事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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資本性ローンを活用する中小企業のための事業計画書の書き方

資本性ローンを活用する中小企業のための事業計画書の書き方

資本性ローンを活用する中小企業のための事業計画書の書き方

この記事はこんな方におすすめ

  • 財務体質を改善しながら、事業成長のための資金を調達したい中小企業の経営者の方
  • 資本性ローンという選択肢に興味はあるが、仕組みやメリットがよくわからない方
  • 金融機関から評価される事業計画書の書き方を知り、審査通過の確率を高めたい方
  • 専門家のサポートを受けながら、説得力のある事業計画書を作成することを検討している方

サマリー動画(約90秒)

約90秒の動画でこの記事のポイントを解説します。


自己資本とみなされる「資本性ローン」とは?

中小企業の経営者が資金調達を検討する際、多くの方が直面するのが「自己資本比率の低下」という悩みです。金融機関からの借入は負債として計上されるため、多額の融資を受けると財務体質の悪化を招き、その後の追加融資や取引先との与信に影響が出る可能性があります。

こうしたジレンマを解決する一つの選択肢が「資本性ローン(資本性劣後ローン)」です。この制度は、負債でありながら金融機関の資産査定上「自己資本」とみなされる特殊な性質を持っており、財務基盤を強化しながら事業投資に必要な資金を確保できる可能性があります。

しかし、その特殊な性質から審査は通常の融資よりも慎重に行われ、特に事業の将来性を示す「事業計画書」の重要性が極めて高くなります。本記事では、資本性ローンの基本的な仕組みから、審査で高く評価される事業計画書の作成ポイントまでを分かりやすく解説します。

資本性ローンの仕組みと3つの大きな特徴

資本性ローンは、一般的な融資とは異なるいくつかの特徴を持っています。まずは、その仕組みとメリット・デメリットを理解しましょう。

特徴1:金融機関の資産査定で「自己資本」とみなされる

最大の特徴は、会計上は負債であるにもかかわらず、金融機関が企業の財務状況を評価する際には「自己資本」として扱われる点です。これにより、自己資本比率が向上し、財務基盤が安定していると評価されやすくなります。結果として、他の金融機関からの追加融資を受けやすくなるという大きなメリットがあります。

特徴2:返済の優先順位が低い(劣後ローン)

「劣後ローン」とも呼ばれる通り、万が一会社が倒産した場合、このローンの返済順位は他のすべての借入よりも後になります。貸し手である金融機関にとってはリスクが高い仕組みですが、借り手である企業にとっては、他の債権者の同意を得やすくなるという利点があります。

特徴3:業績連動型の金利

金利は、企業の業績に応じて変動する仕組みが一般的です。具体的には、税引後利益が赤字の場合は低い金利が適用され、黒字になった場合は利益の額に応じて金利が高くなります。これにより、事業が軌道に乗るまでの金利負担を抑えながら、成長を目指すことが可能です。

資本性ローンのメリット・デメリット

メリットデメリット
自己資本比率が向上し、財務基盤が安定する審査が厳しく、事業の将来性を厳格に問われる
他の金融機関からの追加融資が受けやすくなる一般的な融資に比べて金利が高めに設定される傾向がある
担保や経営者の個人保証が不要な場合が多い業績が好調な場合、金利負担が大きくなる
業績赤字の際の金利負担が軽い借入期間が長期にわたる場合が多い
議決権がないため、経営の自由度が保たれるあくまで負債であり、返済義務がなくなるわけではない

資本性ローンの審査で評価される事業計画書のポイント

資本性ローンは、貸し手にとってリスクの高い商品であるため、企業の「将来性」が厳しく審査されます。その将来性を客観的な根拠をもって示すために、精度の高い事業計画書が不可欠です。基本的な事業計画書の構成とは?資金調達で信頼される書き方とチェックポイントを解説を理解した上で、以下のポイントを特に意識しましょう。

① 説得力のある成長戦略と収益計画

なぜ今、資金が必要で、それを活用してどのように事業を成長させるのか、具体的なストーリーを提示する必要があります。市場規模やトレンド、競合の状況分析を踏まえ、自社の強みを活かした販売戦略やマーケティング計画を明確にしましょう。

重要なのは、希望的観測ではなく、客観的なデータに基づいた収益計画を示すことです。売上や利益の予測には、その数字に至るまでの具体的な根拠が求められます。どのように事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とはを示すかが、計画の説得力を大きく左右します。

② 明確で妥当な資金使途

調達した資金を「何に」「いくら」投資するのかを、具体的かつ詳細に記載します。

例えば、以下のように具体的に示します。

  • 設備投資: 新規製造ラインの導入(〇〇社製、型番△△) XXX円
  • 人材採用: 開発エンジニア2名の採用費および人件費(1年分) XXX円
  • 運転資金: 原材料の仕入増加分(3ヶ月分) XXX円

