【初心者向け】よくある質問で学ぶ事業計画書の作り方10選|融資に通る計画書のコツも解説
この記事はこんな方におすすめ
- 事業計画書を初めて作成するが、何から手をつけていいか分からない経営者の方
- 金融機関からの融資を検討しており、担当者に評価される計画書のポイントを知りたい方
- 事業のアイデアはあるものの、それを具体的な計画書に落とし込む方法がわからない方
- 数字や専門用語が苦手で、事業計画書に対して漠然とした不安を感じている方
サマリー動画(約90秒)
約90秒の動画でこの記事のポイントを解説します。
会社の未来を描く設計図、事業計画書への不安を解消
「新しい事業を始めたい」「事業拡大のために資金調達が必要だ」——。経営者が次のステージへ進むとき、必ずといって良いほど必要になるのが「事業計画書」です。しかし、いざ作成しようとすると、「一体何を書けばいいのだろう?」「これで融資担当者に納得してもらえるだろうか?」といった不安や疑問が次々と湧いてくるのではないでしょうか。
事業計画書は、単に資金調達のためだけの書類ではありません。自社のビジネスモデルを客観的に見つめ直し、事業の成功確率を高めるための「未来の設計図」です。この設計図がしっかりしていれば、従業員や取引先といった関係者ともビジョンを共有しやすくなります。
この記事では、事業計画書を作成する上で多くの人が抱く疑問にQ&A形式で答えながら、押さえておくべき10の重要ポイントを「書き方」「財務」「融資」の3つの側面に分けて解説します。初心者の方でも理解しやすいように、専門用語を避け、具体的な視点を提供します。
【書き方編】まずはここから!計画書のキホンQ&A
事業計画書の作成に取り掛かる最初のステップでは、その目的や形式といった基本的な部分でつまずきがちです。ここでは、書き始める前に知っておきたい4つの質問に答えます。
Q1. そもそも、事業計画書は何のために書くのですか?
A. 主に「資金調達」と「事業の進捗管理」の2つの目的があります。
金融機関や投資家から融資や出資を受ける際には、事業の将来性や返済能力を客観的に示すための資料として事業計画書が不可欠です。しかし、その役割は外部への説明責任だけにとどまりません。
もう一つの重要な目的は、経営者自身が事業の羅針盤として活用することです。計画を立てる過程で、自社の強み・弱み、市場環境、競合の状況などを整理でき、目標達成までの具体的な道筋が明確になります。計画と実績を比較することで、事業が順調に進んでいるか、どこに課題があるのかを把握し、迅速な経営判断を下すためのツールにもなります。
Q2. 決まったフォーマットやテンプレートはありますか?
A. 公的なテンプレートはありますが、必ずしもそれに従う必要はありません。
日本政策金融公庫などが創業融資用のテンプレートを公開しており、初めての方には参考になります。しかし、事業内容や計画書の提出先によって、アピールすべきポイントは異なります。
最も大切なのは、読み手(融資担当者や投資家)が知りたい情報を、分かりやすく論理的に伝えることです。テンプレートの項目をただ埋めるのではなく、自社の事業の魅力や独自性が伝わるように、構成を工夫することも有効です。まずは、基本的な構成要素を理解することが重要です。詳しくは事業計画書の構成とは?資金調達を成功に導く書き方とチェックリストで学ぶことができます。
Q3. どれくらいのページ数が適切ですか?
A. 一概には言えませんが、本文は10〜15ページ程度が一般的です。
あまりに長すぎると要点が伝わりにくく、短すぎると説明不足の印象を与えかねません。重要なのはページ数そのものよりも、内容の密度です。
事業概要、市場分析、自社の強み、提供する商品・サービス、マーケティング戦略、財務計画といった必要な要素が、過不足なく盛り込まれていることが求められます。補足資料(製品写真、市場調査データ、経営陣の経歴書など)は、別途添付資料としてまとめるのが良いでしょう。
Q4. 必ず盛り込むべき内容は何ですか?
A. 「事業概要」「市場・競合分析」「自社の強み」「具体的な戦略」「財務計画」の5つは必須です。
以下の5つの要素は、事業計画書の骨格をなすものです。これらが論理的に繋がっていることで、計画全体の説得力が高まります。
| 必須項目 | 説明 |
|---|---|
| 事業概要 | 誰に、何を、どのように提供するビジネスなのかを簡潔に説明します。 |
| 市場・競合分析 | 事業を展開する市場の規模や成長性、競合他社の動向を客観的に分析します。 |
| 自社の強み | 競合と比較して、自社の商品・サービスやチームが優れている点を明確にします。 |
| 具体的な戦略 | どのようにして顧客を獲得し、売上を伸ばしていくかの具体的な戦術を示します。 |
| 財務計画 | 売上や費用の予測、必要な資金額とその使い道、返済計画などを数字で示します。 |
【財務編】数字で語る!説得力を高めるQ&A
事業計画書の中でも、特に苦手意識を持つ人が多いのが「財務計画」です。しかし、事業の継続性や収益性を示す上で最も重要な部分でもあります。ここでは、財務に関する3つの質問に答えます。
Q5. 数字の知識がなくても財務計画は作れますか?
