スタートアップチャレンジにはベンチャーキャピタル(CV)の存在が重要
資金繰りのためには目的に沿った事業計画書が必要!
今後の日本・世界を牽引していくスタートアップ企業。
スタートアップ企業は、イノベーションを発生させ、雇用を生み出し、国内外の経済危機を吹き飛ばす「挑戦者兼救世主」であり、欠かせない存在といえます。
ここではスタートアップ企業の定義や目的、資金繰りのために大切な事業計画書などに関してお伝えしていきます。
1.スタートアップ企業の定義
明確な定義はありませんが、全世界に技術革新や起こすこと・イノベーションを発生させること、数年で数千億レベルの企業価値を持つ会社にすることなどを目指す企業のことを指します。
このため、スタートアップ企業の中には技術系に分類される会社が目立ちます。
スタートアップ企業の特徴を挙げていきます。
1)目的
さらに噛み砕いて表現すると、「世界レベルのイノベーションを発生させて、数年で投資金を回収すること」がスタートアップ企業の目的です。
これを「イグジット」と言います。
イグジットを目指すための主な方法は以下の通りです。
(1)合併・買収(M&A)
事業や株式を、別の投資企業・事業企業に譲渡する方法です。
(メリット)
・事業を継続できる
・事業が拡大する
・スタッフの雇用が安定する(離脱を防ぐ) など
(デメリット)
・顧客や取引先からの信用が下がる恐れも
・希望価格で譲渡できるとは限らない
・スタッフのモチベーションが落ちる
・経営に関する権限が縮小する など
(2)株式公開(IPO)
IPOとは証券取引所に株式を新しく上場し、その株式を投資家たちに取得させる方法のことです。
(メリット)
・認知度が上がる
・社会的信用性が上がる
・金融市場からのダイレクトな資金繰り
・優秀な人材を引き込みやすくなる など
(デメリット)
・上場するための労力や時間の消費が大きい
・上場をキープするためのコストも大きい
・ディスクロージャー(情報公開)対応が必要
・スタッフのモチベーションが落ちる
・すぐに結果を出さなければならない など
2)急成長のための資金繰りが必要
短期間で爆発的に成長することを目標とします。
そのため設立直後から、ビジネス環境の整備、サービス・商品開発などのために多くの資金を投じなければなりません。
したがって売上アップ・利益の安定を果たすまでの期間に、効率よく資金繰りをしていく必要があります。
3)イノベーションが必要となる
スタートアップ企業の最大の目的は、斬新な技術・ビジネスモデル・価値を生み出し、世界レベルのイノベーションを起こすことです。よって市場のニーズを高精度で満たすような、新しいサービス・商品の開発・提供が欠かせないといえます。
4)主な資金調達先
以上のことから資金調達先のメインは、エンジェル投資家(起業して間もない企業に出資する投資家)やベンチャーキャピタルとなります。また、「株式投資タイプのクラウドファンディング」により資金繰りをするケースも増加しています。
5)即戦力が求められる
急成長を目指しますから、即戦力となる人員を揃えることになります。
そういったレベルの高いスタッフたちのモチベーションを高めるためには、経営者自身にも優れた人間性やマネジメント能力が求められます。
また、ストックオプション制度などの具体的なインセンティブも欠かせません。
反対に「これから成長していく新卒」を採用したり、経営者の能力が低く保守的であったりすると、スタートアップ企業としては非常に厳しい状態になるでしょう。
2.ベンチャーキャピタル(CV)の概要
ベンチャーキャピタル(VC)には、「躍進を望めるスタートアップ企業」の資金繰りを支える役割があります。具体的には、高い成長ポテンシャルのあるスタートアップ企業(未上場企業)に対して早期投資をし、大きなリターンを狙います。
基本的に、ファンド(基金)を立ち上げて出資募集を行い、それを魅力的に感じた投資家が出資(=スタートアップ企業への投資)をします。
狙い通りスタートアップ企業が成長したら、タイミングを見計らって株式を高く売ることにより利益を得ます。
ベンチャーキャピタルを利用した資金繰りの性質は、「投資(をしてもらうこと)」です。
公的な補助金や助成金によるサポートではありませんから、ややこしく時間のかかる準備は不要です。また、金融機関などによる融資とも異なりますから「返済」も「担保の用意」も必要ありません。
このような性質は、スタートアップ企業との親和性が高いといえます。
3.スタートアップ企業関連の課題
1)そもそも挑戦する人が少ない
「世界に革命を起こしたい」「斬新なビジネスを生み出したい」などと考えて挑戦するような日本人は、まだ非常に少ないです。アジア、ヨーロッパ、アメリカなどに大きく差をつけられている状況です(今後も差が広がっていくと見られています)。
2)ベンチャーキャピタルも少ない
先ほど紹介したベンチャーキャピタルもまだ少ないです。また、技術系ベンチャーのポテンシャルを見抜くためのノウハウを持った人材もあまりいないとされています。
さらにいえば金融機関全体の「リスクの高い資金提供はしたくない」という傾向も、スタートアップ企業にとって好ましくないといえるでしょう。
3):地方のスタートアップ企業が多くはない
地方発のスタートアップ企業はまだ少ないです。
しかしITテクノロジーの進化によって、地方でも都市部に引けを取らないビジネス環境を用意しやすくなりましたから、「地方のスタートアップ企業が増えるための土台」はあるといえるでしょう。
4)世界中をターゲットにしたビジネスモデルが少ない
日本国内をターゲットにしたビジネスモデルは徐々に多くなってきています。しかし世界市場向けのビジネスモデルを掲げている(掲げることを目指している)スタートアップ企業はまだ少ないです。
例えば、日本のハードウェア系統の「ディープテック(革新的な技術や発見によって、社会に革命を起こすことができる技術)」には世界で戦えるポテンシャルがあるため、各種関係機関のベンチャー参入が望まれています。
5)行政によるサポートが充実していない
近年では国もベンチャー企業・スタートアップ企業を積極的にサポートしています。国としても「経済を活性化させて、世界にイノベーションを起こしたり、雇用を生み出したりしてほしい」と考えているためです。
ただ、実際に様々なベンチャー支援策を行ってはいるものの、まだ充実していないと表現せざるを得ません。
4.スタートアップ企業の起業にあたって事業計画書が大切である理由
まずは資金提供者(ベンチャーキャピタルなど)から資金提供を受けることが、スタートアップ企業を起業するにあたっての大切なファーストステップといえます。
ベンチャーキャピタルなどから資金を引き出すためには、「ポテンシャルが高く、投資すれば大きな見返りを得られる」と判断してもらうことが欠かせません。
そのためには「具体性と説得力がある事業計画書」を作ることが最も大事といえます。
「絶対に成功させます」と言葉で語るだけでベンチャーキャピタルを動かすことはできません。
5.まとめ
まずは目的に沿った質の高い事業計画書を作ることが一番大切です。それができなければスタートアップ企業を立ち上げて、目標を果たすことは絶対に叶いません。
しかしそのようなハイレベルな事業計画書を迅速に作成するのは非常に大変なことです。そもそも「事業計画書を作った経験のある人材」がそれほどいないでしょうから、作成作業を開始するまでの段階で多大な時間を消費するかもしれません。また、ほぼ間違いなく複数人で作成することになりますから、スケジュールを合わせるだけでも苦労することでしょう。
ですが事業計画書作りの外部コンサルタント(専門家)を利用すれば、スムーズに事業計画書を完成させて、素早く資金繰りできるようになる可能性が高いです。
また、事業計画書作成以外の部分に労力を割けるようになります。