事業計画書代行のヒアリング内容とは?依頼前に準備すべきこと
この記事はこんな方におすすめ
- 事業計画書代行を依頼したいが、何を聞かれるのか不安に感じている方
- ヒアリングでうまく伝えられるか心配で、依頼をためらっている方
- 初めての融資申請に向けて、事前準備の進め方を知りたい方
- 代行会社との打ち合わせを効率的に進めたいと考えている方
『代行を頼みたいけど、何を聞かれるのか分からない。うまく答えられなかったらどうしよう』。事業計画書代行とは、経営者の事業構想を金融機関に通じる形式に落とし込む専門サービスですが、その品質はヒアリングの内容に大きく左右されます。日本政策金融公庫をはじめとする金融機関の融資審査では、資金使途の明確さや売上予測の根拠が重視されます。この記事では、代行会社がヒアリングで確認する内容と、依頼前に準備しておくべきものを具体的に解説します。
事業計画書代行のヒアリングとは何か
なぜヒアリングが必要なのか——ヒアリングの質が審査通過率を決める
事業計画書の代行では、書く作業だけでなく「事業の中身を正確に理解する」ことが品質を左右します。そして、この理解の深さを決めるのがヒアリングの質です。
ヒアリングの質と審査通過率の因果関係は明確です。金融機関の審査では「なぜこの売上予測が実現可能なのか」「なぜこの事業モデルが競合に勝てるのか」という「なぜ」が繰り返し問われます。この「なぜ」に答える根拠は、すべてヒアリングの中から引き出されます。たとえば、「前職で培った業界ネットワークから開業初月に10社の受注が見込める」という情報は、ヒアリングで深掘りしなければ計画書に反映されません。
逆に、ヒアリングが浅いまま作成された計画書は、審査担当者に「この数字の根拠は何ですか」と問われたときに経営者自身が答えられない内容になります。計画書に書かれた数字と、面談での回答に食い違いが出れば、審査担当者は計画全体の信頼性を疑います。
ヒアリングは、代行会社が依頼者の事業を深く理解するための最初の工程であり、審査通過に向けた最も重要な土台です。
ヒアリングは何回行われるか
多くの代行会社では、初回ヒアリング(60〜120分程度)に加え、1〜2回の追加確認を行います。初回に伝えられる情報が多いほど修正回数は減り、完成までの期間も短くなります。
ヒアリングで聞かれる内容と準備物
代行会社がヒアリングで確認する主な4項目と、それぞれに対応する準備物を以下の表にまとめます。
| ヒアリング項目 | 確認される内容 | 準備しておくべきもの |
|---|---|---|
| 事業の概要と提供価値 | 業種・ターゲット・差別化ポイント | 会社案内、強みメモ、顧客プロフィール |
| 資金計画と資金使途 | 必要資金の総額と使途の内訳 | 資金内訳表、見積書、自己資金・借入残高 |
| 売上予測と根拠 | 市場規模、見込み顧客数、単価 | 過去の売上実績、市場データ、単価の根拠 |
| 代表者の経歴と実績 | 業界経験、職歴、資格、実績 | 職務経歴書、資格一覧、実績データ |
事業の概要と提供価値
最初に確認されるのは「何をやっているビジネスか」です。業種・業態、ターゲット顧客、サービスの特徴、競合との差別化ポイントを整理しておきましょう。「品質が高い」のような抽象表現ではなく、「競合より2割安く提供できる仕入れルートがある」「業界経験15年の専門家が対応する」など、裏付けのある表現が求められます。
事業計画書の構成とは?資金調達で信頼される書き方とチェックポイントを解説も、事業の強みをどの箇所で示すかの参考になります。
準備しておくもの:
- 会社案内・サービス紹介資料(既存のもので可)
- 自社の強みを箇条書きにしたメモ
- 主要な顧客層のプロフィール(年齢・規模・業種など)
資金計画と資金使途
融資申請では「いくら必要で、何に使うのか」が審査の核心です。設備投資なら機器の種類・台数・単価、採用なら人数と雇用期間など、具体的な数字が求められます。「とりあえず500万円ほどほしい」では書類に落とし込めません。
準備しておくもの:
- 必要資金の総額と内訳(設備費・運転資金・人件費など)
- 見積書や参考価格(購入を検討している機器・システムなど)
- 既存の資金(自己資金・借入残高)の状況
売上予測と根拠
金融機関の審査担当者が最も注目する項目の一つが売上予測です。「3年後に売上1億円」という目標だけでは不十分で、「なぜその数字が実現できるのか」の根拠が必要です。事業計画書における「売上予測」の立て方と3つのシナリオモデルでは、楽観・標準・悲観の3シナリオで予測を立てる方法を解説しています。
準備しておくもの:
- 過去の売上実績(既存事業の場合)
- ターゲット顧客の数と市場規模の推計
- 想定単価・顧客単価・成約率の根拠となるデータ
代表者の経歴と実績
特に創業期では、代表者の経験・実績が計画の実現可能性を裏付けます。事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とはも参考になります。
