事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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セグメント別KPIを明示した事業計画書の書き方|事業の解像度を高め、説得力を最大化する

セグメント別KPIを明示した事業計画書の書き方

この記事はこんな方におすすめ

  • 複数の事業やサービスを展開しており、それぞれの収益性を明確にしたい経営者の方
  • 事業計画書の説得力を高め、資金調達や投資家への説明を有利に進めたい方
  • 事業部ごとの目標管理を徹底し、社内のパフォーマンスを最大化したいと考えている方
  • データに基づいた的確な経営判断を下すための、客観的な指標を探している方

サマリー動画(約90秒)

約90秒の動画でこの記事のポイントを解説します。


事業全体を「平均点」で語っていませんか?

会社の未来を描く事業計画書。しかし、会社全体の売上目標や利益計画だけを記載して満足していないでしょうか。複数の事業や製品を持つ企業にとって、全体像だけの計画書は、いわば「平均点」しか示していないのと同じです。

例えば、好調で大きく成長しているA事業と、実は苦戦しているB事業があったとします。会社全体で見ると「まずまずの成長」に見えても、その内訳を見なければ、どこに経営資源を集中させるべきか、どの事業が将来の成長ドライバーなのか、といった重要な判断ができません。

金融機関や投資家は、まさにその「内訳」を知りたがっています。彼らが求めるのは、事業の解像度の高い情報です。そこで重要になるのが、事業をセグメント(部門や製品など)に分け、それぞれにKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定すること。これにより、事業ごとの現状と未来への道筋を、誰の目にもクリアに、そして具体的に示すことができるのです。

なぜ事業計画書でセグメント別KPIが重要なのか?

セグメント別にKPIを設定することは、単に詳細な計画書を作るという以上の意味を持ちます。企業の成長を加速させるための、3つの重要な役割を果たします。

収益構造の解像度を高め、説明力を向上させる

会社全体の売上を「A事業+B事業+C事業」というように分解し、それぞれの事業モデルに合ったKPIを設定することで、収益が生まれるメカニズムを具体的に説明できます。

例えば、SaaS事業であれば「月次経常収益(MRR)」や「解約率」、コンサルティング事業であれば「プロジェクト受注数」や「顧客単価」が重要なKPIとなるでしょう。こうした指標は、事業が健全に成長しているかを示す強力な証拠となり、計画全体の説得力を飛躍的に高めます。まずは、自社の事業計画が基本的な要素を満たしているか、事業計画書の構成とは?資金調達を成功に導く書き方とチェックリストを参考に確認してみるのも良いでしょう。

経営判断の精度を高める羅針盤となる

セグメント別のKPIは、経営者にとって意思決定の精度を高める「羅針盤」の役割を果たします。各部門の目標が数値で明確になるため、現場の従業員は日々の業務が会社全体のどの目標にどう貢献しているのかを意識しやすくなります。

また、KPIの進捗を定期的にモニタリングすることで、「どの事業が計画通りに進んでいるか」「どこで問題が発生しているか」を早期に発見できます。これにより、好調な事業へリソースを追加投入したり、不調な事業のテコ入れ策を迅速に講じたりと、データに基づいた的確な経営判断が可能になります。

投資家や金融機関との対話の質を高める

資金調達の場面において、投資家や金融機関の担当者は「預けた資金がどの事業でどのように使われ、どう成長してリターンを生み出すのか」という具体的なストーリーを求めています。

セグメント別のKPIと計画は、この問いに対する最も明確な答えとなります。事業ごとの将来性やリスクが具体的に示されることで、漠然とした議論ではなく、事業の核心に迫る建設的な対話が生まれます。こうした具体性は、投資家が『読みたくなる』事業計画書の作り方|プレゼンにも効く実践テクニックでも強調されている重要なポイントです。

【実践】セグメント別KPIの設定方法

では、具体的にどのようにKPIを設定すれば良いのでしょうか。ここでは、3つのステップに分けて解説します。

ステップ1:事業セグメントの分け方を決める

まず、自社の事業をどのような単位で区切るかを定義します。管理可能で、かつ意味のある分け方をすることが重要です。

  • 製品・サービス別:「商品A」「サービスB」など
  • 顧客層別:「法人向け(BtoB)」「個人向け(BtoC)」、「新規顧客」「既存顧客」など
  • 地域・チャネル別:「関東エリア」「関西エリア」、「ECサイト」「実店舗」など

自社のビジネスモデルや組織体制に合ったセグメント分けを検討しましょう。

ステップ2:売上・利益KPIの具体的な切り口を見つける

セグメント分けができたら、それぞれの売上や利益を構成する要素を分解し、KPIを設定します。

売上KPIの分解例

  • 売上 = 顧客数 × 顧客単価
  • 売上 = (Webサイト)アクセス数 × CVR(転換率) × 顧客単価
  • 売上 = (店舗)来店客数 × 購入率 × 平均購入単価

利益KPIの例

  • 事業部別利益、限界利益率
  • 製品・サービス別粗利率

ステップ3:行動KPI(KGIに至るプロセス)を定量化・可視化する

最終的なゴール(KGI: Key Goal Indicator、例:売上高)を達成するためには、日々のどのような行動が必要かを分解し、それを測る指標がKPIです。

