事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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銀行借入と社長保証の関係|保証解除に向けた計画書の書き方

銀行借入と社長保証の関係|保証解除に向けた計画書の書き方

この記事はこんな方におすすめ

  • 会社の借入で個人保証をしており、将来に不安を感じている経営者の方
  • 「経営者保証ガイドライン」について知りたいが、内容が難しくてよく分からない方
  • 銀行に社長保証の解除を交渉したいが、何から手をつければいいか分からない方
  • 保証解除を認めてもらえるような、説得力のある事業計画書の書き方を知りたい方

サマリー動画(約90秒)

約90秒の動画でこの記事のポイントを解説します。


会社の借金、いつまで社長個人が背負いますか?

中小企業の経営者の多くが、会社の未来のために大きな決断をしています。その一つが、金融機関から融資を受ける際の「経営者保証(社長保証)」です。これは、万が一会社が返済不能に陥った場合、社長個人が代わりに返済義務を負うという約束です。

この保証があることで、会社は事業に必要な資金を調達しやすくなる一方、経営者個人にとっては計り知れないプレッシャーとなります。事業が順調な時は意識しないかもしれませんが、「もしも」の事態が起これば、個人の資産や家族の生活まで脅かされるリスクを常に抱えている状態です。

しかし、この状況は決して「当たり前」ではありません。国もこうした経営者の負担を軽減するため、「経営者保証に関するガイドライン」を設け、保証に依存しない融資を推進しています。

この記事では、社長保証のリスクを再確認するとともに、保証を解除するために金融機関へ提出する「事業計画書」の書き方を、初心者にも分かりやすく解説します。会社の成長と経営者個人の安心、その両方を手に入れるための一歩を踏み出しましょう。

そもそも「社長保証(経営者保証)」とは?知っておくべき3つのリスク

社長保証とは、会社が金融機関から融資を受ける際に、経営者自身が連帯保証人になる契約のことです。これにより、金融機関は貸し倒れのリスクを低減できるため、特に信用力が発展途上にある中小企業にとっては、融資を受けるための重要な手段となってきました。

しかし、この保証には経営者が理解しておくべき大きなリスクが伴います。

1. 個人の全財産を失うリスク

万が一、会社が倒産して借入金を返済できなくなった場合、経営者は個人としてその返済義務を負います。自宅や預貯金といった個人資産のすべてを失う可能性があります。

2. 事業承継の大きな障壁になるリスク

後継者に事業を引き継ごうとする際、この個人保証も一緒に引き継がせる必要があります。優秀な後継者候補がいたとしても、多額の個人保証を嫌って事業承継を断念するケースは少なくありません。結果として、会社の存続そのものが危うくなる可能性があります。円滑な事業承継を考えるなら、M&Aって何?初心者でもわかる基本のキといった選択肢と並行して、保証の解除は重要な課題となります。

3. 大胆な経営判断をためらわせるリスク

「失敗したら個人の資産まで失う」というプレッシャーは、経営者の意思決定を過度に慎重にさせます。成長のために必要な設備投資や新規事業への挑戦といった、リスクを取った前向きな判断を躊躇させる原因となり、結果的に会社の成長機会を逃してしまうことにも繋がりかねません。

保証解除の鍵「経営者保証ガイドライン」とは?

こうしたリスクを背景に、金融庁と中小企業庁は2014年に「経営者保証に関するガイドライン」を策定し、安易に経営者保証を求めない融資慣行への転換を促しています。

このガイドラインでは、以下の3つの要件を満たす場合、金融機関は経営者保証を求めない、あるいは解除を検討すべきとされています。

要件具体的な内容
①資産の分離法人と経営者個人の資産や経理が明確に分離されていること。
(例:役員貸付金や個人的な経費の付け回しがない)
②財務基盤の強化財務状況が良好で、返済能力が高いと判断されること。
(例:自己資本が充実している、十分な利益を計上している)
③情報の開示金融機関の求めに応じ、試算表や資金繰り表などの財務情報を正確かつ迅速に開示していること。

つまり、「公私混同せず、会社の財務を健全化し、その状況をきちんと銀行に報告する」という当たり前の経営姿勢が、保証解除の第一歩となるのです。

保証解除を勝ち取る!銀行が納得する事業計画書の3つのポイント

金融機関に保証解除を交渉する際、口頭で「経営は順調です」と伝えるだけでは不十分です。ガイドラインの要件を満たしていることを客観的なデータで証明し、将来にわたって健全な経営を維持できることを示す「事業計画書」が不可欠になります。

ここでは、銀行を納得させるための計画書のポイントを3つに絞って解説します。

ポイント1:財務指標の改善計画を具体的に示す

「財務基盤が強化されている」ことを示すには、具体的な数値目標が欠かせません。会社の現状を分析し、将来的にどの財務指標を、いつまでに、どれくらい改善するのかを明確にしましょう。

【計画書に盛り込むべき財務指標の例】

財務指標目安改善策の例
自己資本比率10%以上(理想は30%以上)・利益を蓄積する(内部留保)
・増資を行う
有利子負債依存度30%以下・借入金を計画的に返済する
・自己資本を増やす
債務償還年数10年以内・利益を増やしてキャッシュフローを改善する