準備しておくもの:
- 履歴書・職務経歴書(簡易版で可)
- 保有資格・免許の一覧
- 過去の事業・プロジェクトの実績(数字で示せるもの)
ヒアリングでありがちな失敗と注意点
情報が「感覚的」で数字がない
最もよくある失敗は、事業内容を感覚的に説明してしまうケースです。「売れると思う」では書き起こせません。「月30件の問い合わせがある」のように、数字で語れる情報を準備しましょう。
資金の用途が曖昧
「設備を買いたい」という方向性だけでは作業が止まります。ヒアリング前に見積もりを取得しておくとスムーズです。
決算書や財務資料を持参しない
既存事業の場合、直近2〜3期分の決算書がないとヒアリングが深まりません。【チェックリスト付き】事業計画書作成の全工程で準備すべき書類を確認しておきましょう。
代行サービスに向いている人・向いていない人
向いている人
- 事業の中身や数字は把握しているが、文章にまとめる作業が苦手な方
- 本業が忙しく、書類作成に時間を割けない方
- 金融機関や補助金審査に初めて挑戦する方
- 過去に自分で書いて審査に落ちた経験がある方
向いていない人
- 事業の方向性がまだ決まっておらず、何をするか自体が曖昧な方
- 費用対効果を重視しており、作成コストをなるべく抑えたい方
- 代行会社との連絡・情報提供が難しい状況にある方
代行はあくまでも「事業を言語化・数値化するプロセスを代わりに担う」サービスです。事業そのものの方向性や価値は、依頼者自身が持っている必要があります。
まとめ
事業計画書代行のヒアリングでは、事業概要・資金計画・売上予測・代表者経歴の4点が中心です。数字の根拠と資金の用途を事前に整理しておくと、ヒアリングがスムーズに進みます。担当者が質問を重ねながら情報を引き出してくれるため、まずは相談という気持ちで臨んでみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. ヒアリング前に、どの程度まで情報を整理しておけばよいですか?
A. 資金用途の内訳と、売上予測の根拠となる数字(顧客数・単価・成約率など)を大まかでも書き出しておくと、ヒアリング時間を有効に使えます。完璧でなくても問題ありません。
Q. 創業前の段階でも依頼できますか?
A. 依頼できます。創業前は過去の実績データがない分、代表者の経歴や市場データ、見込み顧客リストが重要な判断材料になります。専門家が根拠ある数字の組み立てをサポートします。
Q. ヒアリングは対面でないといけませんか?
A. オンライン(ビデオ通話)対応の代行会社が多く、対面でなくても問題ありません。地方在住の方や多忙な方でも柔軟に日程調整できるケースがほとんどです。
バルクアップコンサルティング株式会社について
同社は年間260社の事業計画書作成実績を持つ専門会社です。代表は元三菱東京UFJ銀行・PwC出身の公認会計士(日米)であり、金融機関の審査目線と財務の専門知識を兼ね備えた体制で支援を行っています。2017年設立、ISMS/ISO27001認証取得済みです。
文章表現に不安なら、専門家の視点を取り入れる選択肢も
ここまで解説してきたように、事業計画書の文章表現には多くのコツがあります。しかし、自社の事業に没頭するあまり、客観的な視点を保つのが難しいと感じる経営者も少なくありません。社内用語を無意識に使ってしまったり、当たり前だと思っている前提が、第三者には伝わらなかったりすることはよくあることです。
そのような場合は、外部の専門家の視点を取り入れるのも有効な手段です。事業計画書作成の支援を行うコンサルティング会社などは、数多くの計画書を見てきた経験から、金融機関や投資家がどこに注目し、どのような表現を評価するのかを熟知しています。
例えば、バルクアップコンサルティング株式会社は、財務とビジネスの視点から経営者を支援するコンサルティングファームです。同社は年間260社もの事業計画書作成実績を持ち、特に資金調達やM&Aといった企業の重要な局面で、説得力のある計画書作りをサポートしています。専門家による客観的なレビューを受けることで、自分では気づけなかった表現の課題を発見し、計画書全体の質を大きく高めることが期待できます。
より専門的なサポートが必要な場合は、専門家の知見を借りることも検討してみましょう。
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累計1,180社以上を支援した実績を持つ私たちが、
投資家・金融機関に伝わる計画書づくりをサポートします。
ご相談は弊社代表の佐藤が直接承ります。
執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)
バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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