これらの投資が、いかにして成長戦略の実現と収益拡大に繋がるのかを論理的に説明することが重要です。

③ 経営者の能力と熱意

金融機関は、事業計画を遂行する「人」、つまり経営者の資質も重視します。これまでの経歴や事業実績、専門知識などを具体的に示し、計画をやり遂げる能力があることをアピールしましょう。また、事業に対する熱意やビジョンを自分の言葉で語ることも、審査担当者の信頼を得る上で欠かせません。

④ 整合性のとれた返済計画

収益計画と連動した、現実的な返済計画の提示は必須です。利益の中から、どのように返済原資を確保していくのかを具体的に示します。楽観的なシナリオだけでなく、売上が想定を下回った場合の悲観的なシナリオも想定し、それでも返済が可能であることを示せると、計画の信頼性はさらに高まります。そのためにも、財務3表の基礎と事業計画書への活かし方【PL・BS・CFを使いこなす】を理解し、キャッシュフローの動きを正確に把握しておくことが不可欠です。

資本性ローンの申請でよくある誤解と注意点

資本性ローンは魅力的な制度ですが、いくつかの誤解や注意点が存在します。

  • 誤解1:「誰でも簡単に借りられる」わけではない

    「自己資本とみなされる」というメリットの裏返しとして、審査は非常に厳しいです。明確な成長戦略とそれを裏付ける事業計画がなければ、承認を得るのは困難です。
  • 誤解2:「借金ではない」という勘違い

    あくまで会計上は「負債」であり、返済義務がなくなるわけではありません。契約期間が満了すれば、一括または分割での返済が必要です。
  • 注意点:金利が高めに設定される傾向

    貸し手のリスクが高い分、通常のプロパー融資などと比較して金利は高めに設定されるのが一般的です。業績が好調な際には相応の金利負担が発生することを理解し、長期的な資金繰り計画を立てておく必要があります。どのような点が評価され、金利条件に影響するのか、事前に金融機関が見ているポイントは?事業計画書で融資審査を突破するコツを学んでおくと良いでしょう。

FAQ(よくある質問)

Q1. 赤字決算でも資本性ローンは利用できますか?

A. はい、利用できる可能性はあります。資本性ローンは、新型コロナウイルスの影響や、先行投資によって一時的に赤字となっている企業などの再生・成長を支援する目的もあるため、赤字であること自体が即座に否決理由とはなりません。重要なのは、赤字の理由と、将来的に黒字化できる説得力のある事業計画を示せるかどうかです。

Q2. 申し込みから融資実行まで、どれくらいの期間がかかりますか?

A. ケースバイケースですが、一般的に1ヶ月〜3ヶ月程度かかることが多いようです。事業計画書の精査や面談など、通常の融資よりも審査プロセスに時間がかかる傾向があります。資金が必要になる時期から逆算して、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが重要です。

Q3. 自分で事業計画書を作るのが難しいのですが、どうすればいいですか?

A. 無理に一人で抱え込む必要はありません。商工会議所や中小企業診断士、税理士といった専門家に相談するのも一つの方法です。また、資金調達や事業計画書作成を専門に支援しているコンサルティング会社に依頼することで、より精度の高い計画書を作成できる可能性が高まります。

Q4. 資本性ローンの主な申込先はどこですか?

A. 日本政策金融公庫や商工組合中央金庫(商工中金)が主な取扱機関です。また、一部の民間金融機関や信用保証協会でも、同様の趣旨を持つ融資制度を取り扱っている場合があります。まずは取引のある金融機関や、公的な金融機関に相談してみるのが良いでしょう。

専門家の活用も有効な選択肢

ここまで見てきたように、資本性ローンの審査を通過するためには、非常に質の高い事業計画書が求められます。市場分析から収益計画、返済計画まで、すべてを経営者一人が担うのは大きな負担です。

自社だけでの作成に不安を感じる場合は、資金調達支援を専門とするコンサルティングファームなどの外部専門家を活用することも有効な選択肢です。専門家は数多くの企業の資金調達を支援した経験から、金融機関がどのような点を重視するのかを熟知しています。

例えば、M&Aや資金調達の支援を行う企業の中には、バルクアップコンサルティング株式会社のように、事業計画書の作成支援を強みとしている会社もあります。同社は年間260社という豊富な事業計画書作成実績を誇り、公認会計士やMBA保有者など、財務とビジネスの両面に精通した専門家が、経営者と伴走しながら計画策定を支援するサービスを提供しています。

まとめ

資本性ローンは、中小企業が財務体質を強化しつつ、未来への成長投資を行うための強力なツールとなり得ます。しかし、その恩恵を受けるためには、事業の将来性を論理的かつ情熱的に伝える「事業計画書」が鍵を握ります。

この記事で解説したポイントを押さえ、自社の成長ストーリーを明確に描き出しましょう。もし計画書の作成に困難を感じる場合は、一人で悩まず、信頼できる専門家に相談することも検討してみてください。客観的な視点と専門的な知見を取り入れることで、融資実行の可能性は大きく高まるはずです。

より詳しいサービス内容に興味がある方は、各社のウェブサイトで情報を確認することをおすすめします。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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