これらの目標を達成するための具体的なアクションプラン(売上向上策、コスト削減策など)も併せて記載します。なぜその目標が達成可能なのか、根拠ある数字で示すことが重要です。そのためには、財務3表とは?PL・BS・CFの基礎と事業計画書への活かし方をわかりやすく解説を理解し、PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)に基づいた計画を立てる必要があります。

ポイント2:安定した返済原資と健全な資金繰りを証明する

金融機関が最も知りたいのは、「将来にわたって、本当に借入金を返済し続けてくれるのか?」という点です。これを証明するのが「資金繰り計画」です。

将来の売上による入金予測と、仕入や経費、借入金返済といった支出予測を月単位でまとめた「資金繰り表」を作成しましょう。これにより、会社のキャッシュがどのように推移し、返済原資が十分に確保されていることを視覚的に示すことができます。

  • 楽観的すぎない現実的な売上予測を立てる
  • 季節変動や繁忙期・閑散期を考慮する
  • 突然の出費に備えた予備費を盛り込む

このように、あらゆる状況を想定した堅実な資金繰り計画は、経営者のリスク管理能力の高さを示すことにも繋がり、金融機関からの信頼を高めます。説得力のある計画書を作るには、[銀行融資に通る事業計画書|金融機関に評価される記載例とは?]も参考にすると良いでしょう。

ポイント3:情報開示の透明性とガバナンス体制をアピールする

ガイドラインの要件である「情報の適時適切な開示」を、今後も継続していく姿勢を示すことも重要です。

【計画書でアピールできる取り組み】

  • 定期的な情報提供の約束:「月次試算表を翌月〇日までに提出します」など、具体的なルールを明記する。
  • 会計専門家の関与:「顧問税理士による月次監査を受けています」など、第三者のチェック機能があることを示す。
  • コンプライアンス体制の明記:「法人の経費と個人の支出は厳格に分離しています」と宣言し、公私混同がないクリーンな経営をアピールする。

これらの取り組みは、経営の透明性、すなわち「信頼性」を証明するものです。金融機関に「この会社なら安心して付き合える」と思わせることが、保証解除への近道となります。

FAQ(よくある質問)

Q:赤字決算が続いていますが、保証解除は不可能ですか?

A:不可能ではありませんが、ハードルは高くなります。まずは赤字の原因を徹底的に分析し、具体的な黒字化への道筋を示す事業計画書を作成することが第一歩です。一時的な赤字であっても、将来性や改善策が合理的であれば、金融機関が交渉に応じてくれる可能性はあります。まずは[B/S改善を目指す事業計画書の構成|債務超過解消の具体策]などを参考に、抜本的な改善計画を立てましょう。

Q:保証解除の交渉には、どれくらいの時間がかかりますか?

A:ケースバイケースですが、数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。一回の交渉で完了することは稀で、事業計画書を提出した後も、計画の進捗状況を定期的に報告し、金融機関との信頼関係を時間をかけて築いていく必要があります。焦らず、着実に取り組む姿勢が大切です。

Q:事業計画書の作成は、自分たちだけでもできますか?

A:もちろん可能ですが、金融機関を納得させるレベルの計画書を作成するには、財務や会計に関する専門的な知識が求められます。特に、客観的で説得力のある数値計画の策定は難しいポイントです。自社での作成に不安がある場合は、専門家への相談を検討することをおすすめします。

計画書作成に不安なら、外部の専門家への相談も有効な選択肢

社長保証の解除は、経営者にとって長年の重荷を下ろす重要な経営課題です。しかし、日々の業務に追われながら、金融機関を説得できるレベルの精緻な事業計画書を作成するのは、決して簡単なことではありません。

そのような場合は、無理に自社だけで抱え込まず、外部の専門家の力を借りるのも賢明な判断です。

例えば、財務や資金調達を専門とするコンサルティング会社の中には、事業計画書の作成支援に特化したサービスを提供している企業もあります。特に、公認会計士や金融機関出身者が在籍するような会社は、銀行がどのような点を重視するのかを熟知しており、より効果的な計画書の作成が期待できます。

M&Aや事業計画書作成支援を行うバルクアップコンサルティング株式会社もそうした専門家集団の一つです。同社は公認会計士やMBA保有者などが多数在籍し、財務とビジネスの両面から企業を支援することを強みとしています。年間260社にのぼる事業計画書の作成実績があり、そのノウハウを活かして、保証解除を目指す企業の状況に合わせた具体的な計画策定をサポートしています。

まとめ

社長保証は、中小企業の資金調達を支えてきた一方で、経営者に過大なリスクを負わせ、企業の成長を妨げる側面も持っています。しかし、国の後押しもあり、適切な手順を踏めば保証を解除できる道が開かれています。

その鍵を握るのが、客観的なデータに基づいた説得力のある「事業計画書」です。

  • 自社の財務状況を正確に把握する
  • 具体的な数値目標を立て、改善への道筋を示す
  • 健全な資金繰りと透明性のある経営を約束する

これらのポイントを押さえた計画書を作成し、金融機関との対話を重ねていくことが、保証という重荷を下ろし、会社と経営者自身が次のステージへ飛躍するための第一歩となります。もし計画書の作成に困難を感じる場合は、専門家の知見を活用することも視野に入れてみてください。

会社の未来も、経営者個人の未来も、両方を守るための行動を今日から始めてみてはいかがでしょうか。

より詳しいサービス内容に興味がある方は、専門企業のウェブサイトで情報を確認することをおすすめします。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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