事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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事業計画書の構成とは?資金調達を成功に導く書き方とチェックリスト

この記事はこんな方におすすめです

  • 事業計画書の書き方が分からず、何から手をつけていいか悩んでいる方
  • 金融機関や投資家から評価される事業計画書の「構成」を知りたい方
  • 初めて資金調達に挑戦する創業者・経営者の方
  • 事業計画書のテンプレートや盛り込むべき項目を探している方

事業計画書はなぜ「構成」が重要なのか?

会社の未来を描き、融資や投資といった資金調達を実現するために不可欠な「事業計画書」。いざ作成しようとしても、「何から書けばいいのか分からない」「どんな項目を盛り込めばいいのだろう」と悩む経営者の方は少なくありません。特に、初めて作成する場合、そのハードルは高く感じられるでしょう。

事業計画書で最も重要なことの一つが「構成」です。なぜなら、融資担当者や投資家といった読み手は、毎日数多くの事業計画書に目を通しており、見るべきポイントが決まっているからです。標準的な構成に沿って書かれていないと、内容を理解するのに時間がかかったり、重要な情報が欠けていると判断されたりする可能性があります。

分かりやすい構成は、読み手に対する「配慮」であり、それ自体が事業への理解度や遂行能力の高さを示すことにつながります。本記事では、資金調達の場で信頼を勝ち取るための、事業計画書の基本的な構成と、各項目で押さえるべきポイントを分かりやすく解説します。

事業計画書の基本構成【7つの章立て】

事業計画書には決まったフォーマットはありませんが、一般的に評価されやすい「型」は存在します。ここでは、金融機関や投資家向けに広く使われる基本的な7つの章立ての概要を一覧表にまとめました。まずはこの構成に沿って、自社のビジネスを整理してみましょう。

主な内容 記載のポイント
① 表紙・目次 会社名、代表者名、作成日、連絡先 誰の計画書か一目で分かるようにする。全体像を把握しやすくする。
② 会社概要・経営陣 会社情報、経営理念、経営チームの経歴・強み 「どんな会社が」「誰が」事業を行うのかを明確にし、信頼性を示す。
③ ビジネスモデル 顧客ターゲット、提供サービス、提供方法 「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを具体的に説明する。
④ 市場・競合分析 市場規模、成長性、競合の強み・弱み、自社の差別化 客観的なデータに基づき、事業の勝算と独自性を示す。
⑤ 収益モデル・KPI 収益構造、価格設定の根拠、重要業績評価指標(KPI) 「どのように儲けるのか」を具体化し、計画の実現可能性を示す。
⑥ 資金調達計画 希望調達額、具体的な資金使途とその根拠 「いくら必要で、何に使うのか」を明確にし、投資の妥当性を説明する。
⑦ 財務計画 損益予測、キャッシュフロー予測(3~5年分) 事業の将来的な収益性と安全性を数値で証明する。

① 表紙・目次

表紙は事業計画書の「顔」です。会社名、代表者名、作成年月日、連絡先を明記し、誰がいつ作成した計画書なのかが一目で分かるようにします。目次も必ず付けましょう。読み手が全体像を把握し、必要な情報に素早くアクセスできるようにするための基本的な配慮です。

② 会社概要・経営陣プロフィール

ここでは、事業の主体である会社と経営チームについて説明します。

  • 会社概要: 会社名、設立年月日、所在地、資本金、事業内容などを簡潔に記載します。
  • 経営理念・ビジョン: なぜこの事業を行うのか、将来的に何を目指すのかという「想い」の部分を伝えます。
  • 経営陣のプロフィール: 経営者や役員の経歴、スキル、実績を記載します。特に、事業に関連する経験や強みは具体的にアピールしましょう。「誰がやるのか」は、事業の実現性を判断する上で非常に重要な要素です。

創業間もない場合は、事業計画書と似た書類である創業計画書を作成することもあります。それぞれの違いについては「【例文あり】創業計画書の書き方と事業計画書との違いをわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

③ ビジネスモデル・提供サービス

事業の核となる部分です。「誰に」「何を」「どのように」提供し、対価を得るのかを具体的に説明します。

  • 顧客ターゲット: どのような顧客の、どんな課題を解決するのかを明確にします。
  • 提供する商品・サービス: 商品やサービスの内容、特徴、独自性を分かりやすく図や写真なども交えて解説します。
  • 提供方法: どのようにして顧客に商品やサービスを届けるのか(店舗販売、ECサイト、代理店など)を記載します。

ビジネスモデルの独自性や優位性を、専門家でない人にも理解できるように説明することが重要です。

④ 市場環境・競合分析

事業を取り巻く外部環境を客観的に分析し、その中で自社がどのように勝ち抜いていくのかを示します。

  • 市場規模と成長性: 参入する市場の大きさや、将来性を具体的なデータ(公的機関の統計など)を用いて示します。
  • 競合分析: 競合となる企業を挙げ、その強みと弱みを分析します。その上で、自社のサービスが競合とどう差別化されているのかを明確に説明します。

希望的観測ではなく、客観的なデータに基づいた冷静な分析が、計画の信頼性を高めます。

⑤ 収益モデル・KPI

「どのようにして儲けるのか」という収益構造を具体的に説明する章です。

  • 収益モデル: 売上を構成する要素(商品価格、顧客単価、販売数、利用料など)を明確にします。
  • 価格設定の根拠: なぜその価格なのか、原価や競合価格、提供価値などを基に説明します。
  • KPI(重要業績評価指標): 事業の成長を測るための重要な指標(例: 新規顧客獲得数、リピート率、顧客単価など)を設定し、その目標値を記載します。

