ゼロゼロ融資借換+前向きな資金需要に対応!
融資申請に必須な事業計画書の作成
(目次)
1.コロナ融資後の状況
2.「コロナ借換保証」の概要
3.融資申請に重要な現状把握
4.融資審査のポイント
5.カギとなる事業計画書の作成
1.コロナ融資後の状況
実質無利子・無担保(ゼロゼロ)のいわゆる「コロナ融資」が終了し、その返済は2023年7月
~2024年4月に集中する見込みとなっています。
融資を受けた企業の経営状況は再度厳しくなることが予想されます。
2023年2月末における全国銀行の貸出金残高は562兆6784億円で、前月末比0.2%増、
前年同月末比では4.5%増でした。前年同月末比は年度初めから連続して増加しています。
これはコロナ禍で急増した運転資金などの融資の返済が進んだ一方、ウクライナ危機に伴う原油
(資源・エネルギー)高やポストコロナ/ウィズコロナ対策などに備えた資金需要が少しずつ増えて
いたからのようです。
(出典:全国銀行協会「全国銀行 預金・貸出金速報(2023.2月末)」2023.3.7発表)
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/stats/month1_01/yokashi03813.pdf
しかし、コロナやウクライナ危機の影響にとどまらず企業の経営環境は厳しさを増しています。
企業の輸入コスト負担は、円安によって加速度的に増しています。仕入れ価格の上昇で利益が急減
した企業では、将来不安に備えて借りたコロナ融資の資金を日々の支払いに回さざるを得なくなった
ケースも多々あるようです。
2.「コロナ借換保証」の概要
このような状況を踏まえて、民間ゼロゼロ融資からの借換え需要に加え、他の保証付融資からの
借り換えや、事業再構築等の前向き投資に必要な新たな資金需要にも対応する信用保証制度(コロナ
借換保証)が2023年1月10日から開始されています。
(制度概要)
保証限度額:1億円(民間ゼロゼロ融資の上限額6千万円を上回る)
保証期間 :10年以内
据置期間 :5年以内
金利 :金融機関所定
保証料 :(事業者負担) 0.2%等(補助前は0.85%等)
要件 :売上または利益率が5%以上減少 など
その他 :・100%保証の融資は、100%保証での借換が可能
・経営行動計画書(※)の作成
・金融機関の継続的な伴走支援
(出典:中小企業庁「民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)を開始
します。」 令和4年12月23日 更新2023.1.17)
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html
※金融機関との対話を通じた「経営行動計画書」は必須ですが、根拠ある事業計画書があればそれ
をベースに作成することが容易にできます。
3.融資申請に重要な現状把握
銀行融資による資金調達を進めていくにあたり最も重要なことは、現在の経営状況を客観的にかつ
正確に把握することです。正確な現状把握と財務分析をしたうえで実現性のある事業計画を作成する
ことにより、各資金調達申請の承認・採択の可能性がかなり高まることになります。
財務分析は、貸借対照表や損益計算書等の財務諸表から、会社の収益性・安全性・生産性・成長性
を分析することです。企業の現状や経営における問題点を把握、将来予測をすることが可能です。
現在の経営状況を把握するためには事実の確認と検証が必須になります。
・売上と利益等各数値目標には必ずデータに基づいた根拠があること
・決算書・試算表・資金繰り表・返済予定表等は3期分を分析し特徴を把握すること
・売上と利益のバランスが良いこと(特に利益は必ず返済額より多いこと)
・役員報酬/人件費が妥当であること
・人件費以外の経費にもムダがないこと
・資金計画は綿密に作成すること(返済計画と矛盾しないこと)
など
※これらの作業は、やはり融資や財務に詳しい税理士・公認会計士や専門コンサルタントに依頼して
行うことが確実に遂行できると思われます。
できれば、これを機会にCFO(Chief Financial Officer=「最高財務責任者」)を設置(社内昇格
又は専門の外部コンサルタント)することが望まれます。
4.融資審査のポイント
1)融資基本項目の確認
以下の項目について、融資希望内容に妥当性があるか確認します。
・必要金額、資金使途(運転/設備)、返済期間、金利、担保、保証人の有無、返済財源
(資金繰り表) など
2)定量評価(財務状況)
財務諸表(決算書・試算表・資金繰り表・借入一覧表 等)の数値に基づき、
・安定性(流動比率、自己資本比率 等)
・収益性(利益率、当期純利益額 等)
・成長性(売上増加率、経常利益増加率 等)
・返済能力(キャッシュフロー、債務償還年数 等)
といった指標が決定されます。
融資審査においては最も重要な評価ポイントとなります。
3)定性評価(決算書等では表れない要素)
・経営者の能力
・市場の将来性
・実現性のある事業計画(事業の健全性) など
→数字には表せない項目も多く適切な評価を得ることは難しいですが、客観的に納得性・実現
性のある「事業計画書」を作成することで、融資審査を有利に進めることができます。
4)保全状況(返済が不可能となった時の回収方法)
・信用保証協会、保証会社、担保、連帯保証人 など

5.カギとなる事業計画書の作成
融資審査時の重要ポイントである決算書ですが、あくまで過去の実績でしかありません。決算書
の内容が多少見劣りすることがある場合でも、定性評価のひとつである「事業計画書」の内容が良
ければ、融資審査での印象を良くすることができます。
事業計画書には未来の事業方向性・業績予測(収益見込)が描かれています。銀行としても貸出金
回収の目論見と取引会社育成の使命があります。まさに融資の決め手は「実現性のある事業計画書」
にあるといえるでしょう。
(「コロナ借換保証」の申請に必須の「経営行動計画書」ですが、このような事業計画書があれば
容易に作成することができます)
※事業計画書の書き方については、当ブログ内に詳細な内容の記事がありますので、以下のページ
をご参照下さい。
-事業計画書の書き方&活用- (基本知識)
融資審査が厳しくなっている銀行の融資担当者を納得させるような事業計画書を作成することは、
大変困難な作業となります。それなりの経験と知識及びテクニックが必要となりますので、外部の
事業計画書作成の専門家(コンサルタント)の活用も一つの方法といえるでしょう。
※当バルクアップコンサルティング社は、全員が日本及び世界のトップコンサルティングファームで
経験を積んだトップコンサルタントであり真のプロフェッショナル集団です。資金調達における事業
計画書の作成や事業展開にお悩みの場合は是非一度ご相談下さい。
(事業計画書作成の作成代行サービスについてはこちら)
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