事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

  1. 事業計画書
  2. 30 view

ベンチャーデットを活用する際の事業計画書構成とは?

ベンチャーデットを活用する際の事業計画書構成とは?

この記事はこんな方におすすめ

  • ベンチャーデットでの資金調達を具体的に検討しているスタートアップ経営者の方
  • エクイティファイナンス(株式発行による資金調達)後の、次なる資金調達手段を探している方
  • ベンチャーデットの審査で評価される事業計画書の書き方が分からず、具体的なポイントを知りたい方
  • 融資と出資のハイブリッド型ともいえる資金調達方法に興味があり、基礎から理解したい方

サマリー動画(約90秒)

約90秒の動画でこの記事のポイントを解説します。


ベンチャーデットという新たな選択肢

スタートアップやベンチャー企業の成長を加速させる資金調達。多くの経営者がまず思い浮かべるのは、ベンチャーキャピタル(VC)などからの出資を受ける「エクイティファイナンス」かもしれません。しかし、近年、新たな選択肢として「ベンチャーデット」が注目を集めています。

ベンチャーデットは、従来の銀行融資とは異なり、企業の将来性や成長ポテンシャルを評価して実行される融資です。そのため、調達を成功させるには、その成長性を説得力をもって示す事業計画書が極めて重要な鍵を握ります。

この記事では、ベンチャーデットとは何かという基本から、審査を通過するために事業計画書に盛り込むべき重要な視点まで、初心者にも分かりやすく解説します。

ベンチャーデットとは?エクイティとの違いも解説

ベンチャーデットとは、簡単に言えば「融資(デット)」と「将来性への期待(ベンチャーの視点)」を組み合わせたハイブリッド型の資金調達手法です。

赤字フェーズのスタートアップでも、将来の成長が見込めると判断されれば融資を受けられる可能性があるのが最大の特徴です。主に、既にVCなどからエクイティファイナンスを受けている企業が、次のエクイティ調達ラウンドまでの「つなぎ資金」として活用するケースが多く見られます。

エクイティファイナンスとの違い

ベンチャーデットとエクイティファイナンスの主な違いを理解しておくことは、最適な資金調達戦略を立てる上で不可欠です。

比較項目 ベンチャーデット(融資) エクイティファイナンス(出資)
株式の希薄化 なし あり
返済義務 あり なし
経営への関与 限定的(財務状況の報告など) 積極的(株主として経営に参加)
主な提供者 銀行、専門ファンド ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家
審査の視点 返済能力、将来のキャッシュフロー 事業の成長性、市場規模、経営チーム

最大のメリットは、株式の希薄化(ダイリューション)が起きない点です。これにより、経営者は経営の自由度を維持しやすくなります。一方で、返済義務があるため、事業が計画通りに進まなかった場合のリスクはエクイティファイナンスより高くなります。

ベンチャーデットの事業計画書で特に求められる3つの視点

ベンチャーデットの提供者は、「この会社は将来成長し、融資をきちんと返済できるのか?」という二つの視点で事業計画書を評価します。そのため、計画書には「融資」と「ベンチャー」両方の側面を納得させる内容を盛り込む必要があります。基本的な書き方については「事業計画書の構成とは?資金調達を成功に導く書き方とチェックリスト」でも触れられていますが、ベンチャーデットでは特に以下の3つの視点が重要になります。

① 将来のキャッシュフローと明確な返済計画

ベンチャーデットはあくまで「融資」です。したがって、返済能力を具体的に示すことが絶対条件となります。

  • 詳細な収支計画とキャッシュフロー予測
    売上予測、原価、販管費などを積み上げ、将来のキャッシュフローがどのように推移するかを具体的に示します。特に、楽観的な予測だけでなく、悲観的なケースも想定した複数のシナリオを提示できると、リスク管理能力の高さを示すことができます。この部分は、「財務3表とは?PL・BS・CFの基礎と事業計画書への活かし方をわかりやすく解説」を参考に、説得力のある数字を作成することが求められます。
  • 返済原資の明記
    「事業活動によって生み出されるキャッシュフローから返済します」というだけでなく、「どのタイミングで、どれくらいのキャッシュが生まれ、そこから返済原資を確保する」という具体的なストーリーを明確に記述することが重要です。

② エクイティストーリーと整合性のある成長戦略

融資でありながら「ベンチャー」を名乗る理由は、貸し手が将来の成長に期待しているからです。なぜ成長できるのか、そのストーリーを明確に示さなければなりません。

  • マイルストーンの設定
    今回のデット資金を何に使い、その結果としてどのようなマイルストーン(中間目標)を達成するのかを具体的に示します。例えば、「この資金でエンジニアを〇名採用し、〇月までに新機能をリリース。それにより顧客獲得単価を〇%改善し、ARR(年間経常収益)を〇円まで引き上げる」といった具体的な計画です。
  • 次のエクイティ調達への接続
    ベンチャーデットは、次のエクイティ調達を成功させるための「ブリッジファイナンス」として利用されることが多いため、「今回のデット資金で企業価値をここまで高め、〇年後にはシリーズA/Bラウンドで〇円の調達を目指す」という、エクイティストーリーとの一貫性を示すことが極めて重要です。この視点は、「資金調達に強い事業計画書とは?金融機関・VCが重視するポイント」にも通じる考え方です。