KPIを設定することで、事業計画が絵に描いた餅ではなく、進捗管理可能な具体的な目標であることが伝わります。

⑥ 資金調達の目的と使途

この事業計画書を通じて「いくら必要で、その資金を何に使うのか」を明確に示す、最も重要な部分の一つです。

  • 希望調達額: 必要な資金額を具体的に提示します。
  • 資金使途: 調達した資金を「設備投資」「人件費」「広告宣伝費」など、具体的な項目に分けて、それぞれの金額と算出根拠を詳細に記載します。

資金使途が曖昧だと、融資や投資の判断は非常に難しくなります。明確な根拠とともに、その投資が将来の成長にどう繋がるのかを論理的に説明することが求められます。金融機関や投資家がどこを見ているか、より詳しくは「金融機関が見ているポイントは?事業計画書で融資審査を突破するコツ」や「投資家が『読みたくなる』事業計画書の作り方|プレゼンにも効く実践テクニック」も参考にすると良いでしょう。

⑦ 損益予測・キャッシュフロー

事業が将来的にどれくらいの利益を生み出し、資金繰りは問題ないかを示す財務計画のセクションです。

  • 売上計画: ⑤で設定したKPIなどを基に、将来の売上を予測します。
  • 費用計画: 変動費(売上原価など)と固定費(人件費、家賃など)に分けて、将来の費用を予測します。
  • 損益計画: 売上計画と費用計画から、将来の利益(営業利益、経常利益など)がどのように推移するかを予測します。最低でも3〜5年分を作成するのが一般的です。
  • キャッシュフロー計画: 会社の現金の流れを示します。利益が出ていても現金が不足すれば倒産(黒字倒産)する可能性があるため、キャッシュフローは極めて重要視されます。

この財務計画に説得力を持たせるためには、各数値の算出根拠を明確に示すことが不可欠です。

読み手に信頼される事業計画書の3つのポイント

構成に沿って書くだけでなく、以下の3つのポイントを意識することで、事業計画書の説得力は格段に高まります。

  1. 客観性と具体性: 「売上を伸ばす」「頑張る」といった抽象的な表現は避け、市場データや調査結果などの客観的な根拠に基づき、具体的な数値で示しましょう。
  2. ストーリーの一貫性: 「経営理念」から「事業内容」、そして「財務計画」まで、全体を通して一貫したストーリーになっていることが重要です。なぜこの事業で、この市場で、このやり方でなければならないのか、という論理的なつながりを意識してください。
  3. リスクの開示と対策: 事業にリスクはつきものです。考えられるリスク(競合の参入、技術の変化など)を正直に開示し、それに対してどのような対策を準備しているかを示すことで、かえって経営者のリスク管理能力が高いと評価され、信頼につながります。

事業計画書作成を専門家に相談する選択肢

事業計画書の作成は、自社の経営を見つめ直す良い機会ですが、専門的な知識も必要とされるため、多くの時間と労力がかかります。特に、客観的な市場分析や説得力のある財務計画の作成に難しさを感じるケースは少なくありません。

そのような場合、資金調達や事業計画の専門家の支援を受けるのも有効な選択肢です。例えば、M&Aや資金調達を専門とするコンサルティング会社の中には、事業計画書の作成支援に特化したサービスを提供しているところもあります。

バルクアップコンサルティング株式会社のように、年間260社以上という豊富な事業計画書作成実績を持つ企業もあり、ビジネスと財務の両面から、経営者のビジョンを具体的な数値計画に落とし込むサポートを行っています。外部の専門家の視点を取り入れることで、自社だけでは気づかなかった強みや課題が明確になり、計画の精度を高めることにつながるでしょう。

FAQ(よくある質問)

Q1: 事業計画書のテンプレートは使った方が良いですか?

A: はい、特に初めて作成する場合はテンプレートの活用をおすすめします。必要な項目が網羅されているため、構成の骨格として役立ちます。ただし、テンプレートを埋めるだけでなく、自社の独自性や熱意が伝わるように、自身の言葉で内容を充実させることが重要です。

Q2: 事業計画書は、全部で何ページくらいが適切ですか?

A: 提出先や目的によりますが、一般的には本文で10〜20ページ程度が目安です。要点を簡潔にまとめ、詳細なデータは補足資料として添付するのが良いでしょう。長すぎて要点が伝わりにくくなるよりは、分かりやすさを最優先することが大切です。

Q3: ChatGPTなどのAIで事業計画書は作れますか?

A: はい、AIは構成案の作成や文章のたたき台作りには非常に役立ちます。市場調査データの要約なども可能です。しかし、自社の独自の強みや経営者の熱意、具体的な数値計画の根拠など、最終的な説得力を持たせる部分は、人間の手で加筆・修正する必要があります。詳しくは「ChatGPTで事業計画書を作れる?AI活用の限界と人が書くべきポイント」も参考にしてください。

Q4: 専門用語は、どの程度まで使って良いのでしょうか?

A: 読み手がその分野の専門家でない限り、専門用語の使用は最小限に留めるべきです。どうしても必要な場合は、注釈を入れたり、平易な言葉で説明を加えたりする配慮が大切です。誰が読んでも理解できる「分かりやすさ」が、信頼につながります。

まとめ

事業計画書は、単なる資金調達のための書類ではなく、自社の未来を設計し、関係者と共有するための「羅針盤」です。今回ご紹介した7つの基本構成と3つのポイントを押さえることで、論理的で説得力のある事業計画書を作成することができます。

分かりやすい構成は、読み手への配慮であり、事業成功への第一歩です。この記事を参考に、自社の強みと将来性が詰まった、信頼される事業計画書を作成してください。もし作成に行き詰まったり、第三者の客観的な意見が欲しくなったりした際は、専門家への相談も検討してみると良いでしょう。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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