事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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売却を検討中の中小企業向け|M&Aで買い手に評価される事業計画書の構成ガイド

売却を検討中の中小企業向け|M&Aで買い手に評価される事業計画書の構成ガイド

この記事はこんな方におすすめ

  • 会社の売却や事業承継のためにM&Aを検討している経営者の方
  • 自社の将来性や価値を、買い手企業に正しく評価してもらいたい方
  • M&Aの交渉を有利に進めるための事業計画書の書き方が知りたい方
  • 通常の資金調達用とは違う、M&Aに特化した事業計画書のポイントを知りたい方

導入:M&Aの成否を分ける「未来の設計図」

会社の未来を託すM&A(企業の合併・買収)。経営者にとって、まさに一大決心と言えるでしょう。長年手塩にかけて育ててきた事業を、少しでも良い条件で、納得のいく相手に譲渡したいと考えるのは当然のことです。

しかし、その想いを買い手候補に伝え、納得してもらうのは簡単ではありません。「自社の強みや将来性をどう伝えれば良いのか」「客観的な評価をしてもらえるだろうか」「買い叩かれてしまわないか不安だ」といった悩みを抱える経営者は少なくありません。

そこで重要になるのが、M&Aを見据えた「事業計画書」です。これは単なる資金調達のための書類ではありません。M&Aにおける事業計画書は、自社の現在価値と未来の可能性を買い手に示す「未来の設計図」であり、交渉を有利に進めるための羅針盤となるのです。

この記事では、M&Aの成功確率を格段に引き上げる、戦略的な事業計画書の構成と作成ポイントを、初心者の方にも分かりやすく解説します。

M&Aにおける事業計画書の役割と重要性

まず、なぜM&Aにおいて事業計画書がそれほど重要なのでしょうか。その役割は、通常の資金調達の際とは少し異なります。

買い手(買収企業)が知りたいのは「未来の価値」

買い手がM&Aを検討する際、最も知りたいのは「この会社を買収することで、自社にどれだけのメリットがあるか」という点です。具体的には、以下の2つの価値を評価しようとします。

  1. スタンドアロン・バリュー(単独での価値):
    M&Aがなくても、その会社が単独で生み出す将来のキャッシュフローや成長性。
  2. シナジー・バリュー(相乗効果による価値):
    買い手の事業と統合することで生まれる、新たな価値(売上向上、コスト削減など)。

事業計画書は、これら2つの価値、特に「シナジーを含めた未来の価値」を買い手に対して論理的に示すための、最も重要なコミュニケーションツールなのです。口頭での説明だけでは伝わらない自社のポテンシャルを、客観的なデータと具体的な計画をもって証明する役割を担います。この計画の説得力が、最終的な売却価格、すなわち株価算定にも大きく影響します。

通常の事業計画書との違い

M&Aを見据えた事業計画書と、銀行融資など資金調達目的の事業計画書では、強調すべきポイントが異なります。

比較項目 通常の資金調達用 M&Aを見据えた事業計画書
主な視点 過去の実績と返済能力の証明 将来の成長性とシナジー効果の提示
主な読者 金融機関、投資家 買い手企業の経営層、M&A担当者
目的 融資や出資の獲得 企業価値の最大化、有利な条件での売却
強調点 事業の安定性、収益性 独自技術、顧客基盤、ノウハウ、将来の拡張性
ゴール 計画の「実現可能性」を示す 買い手にとっての「投資魅力」を示す

つまり、M&Aの場面では「これまでどうだったか」以上に、「買い手と一緒になることで、将来どれだけ成長できるか」を具体的に描いてみせることが求められるのです。基本的な書き方については事業計画書の構成に関する一般的な知識も参考になりますが、M&A特有の視点を加えることが不可欠です。

M&Aで失敗しないための事業計画書の構成とポイント

それでは、具体的にどのような構成で、何を書けば買い手の心をつかむことができるのでしょうか。M&Aを成功に導くための事業計画書の主要な項目と、それぞれのポイントを解説します。

M&Aを見据えた事業計画書の構成要素

1. エグゼクティブサマリー

事業計画全体の要約です。M&Aの目的、自社の最大の強み、希望するM&Aの形態、期待されるシナジー効果などを1〜2ページに凝縮します。多忙な買い手の経営層が最初に目を通す部分であり、ここで興味を引けるかどうかが鍵となります。

