チャレンジングな事業の資金調達「エクイティファイナンス」
成功のカギは事業計画書の書き方!
(目次)
1.エクイティファイナンスとは
2.エクイティファイナンスのメリットとデメリット
3.エクイティファイナンス活用の留意点
4.成功のカギを握る事業計画書作成
1.エクイティファイナンスとは
エクイティファイナンス(Equity Finance)とは、企業が新株発行を通じて資金を調達する方法で、
エクイティ(株式資本、自己資本)を増加させることからこの名称となっています。(貸借対照表上
の「資本(純資産)」が増加します)
金融機関からの融資(負債)とは異なり返済の義務がないところから、スタートアップ・ベンチャー
・ポストコロナを見据えた事業転換・事業化までに時間のかかるビジネス・中長期的な研究開発等の
チャレンジングな事業に取り組む際の資金調達方法として多く活用されています。
(エクイティファイナンスの主な種類)
種類 |
概要 |
第三者割当増資 |
既存株主であるかどうかに関わりなく、第三者に新株を発行する方法。スタートアップで最も活用されている。 |
公募増資 |
不特定多数の投資家を対象に広く株主を募集し、時価に近い価格で新株を発行すること。 |
株主割当増資 |
既存の株主に対して新規に株式を割り当てる方法 |
転換社債型新株予約権付社債(CB=Convertible Bond) |
株式(エクイティファイナンス)と債券(デットファイナンス)の2つの要素を兼ね備えた資金調達方法 |
(エクイティファイナンスの最近の動き)
①クラウドファンディングの拡大
クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の個人投資家から資金調達を行う方法
であり、新しいエクイティファイナンスの形態の一つとして注目を集めています。クラウドファ
ンディングは、資金調達の手段が限られる中小企業などにとって、有効な資金調達手段となって
います。
②ESG投資の増加
環境、社会、ガバナンス(ESG)の観点から企業の価値を評価し、投資を行うESG投資が注目さ
れています。ESG投資は、投資家が企業の社会的責任や環境問題に対する姿勢などを重視するこ
とで、企業の長期的な成長や利益の向上を期待する投資手法です。ESG投資の増加は、企業が社
会的責任を果たすことで社会的価値を高め、株主価値の向上につながるという考え方が広がりつ
つあります。
③デジタル技術の活用
エクイティファイナンス市場においても、デジタル技術の活用が進んでいます。例えば、証券発
行プラットフォームを利用することで、企業が効率的に株式を発行することができるようになっ
ています。また、ブロックチェーン技術を活用することで、証券取引の分散化やトランスペアレ
ンシー(Transparency=情報の透明性)向上が期待されています。デジタル技術の活用によって、
エクイティファイナンス市場の取引の透明性や効率性が向上することが期待されています。
2.エクイティファイナンスのメリットとデメリット

3.エクイティファイナンス活用の留意点
1)コストの高い資金調達
・元金返済、利息支払がない代わりに、配当金の支払いや株価維持・向上、株式買戻し時の費用
等、融資等のデットファイナンスよりもコストが高くなることがあります。
・緻密な事業計画作成、事業の進捗管理や出資者への定期報告等、時間と業務負担も多くかかり
ます。
2)リスクマネーの認識
・出資者はリスクの高い投資を行っているわけですから、経営への取組(事業成功への)に対し
ては真摯に誠実に実行している姿を見せなければなりません。共にリスクを共有したステーク
ホルダーであるという認識が必要です。
3)選択肢は多く
・創業時(シード期)には、調達可能な金額や着金までの期間(融資よりも長め)も考慮して、
エクイティ以外にデット(融資)などの選択肢も用意しておいた方が良いでしょう。

4.成功のカギを握る事業計画書作成
事業計画書とは、会社の事業コンセプト・企業戦略・事業内容・組織体制・運営方法・行動計画・
売上や利益等の数値目標などを記載した書類(計画書)のことです。
金融機関や投資家から資金調達(融資・出資等)する時や社内に今後の事業計画を説明・周知する際
に利用します。
エクイティファイナンスの資金提供者側は、対象企業の財務体質の改善等を期待するのと同時に将
来的に各種利益(インカムゲイン・キャピタルゲイン等)を得ることを目的としています。
従って、対象企業についてはシビアに調査・分析するのは必然といえます。
財務状態や将来性を判断する材料として、決算書やその他の経営状態を確認する多数の書類に加えて、
将来の事業の姿を可視化・文章化したものである「事業計画書」が大きな役割を果たします。
創業後数年経過した企業において資金調達を予定している場合は、リアルで納得性のある数字を入
れることが必須になります。決算の状況としてB/SやP/Lがどんな推移になっているのか、そして将来
にはどの程度まで成長をするのかをキチンと見せる必要があります。
まさにエクイティファイナンス成功のカギは「実現性のある事業計画書」と経営者のプレゼン能力
(熱意、覚悟)にあるといえるでしょう。
※事業計画書の書き方については、当ブログ内に詳細な内容の記事がありますので、以下のページを
ご参照下さい。
-事業計画書の書き方&活用- (基本知識)
「事業計画書」作成作業を短期間に進めていくのは、思った以上に大変な作業となります。当然、
複数の人間が携わりますので、スケジュール調整も絶えず行う必要があります。又、エクイティファ
イナンスを目的とした事業計画書の作成はそんなに頻繁にあるものではありませんし、経験が豊富で
完璧に書く自信のある人はあまりいないのが実情ではないでしょうか。
エクイティファイナンスを検討している買い手側企業を納得させる事業計画書を作成することは、
大変困難な作業となります。それなりの経験と知識及びテクニックが必要となりますので、外部の事
業計画書作成の専門家(コンサルタント)の活用も資金調達成功の早道といえるでしょう。
<※事業計画書を外部の専門コンサルタントに依頼するメリット>
①専門的な知識や経験を持つコンサルタントが、事業計画書の作成にあたるため、ビジネスの
専門知識を持っていないオーナーでも、適切で質の高い事業計画書を作成することができま
す。
②外部のコンサルタントは客観的な視点で事業計画書を評価してくれるため、自社内では気づ
きにくい問題点や改善点を指摘してくれる可能性があります。
③コンサルタントが事業計画書を作成することで、事業計画の中立性を保つことができ、個人
的な感情や思い入れによって客観的な視点を失ってしまうことを防ぎます。
④コンサルタントは、多数の事業計画書の作成経験を持っているため、他の企業や業界の傾向
を知り、最新のトレンドやベストプラクティスを取り入れることができます。
⑤専門的なノウハウやツールを使った分析や調査が行われるため、自社内で行うよりも効率的
に、かつ正確な情報を収集できます。(時間や労力を節約できます)
⑥事業計画書の作成に時間をかけることができない場合や、社内のリソースが不足している場
合でも、外部のコンサルタントに依頼することで、迅速かつ効率的に事業計画書を作成する
ことができます。
⑦専門家としての信頼性があるコンサルタントが事業計画書を作成することで、出資者や金融
機関などへのアピールがしやすくなります。
※当バルクアップコンサルティング社は、全員が日本及び世界のトップコンサルティングファームで
経験を積んだトップコンサルタントであり真のプロフェッショナル集団です。資金調達における事
業計画書の作成や事業展開にお悩みの場合は是非一度ご相談下さい。
(事業計画書作成の作成代行サービスについてはこちら)
バルクアップコンサルティング社 事業計画書作成サービス
(バルクアップコンサルティング社の概要についてはこちら)
バルクアップコンサルティング株式会社