A. はい、作れます。完璧な知識より「現実的な根拠」を示すことが重要です。
会計や財務の専門家である必要はありません。大切なのは、売上や経費の見積もりが「希望的観測」ではなく、現実に即したデータや事実に基づいていることを示すことです。
例えば、売上予測であれば「店舗の席数 × 回転率 × 客単価」や「見込み客数 × 成約率 × 平均単価」のように、具体的な計算式で分解して説明します。経費についても、家賃や人件費、仕入れ費などを一つひとつ積み上げて計算することで、計画の信頼性が増します。まずは、PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)といった財務諸表の基本的な役割を理解することから始めると良いでしょう。これらの基礎は財務3表とは?PL・BS・CFの基礎と事業計画書への活かし方をわかりやすく解説で詳しく解説されています。
Q6. 売上予測の根拠は、どうやって示せばいいですか?
A. 「客観的なデータ」と「具体的な行動計画」の両面から示すのが効果的です。
ただ「来年は売上が2倍になります」と言うだけでは誰も信じてくれません。その根拠を多角的に示す必要があります。
- トップダウンアプローチ: 市場規模やシェアのデータから、自社が獲得可能な売上を推計する方法。
- ボトムアップアプローチ: 営業担当者一人あたりの売上目標や、Webサイトのアクセス数からのコンバージョン率など、現場の活動量から売上を積み上げる方法。
これらのアプローチを組み合わせ、なぜその売上が達成可能と言えるのかを論理的に説明することが、事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とはにつながります。
Q7. 必要な資金額(資金使途)は、どれくらい詳細に書くべきですか?
A. 「何に」「いくら」必要なのかを、1円単位で明確に示すべきです。
資金使途は、融資担当者が最も厳しくチェックする項目の一つです。「運転資金」「設備資金」といった大雑把な書き方では不十分です。
- 設備資金: 店舗の内外装工事費、機械の購入費、車両費など、見積書を添付して具体的に示します。
- 運転資金: 仕入れ費用、人件費、家賃、広告宣伝費など、3〜6ヶ月分程度の必要額を根拠と共に示します。
資金使途を明確にすることで、計画的に事業を運営する能力があることをアピールできます。
【融資編】想いを伝える!審査を突破するQ&A
事業計画書は、融資審査の重要な判断材料です。ここでは、融資担当者の視点を意識した3つの質問に答え、想いと情熱を効果的に伝えるコツを探ります。
Q8. 銀行などの金融機関は、計画書のどこを一番見ていますか?
A. 「事業の将来性」と「返済の確実性」の2点に集約されます。
融資担当者は、夢物語ではなく、事業として成立し、貸したお金が利息と共にきちんと返ってくるかを見ています。具体的には以下のポイントがチェックされます。
- 経営者の経験や能力: その事業を遂行するのにふさわしい経験や情熱を持っているか。
- 事業の独自性・優位性: 他社にはない強みがあり、競争に勝てるか。
- 計画の実現可能性: 売上や利益の予測に、客観的な根拠があるか。
- 資金使途の妥当性: 借りたお金が事業成長に有効活用されるか。
- 返済能力: 生み出される利益(キャッシュフロー)で、借入金を返済していけるか。
これらのポイントを網羅的に押さえることが、金融機関が見ているポイントは?事業計画書で融資審査を突破するコツです。
Q9. 自己資金はどれくらい必要ですか?
A. 目安として、創業時に必要な総資金の20%〜30%程度を用意するのが一般的です。
自己資金の額は、事業に対する経営者の本気度を示すバロメーターと見なされます。自己資金が全くないと、「計画性がなく、リスクを他者に依存している」と判断され、融資審査で不利になる可能性が高まります。
コツコツと貯めてきたお金であれば、事業への強い想いや準備期間の証明にもなります。特に日本政策金融公庫の創業融資などでは、自己資金の要件が定められている場合もあるため、事前に確認が必要です。詳細は日本政策金融公庫に提出する事業計画書の書き方【審査通過のコツを徹底解説】などを参考にすると良いでしょう。
Q10. 融資担当者に「想い」を伝えるにはどうすればいいですか?
