事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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バリュエーションに影響を与える事業計画書の記載ポイント

バリュエーションに影響を与える事業計画書の記載ポイント

この記事はこんな方におすすめ

  • 資金調達やM&Aのために事業計画書を作成している経営者の方
  • 自社の企業価値(バリュエーション)がどのように決まるか知りたい方
  • 投資家や金融機関から高く評価される事業計画書のポイントを学びたい方
  • 事業計画書で自社の将来性や強みをうまく伝えられずに悩んでいる方

サマリー動画(約90秒)

約90秒の動画でこの記事のポイントを解説します。


会社の価値はどう決まる?事業計画書がバリュエーションを左右する理由

資金調達やM&Aを検討する際、必ずと言っていいほど登場するのが「企業価値評価(バリュエーション)」という言葉です。自社の価値がいくらになるのかは、経営者にとって最大の関心事の一つでしょう。しかし、「頑張って事業計画書を作ったのに、思ったような評価が得られなかったらどうしよう」「どの点をアピールすれば、高く評価してもらえるのだろうか」といった不安を感じる方も少なくありません。

実は、バリュエーションは単に過去の実績だけで決まるものではありません。むしろ、「この会社が将来どれだけ成長し、利益を生み出す可能性があるか」という未来への期待値が大きく影響します。そして、その未来の可能性を投資家や金融機関に伝える最も重要なツールが「事業計画書」なのです。

この記事では、バリュエーションの基本的な考え方から、評価を高めるために事業計画書に盛り込むべき具体的な記載ポイントまで、初心者にも分かりやすく解説します。

バリュエーションの基本と評価軸

まず、バリュエーションがどのように行われるのか、基本的な考え方を理解しておきましょう。バリュエーションとは、いわば「会社の値段」を決めるプロセスであり、その評価額が資金調達の金額やM&Aの売却価格の根拠となります。

収益性/成長性/リスクの3つの視点

バリュエーションは、主に以下の3つの視点から総合的に判断されます。事業計画書では、これら3つの要素をバランス良く、かつ説得力をもって示す必要があります。

評価軸内容事業計画書で示すべきこと
収益性現状および将来、どれだけ利益を生み出す力があるか・過去の財務実績(売上、利益など)
・将来の具体的な収益予測とその根拠
成長性今後、事業がどれだけ大きく伸びる可能性があるか・市場規模と成長率
・競合に対する優位性
・具体的な事業拡大戦略
リスク事業を取り巻く不確実性や潜在的な脅威は何か・市場変動、法改正などの外部リスク
・事業運営上の内部リスク
・リスクに対する具体的な対応策

代表的な評価手法「DCF法」と「マルチプル法」

バリュエーションには様々な手法がありますが、特に事業計画書の内容が直接的に影響するのが以下の2つです。

  • DCF法(ディスカウンテッド・キャッシュフロー法)

    事業計画書に基づいて、将来生み出すと予測されるフリーキャッシュフロー(事業活動によって自由に使えるお金)を、現在価値に割り引いて企業価値を算出する方法です。未来の収益予測がそのまま計算の基礎となるため、事業計画書の精度や説得力が評価額に直結します。
  • マルチプル法(類似会社比較法)

    事業内容が似ている上場企業や、過去のM&A事例などを参考に、売上や利益といった指標に対して「何倍の価値があるか」という倍率(マルチプル)を算出し、自社の価値を計算する方法です。この場合、事業計画書で示す高い成長性や独自性は、より高い倍率を持つ先進的な企業と比較できる根拠となり、評価額を引き上げる要因になります。

これらの評価手法の詳しい計算方法については、「株価算定ってなに?小規模M&Aにおける株価の考え方」でも解説していますので、参考にしてください。

事業計画書が与える印象が「説得力」を生む

バリュエーションは、計算式だけで決まるドライなものではありません。評価者が事業計画書を読んだ際に抱く「印象」、つまり「この計画は本当に実現できるのか?」という信頼感が、最終的な評価を大きく左右します。

未来予測のリアリティ

夢のある未来を語ることは重要ですが、根拠のないバラ色の計画はかえって不信感を与えます。「市場が急成長しているから、3年後には売上が10倍になります」と主張するだけでは、説得力がありません。

大切なのは、その予測に至った客観的な根拠を示すことです。

  • なぜその市場が伸びるのか?(公的な統計データ、調査レポートなど)
  • なぜその売上目標が達成できるのか?(具体的な販売戦略、顧客獲得計画など)
  • なぜ競合に勝てるのか?(自社の技術的な優位性、独自のビジネスモデルなど)

これらの根拠を丁寧に積み重ねることで、未来予測にリアリティが生まれます。詳しくは「事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とは」もご覧ください。

シナリオとロジックの整合性

優れた事業計画書は、各項目が連動し、一本の筋が通ったストーリーになっています。

外部環境(市場)はこのように変化しており、そこに自社の強み(製品・サービス)を活かして、このような事業戦略(マーケティング・販売)を実行する。そのために、この人員・体制が必要であり、結果としてこのような財務計画(売上・利益)を達成する。」