③ 説得力のあるKPIとユニットエコノミクス

将来の成長性を客観的なデータで裏付けるためには、KPI(重要業績評価指標)の提示が不可欠です。

  • ビジネスモデルに応じたKPI
    SaaSビジネスであればMRR(月次経常収益)やLTV/CAC(顧客生涯価値/顧客獲得コスト)、ECサイトであれば顧客単価やリピート率など、自社のビジネスモデルの健全性を示すKPIを設定し、その推移と将来予測を提示します。信頼性の高い「事業計画書における『売上予測』の立て方と3つのシナリオモデル」を立てることが、貸し手を安心させる材料となります。
  • ユニットエコノミクスの健全性
    ユニットエコノミクス(顧客一人当たりの採算性)がプラスであることを示し、「事業を拡大すればするほど利益が積み上がる構造になっている」ことを証明します。これは、たとえ会社全体が赤字であっても、事業モデルそのものに収益性があることを示す強力な証拠となります。

FAQ(よくある質問)

Q1. 赤字のスタートアップでもベンチャーデットは利用できますか?

A1. はい、利用できる可能性があります。ベンチャーデットは、現在の損益状況だけでなく、将来の成長性やキャッシュフロー創出能力を重視するため、赤字フェーズのスタートアップでも対象となります。ただし、エクイティファイナンスの実績や、明確な成長戦略、健全なユニットエコノミクスを示せることが前提となります。

Q2. ベンチャーデットの金利はどのくらいですか?

A2. 一般的な銀行融資(プロパーローンなど)に比べると、金利は高めに設定される傾向があります。リスクが高い分、リターンを求められるためです。具体的な金利は金融機関や企業の状況によって大きく異なりますが、中には新株予約権を付与することで金利を抑えるタイプの契約もあります。

Q3. 事業計画書の作成は専門家に依頼すべきですか?

A3. 必須ではありませんが、有効な選択肢の一つです。ベンチャーデットの事業計画書は、財務的な視点と事業成長のストーリーテリングを両立させる高度な専門性が求められます。自社に知見がない場合、資金調達の専門家のサポートを受けることで、審査通過の可能性を高めることが期待できます。

専門家の知見を活用するという選択肢

ベンチャーデットのような専門性の高い資金調達を成功させるには、貸し手を納得させる事業計画書の質がすべてと言っても過言ではありません。特に、財務と事業の両面から説得力のある計画を練り上げるには、相応の知見が求められます。

M&Aや資金調達を専門とするコンサルティング会社の中には、こうした複雑な事業計画書の作成を支援するサービスを提供している企業もあります。例えば、バルクアップコンサルテイング株式会社は、年間260社もの事業計画書作成実績を誇り、財務とビジネスがクロスオーバーする領域を専門としています。同社には公認会計士やMBAホルダーといった財務の専門家が多数在籍しており、スタートアップの成長戦略に合わせた計画書作成を支援しています。

まとめ

ベンチャーデットは、株式の希薄化を避けつつ、事業成長を加速させることができる、スタートアップにとって非常に魅力的な資金調達手段です。

その成否を分けるのは、「返済能力の証明」と「将来の成長性の提示」を両立させた事業計画書に他なりません。

  • 明確な返済計画を含む将来キャッシュフロー
  • エクイティストーリーと整合した成長戦略
  • 客観的なデータに基づくKPIとユニットエコノミクス

これらのポイントを盛り込み、貸し手を納得させられるかが重要です。自社のリソースだけで作成が難しい場合は、外部の専門家の力を借りることも視野に入れながら、最適な資金調達戦略を検討していくことが成功への近道となるでしょう。

より詳しいサービス内容に興味がある場合は、専門企業のウェブサイトで情報を確認することをお勧めします。

サービス内容を確認

事業計画書の作成でお困りですか?

累計1,180社以上を支援した実績を持つ私たちが、
投資家・金融機関に伝わる計画書づくりをサポートします。

ご相談は弊社代表の佐藤が直接承ります。

無料で相談してみる
代表プロフィール画像

執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

事業計画書の最近記事

  1. 事業計画書テンプレート3選|無料で使える型の特徴と活用法を解説

  2. 事業計画書の文章表現|伝わる日本語とは?

  3. 【初心者向け】よくある質問で学ぶ事業計画書の作り方10選|融資に通る計画書のコツも解説

  4. 【チェックリスト付き】事業計画書作成の全工程|事前準備から提出後まで完全ガイド

  5. 融資審査に落ちる事業計画書とは?7つのNG特徴と審査に通る改善策を解説

Related post

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP
AIが24時間ご相談を承ります
→こちらをClick