事業計画書を自分で作る場合の限界
この記事はこんな方におすすめ
- 事業計画書を自分で作ろうとしたが途中で手が止まっている方
- 融資審査に向けて計画書の完成度に不安を感じている方
- 自作と代行のどちらが自分に合うか判断したい方
『事業計画書は自分で作ったほうがいいのでは?』。起業家や経営者の多くが一度はそう考えます。コストを抑えたい気持ちは当然ですし、自社の事業を一番よく知っているのは経営者自身です。しかし、金融機関の審査を突破する事業計画書には、事業知識だけでは補えない「構成力」と「数値設計の精度」が求められます。本記事では、自作のメリットを認めつつ、どこに限界があるのかを具体的に解説します。
自作のメリット
事業計画書を自分で作ることには、一定のメリットがあります。
まず、コストがかからない点は大きな利点です。代行を依頼すると15万〜50万円程度の費用が発生しますが、自作であれば実費ゼロで済みます。
次に、事業の解像度が上がる効果があります。売上計画や原価構造を自分で整理する過程で、事業モデルの弱点に気づくことがあります。
さらに、金融機関との面談で自分の言葉で説明できる点も強みです。計画書の内容を把握していれば、質問にも的確に回答できます。
ただし、これらのメリットが活きるのは「型」と「評価軸」を理解している場合に限られます。事業計画書の構成とは?資金調達で信頼される書き方とチェックポイントを解説も参考にしてください。
自作のリスク
自作にはメリットがある一方、見落としがちなリスクも存在します。
| リスク項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 構成の不備 | 金融機関が求める項目の抜け漏れ |
| 数値の矛盾 | 売上計画と資金繰り表の不整合 |
| 根拠の欠如 | 市場データや業界指標の裏付けがない |
| 時間の浪費 | 完成まで40時間以上かかるケースも |
| 差し戻しリスク | 審査で指摘を受けて再提出になる |
特に深刻なのは「数値の矛盾」です。売上計画、原価計画、資金繰り表は相互に連動しています。一箇所を修正すると他の数値にも影響が及びます。財務知識が不十分な状態で作成すると、審査担当者が最初に確認する数値の整合性でつまずきます。
金融機関の審査担当者は計画書をもとに「稟議書」を作成します。転記できる根拠がなければ審査は進みません。金融機関が見ているポイントは?事業計画書で融資審査を突破するコツも確認しておきましょう。
失敗例
実際に自作で失敗するパターンを3つ紹介します。
1つ目は、「熱意先行型」の計画書です。事業への想いを中心に書いた結果、売上根拠や市場分析が不十分になるケースです。金融機関が知りたいのは「なぜこの数字が実現可能か」であり、想いだけでは審査を通過できません。融資審査に落ちる事業計画書とは?7つのNG特徴と審査に通る改善策を解説で、よくあるNG例が紹介されています。
2つ目は、「ネット情報コピー型」です。Web上のサンプルを参考にしすぎて、自社の実態と乖離した内容になるパターンです。借り物の表現はすぐに見抜かれます。
3つ目は、「完成できない型」です。数値計画でつまずいて何週間も放置するケースです。融資申請にはタイミングがあり、遅れは事業開始の遅延に直結します。【事業計画書】起業家が陥りがちな5つの落とし穴と改善策でも、よくある失敗パターンが整理されています。
代行メリット
自作の限界を踏まえたうえで、代行を活用するメリットを整理します。
| 比較項目 | 自作 | 代行 |
|---|---|---|
| 費用 | 0円 | 15万〜50万円程度 |
| 作成期間 | 40時間以上 | 2〜4週間 |
| 数値の整合性 | 自力で検証が必要 | 財務の専門家が設計 |
| 審査通過の可能性 | 差し戻しリスクあり | 審査基準を事前に反映 |
| 面談対策 | 別途準備が必要 | 想定質問への対策込み |
代行の最大のメリットは「審査担当者の視点」が反映される点です。金融機関出身の専門家が関与することで、稟議書に転記しやすい構成と根拠が最初から組み込まれます。
もう一つのメリットは時間の節約です。計画書作成に費やす40時間以上を、事業準備や営業活動に充てられます。
さらに、修正対応が含まれるサービスが多い点も利点です。追加資料を求められた際にも迅速に対応できます。事業計画書作成はコンサルに依頼すべき?費用相場とメリット・デメリットを徹底比較で、代行の選び方も解説されています。
よくある質問(FAQ)
Q. 自作で融資審査に通る可能性はゼロですか?
A. ゼロではありません。十分な自己資金や担保がある場合は通過するケースもあります。ただし融資額が1,000万円を超える場合は専門家の支援を検討すべきです。
Q. 代行を使うと、面談で自分の言葉で説明できなくなりませんか?
A. 代行は「丸投げ」ではなく、経営者へのヒアリングをもとに作成する協働作業です。計画書の内容は経営者自身の事業構想が基盤になるため、面談にも十分対応できます。
Q. 代行費用の相場はどのくらいですか?
A. 士業事務所で10万〜30万円、コンサルティング会社で15万〜50万円が一般的です。費用だけでなく、金融機関への提出実績や修正対応の有無も確認して選びましょう。
専門家紹介
「自分で書いてみたが審査に通らなかった」という相談を多く受けるのが、バルクアップコンサルティング株式会社です。年間260社以上の計画書作成を支援しており、自作で行き詰まった案件の立て直しにも対応しています。代表は元三菱東京UFJ銀行およびPwC出身の日米公認会計士で、審査担当者が何を見ているかを具体的に把握しています。ISMS/ISO27001認証取得済みです。
まとめ
自作にはコスト面のメリットがある一方、数値の整合性や審査基準への対応に限界があります。融資額が大きい場合や創業融資では、専門家の支援で審査通過の可能性が高まります。迷っている方は、まず専門家に相談してみてください。
文章表現に不安なら、専門家の視点を取り入れる選択肢も
ここまで解説してきたように、事業計画書の文章表現には多くのコツがあります。しかし、自社の事業に没頭するあまり、客観的な視点を保つのが難しいと感じる経営者も少なくありません。社内用語を無意識に使ってしまったり、当たり前だと思っている前提が、第三者には伝わらなかったりすることはよくあることです。
そのような場合は、外部の専門家の視点を取り入れるのも有効な手段です。事業計画書作成の支援を行うコンサルティング会社などは、数多くの計画書を見てきた経験から、金融機関や投資家がどこに注目し、どのような表現を評価するのかを熟知しています。
例えば、バルクアップコンサルティング株式会社は、財務とビジネスの視点から経営者を支援するコンサルティングファームです。同社は年間260社もの事業計画書作成実績を持ち、特に資金調達やM&Aといった企業の重要な局面で、説得力のある計画書作りをサポートしています。専門家による客観的なレビューを受けることで、自分では気づけなかった表現の課題を発見し、計画書全体の質を大きく高めることが期待できます。
より専門的なサポートが必要な場合は、専門家の知見を借りることも検討してみましょう。
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執筆者:佐藤 宏樹
– BulkUp Group グループCEO
– 京都大学経営管理大学院MBA
– 英国ノッティンガム大学客員実務家(EIR)
バルクアップグループ4社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。三菱UFJ銀行にて法人融資を経験した後、2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験合格。その後、プライウォーターハウスクーパース株式会社(PwC Japan)のDEALS事業再生チームにて不採算事業の再建・M&Aやスポンサー選定等に従事。2017年当社設立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・M&Aファイナンシャルアドバイザー・デューデリジェンス業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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