A. 「創業の動機」や「経営理念」のセクションで、自身の言葉で具体的に語ることです。
数字やデータによる論理的な説明はもちろん重要ですが、それだけでは無機質な計画書になってしまいます。なぜこの事業を始めたいのか、この事業を通じて社会にどう貢献したいのかといった「想い」の部分が、読み手の心を動かし、応援したいという気持ちを抱かせます。
自身の過去の経験や、課題を感じた原体験などを交えながら、ストーリーとして語ることで、計画書に魂が宿ります。この事業にかける情熱を、論理的な計画と合わせて伝えることができれば、融資の可能性は大きく高まるでしょう。
よくあるその他の質問(FAQ)
Q. 事業計画書は、一度作ったら修正してはいけないのですか?
A. いいえ、むしろ定期的に見直すべきです。事業計画は「生き物」です。市場環境や競合の動向、自社の状況は常に変化します。当初の計画に固執するのではなく、変化に対応して計画を柔軟に修正・改善していくことが、事業を成功に導く鍵となります。
Q. ChatGPTのようなAIに事業計画書を作らせても良いですか?
A. アイデア出しや構成の参考にすることは有効ですが、全面的に依存するのは危険です。AIは一般的な情報を基に文章を生成するため、自社の独自の強みや、経営者自身の熱意といった最も重要な部分を反映できません。AIの活用については、ChatGPTで事業計画書を作れる?AI活用の限界と人が書くべきポイントでも触れられていますが、あくまで補助ツールとして捉えるべきです。
Q. 専門家に作成を依頼するメリットは何ですか?
A. 客観的な視点と専門知識を得られることが最大のメリットです。経営者自身では気づきにくい事業の弱点やリスクを指摘してもらえたり、金融機関が納得しやすい資料作成のノウハウを提供してもらえたりします。時間を節約できるだけでなく、計画の質そのものを高めることができます。
専門家による事業計画書作成支援という選択肢
事業計画書の作成は、経営者にとって重要な仕事ですが、多忙な中で一人で完璧なものを作り上げるのは簡単なことではありません。そのような場合、外部の専門家の力を借りることも有効な選択肢の一つです。
例えば、バルクアップコンサルティング株式会社のような専門ファームは、事業計画書の作成支援サービスを提供しています。同社は年間260社という豊富な事業計画書作成実績を誇り、資金調達やM&Aなど、企業の重要な局面での意思決定をサポートしています。財務とビジネスの両方の視点から、経営者と伴走しながら計画を練り上げるスタイルが特徴で、中小ベンチャー企業が抱える課題解決を得意としています。
こうした専門サービスは、単なる作成代行ではなく、事業のブラッシュアップや、説得力のあるストーリー構築を支援するパートナーとして活用できます。
まとめ:事業計画書は、未来への第一歩
今回は、事業計画書に関するよくある10の質問を通じて、作成のポイントを解説しました。事業計画書は、単なる書類作成作業ではありません。自社の事業と向き合い、未来への道筋を具体的に描く、創造的なプロセスです。
この記事で紹介したポイントを押さえ、まずは自分自身の言葉で事業のビジョンを書き出してみてください。その設計図が、資金調達の成功、そして事業の成長への力強い第一歩となるはずです。もし作成に行き詰まったら、一人で抱え込まず、専門家に相談してみるのも良いでしょう。
情熱と論理性を兼ね備えた事業計画書で、あなたのビジネスの可能性を大きく広げてください。
文章表現に不安なら、専門家の視点を取り入れる選択肢も
ここまで解説してきたように、事業計画書の文章表現には多くのコツがあります。しかし、自社の事業に没頭するあまり、客観的な視点を保つのが難しいと感じる経営者も少なくありません。社内用語を無意識に使ってしまったり、当たり前だと思っている前提が、第三者には伝わらなかったりすることはよくあることです。
そのような場合は、外部の専門家の視点を取り入れるのも有効な手段です。事業計画書作成の支援を行うコンサルティング会社などは、数多くの計画書を見てきた経験から、金融機関や投資家がどこに注目し、どのような表現を評価するのかを熟知しています。
例えば、バルクアップコンサルティング株式会社は、財務とビジネスの視点から経営者を支援するコンサルティングファームです。同社は年間260社もの事業計画書作成実績を持ち、特に資金調達やM&Aといった企業の重要な局面で、説得力のある計画書作りをサポートしています。専門家による客観的なレビューを受けることで、自分では気づけなかった表現の課題を発見し、計画書全体の質を大きく高めることが期待できます。
より専門的なサポートが必要な場合は、専門家の知見を借りることも検討してみましょう。
事業計画書の作成でお困りですか?
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ご相談は弊社代表の佐藤が直接承ります。
執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)
バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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