このように、事業計画全体でロジックに一貫性があることが重要です。どこか一つでも話が飛躍していたり、矛盾があったりすると、計画全体の信頼性が揺らいでしまいます。

投資家に響く!バリュエーションを高める表現の工夫

では、具体的にどのような見せ方をすれば、投資家や金融機関に評価され、バリュエーション向上につながるのでしょうか。

事実ベース + 蓋然性の高い可能性の提示

「絶対に成功します」「売上100億円は確実です」といった断定的な表現は避けましょう。評価者は、自信過剰な言葉よりも客観的な事実を重視します。

まずは、信頼できるデータや過去の実績といった「事実」を提示します。その上で、「これらの事実を踏まえると、このような成長を遂げる可能性が高いと考えられます」というように、「蓋然性の高い未来」として語ることが有効です。

さらに、計画が順調に進んだ場合の「ベストシナリオ」だけでなく、市場環境が悪化した場合などを想定した「ワーストシナリオ」も用意しておくと、リスク管理能力の高さを示すことができ、評価者の信頼を得やすくなります。

根拠あるグラフ・KPIで視覚的に示す

長文のテキストが続く事業計画書は、読み手の集中力を削いでしまいます。重要なデータやメッセージは、グラフや表を効果的に活用して、視覚的に分かりやすく伝えましょう。

  • グラフや表の活用例
    • 市場規模の推移と将来予測
    • 自社の売上・利益の推移と将来計画
    • 競合他社とのポジショニング比較
    • 資金使途の内訳

また、事業の成長を測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定し、その目標達成に向けた具体的なアクションプランを示すことも極めて有効です。例えば、SaaSビジネスであれば「顧客獲得単価(CAC)」や「解約率(チャーンレート)」、小売業であれば「顧客単価」や「リピート率」などがKPIとなります。

具体的なKPIを示すことで、経営者が事業の本質を深く理解し、計画的に事業を成長させる能力があることをアピールできます。どのような事業計画書が評価されるかについては、「投資家が『読みたくなる』事業計画書の作り方|プレゼンにも効く実践テクニック」でさらに詳しく解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1: 赤字の会社でも高いバリュエーションは付きますか?

A1: はい、十分に可能性があります。特に、成長初期のスタートアップ企業などでは、将来の大きな成長を見越して人材採用や開発に先行投資するため、一時的に赤字になることは珍しくありません。重要なのは、事業計画書の中で、なぜ今赤字なのか(先行投資の内容)、そして将来どのようにして黒字化を達成するのか、という明確なストーリーと根拠を示すことです。

Q2: 事業計画書はどれくらいの期間の予測を立てれば良いですか?

A2: 一般的には、3年から5年の中期的な計画を立てることが多いです。ただし、目的によって最適な期間は異なります。ベンチャーキャピタルからの出資を求めるなら5年程度の長期計画が、銀行からの融資であれば1〜3年程度のより確実性の高い短期計画が重視される傾向にあります。期間の長さそのものよりも、それぞれの数字の根拠が明確であることの方が重要です。

Q3: 専門家に事業計画書の作成を依頼するメリットは何ですか?

A3: 最大のメリットは、投資家や金融機関が「どこを評価し、どこに疑問を持つか」という専門的な視点を取り入れられる点です。専門家は、客観的な立場で事業の強みや潜在的なリスクを分析し、評価者に響く論理構成や表現で計画を組み立てるノウハウを持っています。独りよがりになりがちな計画を、第三者にも納得感のある、信頼性の高いものにブラッシュアップできます。

専門家の視点を活用するという選択肢

ここまで見てきたように、バリュエーションに好影響を与える事業計画書の作成には、財務的な知識だけでなく、事業戦略やマーケティング、リスク管理など、幅広い知見と客観的な視点が求められます。自社だけで全てを完璧にこなすのは、決して簡単なことではありません。

そこで有効な選択肢となるのが、外部の専門家の活用です。M&Aや資金調達を支援する専門会社の中には、バルクアップコンサルティング株式会社のように、事業計画書の作成支援から実際の資金調達、M&Aの交渉までをワンストップでサポートするところもあります。同社は年間260社という豊富な事業計画書作成実績を誇り、財務とビジネスの両面に精通した専門家が、経営者のビジョンを評価者に伝わる「価値あるストーリー」へと昇華させる支援を行っています。

まとめ:事業計画書は未来の価値を伝える設計図

事業計画書は、単なる手続き上の書類ではありません。それは、自社の未来の可能性を描き、その価値を投資家や金融機関に伝えるための最も重要な「設計図」であり「ストーリーブック」です。

バリュエーションを高めるためには、「収益性・成長性・リスク」の3つの軸を意識し、客観的なデータに基づいた「リアリティのある未来予測」と、矛盾のない「一貫したロジック」で、計画の説得力を高めることが不可欠です。

もし、自社だけでの作成に不安を感じたり、より高い評価を目指したいと考えたりした際には、専門家の知見を借りることも有力な選択肢です。信頼できるパートナーと共に、自社の価値を最大化する事業計画書を作成し、未来の成長への扉を開きましょう。

より具体的な事業計画書の構成については、「事業計画書の構成とは?資金調達を成功に導く書き方とチェックリスト」も参考にしてみてください。

自社の可能性を最大限に引き出すサポートに興味のある方は、専門機関のサービス内容を確認してみるのも良いでしょう。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

BulkUp Consulting KK

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