事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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競合分析のポイントと事業計画書への落とし込み方【業界別の事例付き】

この記事はこんな方におすすめ

  • 事業計画書を作成しているが、競合分析の書き方がわからない経営者の方
  • 自社のサービスや商品の「本当の強み」を客観的に見つけたい方
  • 競合と比較した際の、自社の立ち位置を明確にしたいと考えている方
  • 金融機関や投資家が納得する、説得力のある事業計画書を作成したい方

導入:なぜ「競合分析」が重要なのか?

事業計画書を作成する上で、多くの経営者が頭を悩ませる項目の一つが「競合分析」です。「競合のことは何となく理解しているつもりだが、いざ事業計画書に落とし込むとなると、何をどこまで書けば良いのかわからない」という声は少なくありません。

単に競合の製品やサービスをリストアップするだけでは、資金調達の審査担当者や投資家を納得させることは難しいでしょう。競合分析の本当の目的は、市場の全体像を正確に把握し、その中で自社が「どのようにして勝ち残るのか」という独自の戦略を明確に示すことにあります。

不十分な競合分析は、事業計画全体の説得力を欠いてしまい、「市場を甘く見ているのではないか」「自社の強みを理解できていないのでは」という印象を与えかねません。

この記事では、事業計画書における競合分析の基本的な考え方から、具体的な分析の視点、さらには業界別の記載例までを分かりやすく解説します。自社の優位性を的確に伝え、事業の成功確率を高めるためのヒントがここにあります。

事業計画書における競合分析の目的と役割

事業計画書に競合分析を含めることには、明確な目的と役割があります。それは単なる形式的なものではなく、事業戦略の根幹をなす重要なプロセスです。

なぜ競合分析が必要なのか

競合分析が必要な理由は、主に3つあります。

1. 市場における自社の立ち位置の客観的な把握

市場には、どのような競合が存在し、それぞれがどのような強みを持っているのかを知ることで、自社が戦うべきポジションが明確になります。思い込みや希望的観測を排除し、客観的な事実に基づいて自社の現在地を知ることが、すべての戦略の出発点となります。

2. 事業の成功確率を高める戦略の発見

競合の強みと弱みを分析することで、自社が攻めるべき「市場の隙間(ニッチ)」や、差別化すべきポイントが見えてきます。これにより、価格競争に巻き込まれない独自の価値を提供し、持続的な成長を目指すことが可能になります。

3. 第三者(金融機関・投資家)への説得材料

資金調達の場面では、「なぜこの事業が成功するのか」を論理的に説明する必要があります。徹底した競合分析は、市場を深く理解していることの証明となり、事業計画の実現可能性に対する信頼性を高めます。説得力のある分析は、「資金調達に強い事業計画書とは?金融機関・VCが重視するポイント」の中でも特に重要な要素です。

競合分析のメリット

丁寧な競合分析を行うことで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 自社の強み(USP)と弱みの明確化:競合との比較を通じて、自社独自の提供価値が浮き彫りになります。
  • 新たなビジネスチャンスの発見:競合が満たせていない顧客ニーズや、未開拓の市場を見つけ出すきっかけになります。
  • 市場における脅威の早期発見:競合の新サービス投入や価格戦略の変更といった脅威を事前に察知し、対策を講じることができます。
  • 価格戦略の妥当性の検証:競合の価格設定を参考に、自社の提供価値に見合った適切な価格を設定できます。

分析に用いる3つの視点

効果的な競合分析を行うためには、多角的な視点が必要です。ここでは、事業計画書に落とし込む際に特に重要となる3つの分析視点を紹介します。これらの視点を網羅することで、事業計画書の構成とは?資金調達で信頼される書き方とチェックポイントを解説の中でも、特に説得力のあるパートを作成できます。

サービス・製品比較

競合と自社のサービスや製品を、顧客にとっての価値という観点から比較します。単なる機能の有無だけでなく、その機能が顧客のどのような課題を解決するのかまで踏み込んで分析することが重要です。

比較項目 自社 A社(競合) B社(競合)
主要機能 〇〇、△△ 〇〇 〇〇、××
品質・性能 高い耐久性 標準的 デザイン性重視
デザイン シンプル 多機能 スタイリッシュ
サポート体制 24時間チャット メールのみ 電話サポートあり
独自性 特許技術〇〇 業界最安値 豊富な実績

ターゲットと価格帯

誰を顧客として狙っているのか、そしてその顧客に対してどのような価格で価値を提供しているのかを分析します。ターゲット顧客層と価格帯によって、企業のポジションは大きく変わります。

比較項目 自社 A社(競合) B社(競合)
メインターゲット 30代個人事業主 中小企業 大企業
価格帯 月額5,000円 月額10,000円 月額50,000円〜
提供価値 手軽さ・低コスト 機能の網羅性 カスタマイズ性
ポジショニング 低価格・高機能 中価格・標準 高価格・高付加価値

チャネルと市場シェア

製品やサービスをどのように顧客に届け、どのように認知度を高めているのかを分析します。販売チャネルやマーケティング手法は、事業の拡大に直結する重要な要素です。

比較項目 自社 A社(競合) B社(競合)
販売チャネル オンライン直販 代理店経由 訪問販売
マーケティング SNS、Web広告 展示会、セミナー 業界紙、プレスリリース
市場シェア(推定) 5% 20% 15%
顧客の評価 「手軽で良い」 「定番で安心」 「サポートが手厚い」

