業計画書が大きな役割を果たします。
債権者側としても、インカムゲイン(配当収益)・キャピタルゲイン(売買差益)
等の期待と同時に対象会社健全育成も大きな目的の一つです。
債務者側企業の今後の事業計画がDES実行に値する信頼ある内容でなければ、
出資することは難しくなります。
事業計画書は客観的に納得性があり実現性のあるものでなくては、信頼に欠ける
ものになります。債権者側の担当者はプロですから、裏付けの無い数字には敏感で
す。希望的な数字だけで作成した場合はすぐにわかりますので、審査は難しくなり
ます。
従って、事業計画書全ての項目に対して、裏付け・根拠のあるものにしておく必
要があります。又、この準備をしていれば、DES実施時の面談でもスムーズに説
明することが可能になります。
まさに資金調達の決め手は「信頼され、実現性のある事業計画書」にあるといえる
でしょう。
※事業計画書の書き方については、当ブログ内にも参考となる記事があります
ので、以下のページをご参照下さい。
→ 【成長戦略のカギ】事業計画書の書き方と資金調達への活用法
5.事業計画書作成代行について
事業計画書の作成は経営者自ら行うのが基本ですが、メリット・デメリットの混
在するDESという特殊な資金調達・財務改善の目的に沿うような事業計画書を作
成することは、思った以上に大変困難な作業となります。
株主・債権者に対して納得性・説得性のある内容にし、DES実行にまで進めて
いくには、やはりそれなりの経験とテクニックが必要となります。必要に応じて外
部の事業計画書作成の専門家(コンサルタント)を活用することも債務超過解消の
早道といえるでしょう。
<事業計画書を外部の専門コンサルタントに依頼するメリット>
①専門知識を持っていないオーナーでも、適切で質の高い事業計画書が作成可能です。
②自社内では気づきにくい問題点や改善点を指摘してくれる可能性があります。
③事業計画の中立性を保つことにより、客観的な視点を失うことがありません。
④市場の動向・最新のトレンドやベストプラクティス(成功事例)を取り入れることが
可能です。
⑤専門的なノウハウやツールを使った分析や調査により、自社内で行うよりも効率的・
正確な情報の収集が可能です。
⑥時間・社内リソースが不足していても、迅速かつ効率的に事業計画書を作成すること
ができます。
⑦本来のビジネスに集中することができます。
⑧専門コンサルタントが作成することで、出資者や金融機関などへの強いアピールを行
うことができます。
⑨作成された事業計画書は、企業の成長を支える一方で内部の意思決定にも役立ちます。
<事業計画書の作成代行サービスの選び方>
事業計画書の作成代行サービスを選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
①実績と評判(過去の成功事例や顧客からの評価をチェック)
②専門性(業界やビジネスモデルに精通したライターやコンサルタントの有無)
③コミュニケーション(円滑なコミュニケーションが可能なサービスか)
④価格と納期(予算や納期に合ったサービス。但し品質が第一。)
⑤アフターサポート(資金調達後もアフターサポートが充実しているか)
<事業計画書のアップデートとフォローアップ>
事業計画書は、一度作成しただけではなく、定期的に見直しやアップデートが必要
です。市場環境や競合状況の変化、新たなビジネスチャンスやリスクが発生した場
合、事業計画書を適時更新することで、投資家や金融機関に対して企業の状況を正
確に伝えることができます。
また、プロによる事業計画書作成代行サービスを利用する場合、アップデートや
フォローアップも依頼できることが多いため、企業の状況に応じた最適な事業計画
書が常に提供されます。
※当バルクアップコンサルティング社は、全員が日本及び世界のトップコンサル
ティングファームで経験を積んだトップコンサルタントであり真のプロフェッ
ショナル集団です。資金調達における事業計画書の作成や事業展開にお悩みの
場合は是非一度ご相談下さい。
(事業計画書作成の作成代行サービスについてはこちら)
→ バルクアップコンサルティング社 事業計画書作成サービス
(バルクアップコンサルティング社の概要についてはこちら)
→ バルクアップコンサルティング株式会社