行動KPIの例

  • 新規リード(見込み客)獲得数
  • 商談化率、成約率
  • アクティブユーザー数
  • 解約率、リピート購入率

これらのKPIを設定することで、目標達成までのプロセスが明確になります。計画の根拠を具体的に示すことは、事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とはでも非常に重要視されるポイントです。

事業計画書での効果的な見せ方と注意点

設定したKPIは、ただ羅列するだけでは不十分です。読み手が直感的に理解できるよう、見せ方を工夫する必要があります。

表やグラフを駆使して視覚的に伝える

複雑な数値データは、表やグラフを活用することで、視覚的に分かりやすく伝えられます。

  • 円グラフ:セグメント別の売上構成比を示す
  • 棒グラフ、折れ線グラフ:各セグメントのKPIの推移(過去実績と将来計画)を示す
  • :セグメントごとのKPI、目標値、主要施策を一覧でまとめる

表の例:セグメント別KPI計画

セグメント重要KPI前期実績今期目標達成に向けた主要施策
A事業(SaaS)MRR(月次経常収益)500万円800万円・新規顧客獲得に向けたWeb広告強化
・既存顧客へのアップセルプランの提案
解約率2.0%1.5%以下・カスタマーサクセス体制の増員
B事業(コンサル)プロジェクト受注数10件15件・業界特化型セミナーの開催によるリード獲得
平均プロジェクト単価200万円220万円・高付加価値プランの新設と提供

前提条件とロジックを明確にする

「なぜそのKPIなのか」「なぜその目標数値なのか」という背景(ロジック)を必ず説明しましょう。市場の成長率や過去の実績、競合の動向などを根拠として示すことで、計画の信頼性が格段に向上します。設定したKPIが、最終的に財務3表とは?PL・BS・CFの基礎と事業計画書への活かし方をわかりやすく解説、特に損益計算書(PL)にどう結びつくのかを意識することが重要です。

KPIが未達だった場合のリスクと対策にも言及する

計画が常に思い通りに進むとは限りません。KPIが未達だった場合に想定される事業への影響(リスク)と、その際に講じる対応策をあらかじめ示しておくことで、リアリティのある計画書だと評価されます。リスク管理能力の高さを示すことは、経営者の信頼性を高める上でも効果的です。

よくある質問(FAQ)

Q1. スタートアップで事業が一つしかない場合でも、KPIを分解する必要はありますか?

A. はい、事業が一つでもKPIを分解することをおすすめします。例えば、「新規顧客」と「既存顧客」でセグメントを分けたり、収益モデルを「初期導入費用」と「月額利用料」に分解したりすることで、事業の解像度は格段に高まります。これにより、事業成長のボトルネックがどこにあるのか、どこに注力すべきかが明確になります。

Q2. 設定すべきKPIの数が多すぎて管理できません。どうすれば良いですか?

A. 最初から完璧を目指す必要はありません。まずは事業の成長に最もインパクトを与える指標(KGI)を1つか2つに絞り、それを達成するために不可欠なKPIを3〜5個程度に厳選することから始めましょう。事業のフェーズや状況の変化に応じて、KPIは定期的に見直していくことが大切です。

Q3. KPIの目標設定の根拠をどう示せば良いですか?

A. 過去の自社データがあれば、それが最も説得力のある根拠になります。データがない場合は、類似する事業の市場成長率、競合他社の公開情報などを参考にします。その上で、「なぜその目標が達成可能だと考えるのか」という自社独自のロジック(強みや施策)を明確に説明することが、金融機関が見ているポイントは?事業計画書で融資審査を突破するコツでも重要視されています。

専門家による事業計画書作成支援という選択肢

セグメント別のKPI設計や、それを基にした説得力のある事業計画書の作成は、専門的な知識と客観的な視点が求められる作業です。特に重要な資金調達やM&Aを成功させるためには、第三者が見ても納得できる、精度の高い計画書が不可欠となります。

自社だけで作成するのが難しいと感じる場合は、外部の専門家の力を借りるのも有効な選択肢です。事業計画書作成や財務戦略のプロフェッショナルは、企業の現状を的確に分析し、その魅力と将来性を最大限に引き出すためのノウハウを持っています。

M&A支援や事業計画書作成を専門とする企業の中には、バルクアップコンサルティング株式会社のように、年間260社もの事業計画書作成実績を持つ企業も存在します。同社は、公認会計士やコンサルファーム出身者といった専門家が、経営と財務の両面から経営判断に直結する計画策定を支援しているのが特徴です。

まとめ:セグメント別KPIで「語れる」事業計画書へ

セグメント別KPIは、事業の現状を正確に把握し、未来の成長戦略を具体的に「語る」ための強力な武器です。事業構造を分解し、部門ごとの目標を明確にすることで、社内の実行力を高め、経営判断の精度を向上させます。

そして何より、金融機関や投資家といった外部のステークホルダーに対して、自社の強みと将来性を論理的かつ具体的に示すことができます。説得力のある事業計画書は、円滑な資金調達や企業価値の向上に直結します。

自社での作成に少しでも不安があれば、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。客観的な視点を取り入れることで、自社だけでは気づかなかった新たな可能性が見えてくるかもしれません。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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