これらの分析を通じて自社の立ち位置を明確にし、どのように差別化を図るかを記述することが、投資家が『読みたくなる』事業計画書の作り方|プレゼンにも効く実践テクニックの第一歩となります。

事業計画書で使える業界別の競合分析記載例

ここでは、具体的な業界を例に、競合分析の記載方法を紹介します。自社の業界に合わせて応用してみてください。

飲食業の場合(例:都心にある個人経営のカフェ)

比較項目 自店 A店(大手チェーン) B店(近隣の個人店)
コンセプト オーガニック豆と静かな空間 手軽さと利便性 手作りケーキと地元の繋がり
ターゲット 30-40代の女性、リモートワーカー 学生、サラリーマン 地元の主婦、高齢者
価格帯(コーヒー) 600円 350円 500円
強み ・高品質なスペシャルティコーヒー
・全席電源・Wi-Fi完備
・駅からのアクセス
・価格の安さ、提供スピード
・店主との会話
・常連客コミュニティ
弱み ・価格がやや高い
・席数が少ない
・味が画一的
・店内が騒がしいことが多い
・営業時間が短い
・カード決済不可
差別化戦略 高品質な商品と快適な作業環境を提供することで、高くても満足度の高い「サードプレイス」としての地位を確立する。

SaaS事業の場合(例:中小企業向け勤怠管理システム)

比較項目 自社サービス A社(業界最大手) B社(新興サービス)
ターゲット 従業員50名以下のIT/Web系企業 あらゆる業種・規模 飲食・小売業界
料金プラン 月額300円/人(シンプルプラン) 月額500円/人〜(多機能) 月額20,000円/店舗
強み ・UI/UXの分かりやすさ
・チャットツール連携
・圧倒的な機能数と実績
・充実したサポート体制
・シフト管理機能に特化
・スマホアプリの操作性
弱み ・機能が限定的
・実績が少ない
・設定が複雑
・小規模にはオーバースペック
・汎用性が低い
・外部連携が少ない
差別化戦略 特定の業界(IT/Web)に特化し、彼らが日常的に使うチャットツールとのシームレスな連携を実現。導入と運用の手間を極限まで削減し、「シンプルさ」で選ばれるポジションを狙う。この事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とは、分析に基づいた具体的な戦略が鍵となる。

よくある質問(FAQ)

Q1: 分析対象となる競合が見つからない場合はどうすればいいですか?
A1: 直接的な競合がいない場合でも、「代替品」や「間接的な競合」は必ず存在します。例えば、新しいフィットネスジムを開業する場合、他のジムだけでなく、オンラインフィットネス、市のスポーツセンター、さらには「家でYouTubeを見る」という選択肢も間接的な競合となり得ます。顧客が自社のサービスを使わない場合に、どのような手段で課題を解決しているかを考えてみましょう。
Q2: 競合の情報はどこで調べればよいですか?
A2: 競合のウェブサイトや公式SNS、プレスリリース、決算情報(上場企業の場合)が基本です。また、業界ニュースサイトや調査会社のレポート、実際にサービスを利用しているユーザーの口コミサイトやレビューも非常に参考になります。可能であれば、顧客として競合のサービスを実際に利用してみる(覆面調査)のも有効な手段です。
Q3: 競合の弱点ばかりを強調するのは良くないですか?
A3: その通りです。競合の弱点を指摘するだけでなく、強みを正しく評価し、リスペクトする姿勢が重要です。その上で、自社がその強みをどのように上回るのか、あるいは全く別の価値を提供するのかを論理的に示すことが説得力を生みます。一方的な批判は、分析の客観性を欠いていると見なされる可能性があるため注意が必要です。

事業計画書の専門家を活用する選択肢

ここまで見てきたように、説得力のある競合分析には、客観的な視点と専門的な知識が求められます。自社だけで分析を行うと、どうしても希望的観測が入ってしまったり、分析の視点が偏ったりすることがあります。

このような課題を解決するために、外部の専門家の支援を活用するのも有効な選択肢の一つです。

例えば、バルクアップコンサルティング株式会社のような専門ファームは、年間260社もの事業計画書作成を支援しており、その豊富な実績に基づいた客観的なアドバイスを提供しています。財務の専門家集団として、単なる競合比較に留まらず、市場分析から財務予測までを含めた、実現可能性の高い事業計画の策定をサポートしているのが特徴です。

外部の視点を取り入れることで、自社では気づかなかった強みや市場機会の発見に繋がることも少なくありません。

まとめ

競合分析は、事業計画書における単なる一項目ではありません。それは、自社の進むべき道を照らし出し、事業の成功確率を飛躍的に高めるための羅針盤です。

本記事で紹介した「サービス・製品」「ターゲット・価格帯」「チャネル・市場シェア」という3つの視点から競合を分析し、自社の独自の価値(USP)を明確にすることで、事業計画書の説得力は格段に向上します。

重要なのは、分析で終わらせるのではなく、「だから自社はこう戦う」という具体的な戦略にまで落とし込むことです。まずは、最も手ごわいと感じる競合1社から分析を始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたの事業を成功へと導く大きな推進力となるはずです。

もし専門家のサポートが必要だと感じた場合は、実績豊富なコンサルティング会社に相談してみるのも良いでしょう。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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