2. 会社概要・事業沿革

どのような想いで会社を設立し、どんな困難を乗り越えてきたのか、その歴史を簡潔にまとめます。これは、自社のカルチャーや強みの源泉を伝える上で重要です。

3. 事業内容・ビジネスモデル

「誰に」「何を」「どのように」提供しているのかを明確に説明します。特に、自社の独自性、技術的な優位性、特許、安定した顧客基盤、ブランド力など、他社が簡単に真似できない「強み」を具体的に記載します。

4. 市場・競合分析

自社が属する市場の規模や成長性、そして競合他社の動向を客観的なデータを用いて示します。その中で、自社がどのような独自のポジションを築いているのかを明確にすることで、将来性をアピールします。

5. M&A後の成長戦略

M&A用事業計画書における最重要項目です。

  • スタンドアロンでの成長戦略:
    もしM&Aがなくても、自社単独でどのように成長していく計画だったのかを示します。
  • 買い手とのシナジー戦略:
    買い手の持つ販路、技術、顧客基盤などを活用することで、どのような相乗効果が生まれ、事業がどう飛躍するのかを具体的に提案します。例えば「貴社の販売網を活用させて頂くことで、初年度に売上が〇%向上する」といった、具体的な数値目標を盛り込むと説得力が増します。この部分は、成長戦略を魅せる中期ビジョンの考え方も応用できます。

6. 財務計画

過去3〜5期分の財務諸表(PL, BS, CF)と、将来3〜5年間の収益計画・資金繰り計画を提示します。将来計画は、希望的観測だけでなく、楽観・標準・悲観の3つのシナリオを用意すると、リスク管理能力の高さを示せ、信頼性が増します。この計画が、後のデューデリジェンスでの評価の土台となります。

7. 組織・マネジメント体制

役員や主要な従業員の経歴、スキルを紹介します。特に、特定の人物に事業が過度に依存していないか、M&A後もキーパーソンが残ってくれるのか、といった点は買い手が非常に気にするポイントです。M&A後の円滑な経営統合が可能であることをアピールします。

よくある質問(FAQ)

Q1: 赤字の会社でも、事業計画書をしっかり書けばM&Aは可能ですか?

A1: はい、可能です。重要なのは、赤字の理由(例:先行投資、市況の悪化など)と、今後の黒字化に向けた具体的かつ現実的な計画を事業計画書で示すことです。独自の技術や優れた顧客基盤など、将来性や買い手とのシナジーを論理的に説明できれば、赤字であっても高く評価されるケースは少なくありません。

Q2: 事業計画の将来予測は、どのくらいの期間で作れば良いですか?

A2: 一般的には、3年〜5年の中期経営計画として作成します。買い手は、買収に投じた資金をどのくらいの期間で回収できるかを重視します。そのため、この期間で自社がどのように成長し、収益を上げていくのかを具体的なアクションプランと共に示すことが重要です。

Q3: 事業計画書の作成を専門家に依頼するメリットは何ですか?

A3: 買い手の視点を踏まえた、客観的で説得力のある計画書を作成できる点です。M&Aの専門家は、どのような情報が企業価値を高めるかを熟知しています。また、自社の強みを最大限に引き出し、企業価値評価を有利に進めるための戦略的なアドバイスも期待できます。何より、多忙な経営者が作成に費やす膨大な時間を削減できるのが大きなメリットです。

M&A・事業計画書作成の専門家という選択肢

ここまで見てきたように、M&Aを成功させるための事業計画書は、通常の書類作成とは一線を画す、高度な戦略性と専門知識を要するものです。客観的な分析や将来予測、そして買い手の心理を読んだ上でのシナジー提案など、経営者一人で抱えるにはあまりに重い作業かもしれません。

そのため、M&Aや事業計画書作成を専門とする外部アドバイザーの力を借りることも有効な選択肢となります。例えば、M&Aアドバイザリーや事業計画書作成支援を行う企業の中には、バルクアップコンサルティング株式会社のように、財務とビジネスの両面からサポートを提供する会社もあります。同社は中小企業のM&A(スモールM&A)に特化したデューデリジェンスや企業価値評価サービスを提供しており、年間260社にのぼる事業計画書作成支援の実績を持っています。

こうした専門家は、数多くのM&A案件に携わってきた経験から、買い手がどこに注目し、どのような情報を求めているかを熟知しています。第三者の客観的な視点を取り入れることで、自社の強みを再発見し、より説得力のある事業計画書を作成することが可能になります。

まとめ:未来を託すための、最良の準備を

M&Aは、会社にとって大きな転機です。その重要な局面で、自社の価値を正当に評価してもらい、従業員や取引先を含めた関係者全員にとって最良の結果を導き出すためには、戦略的な事業計画書が不可欠です。

それは、過去の実績を並べた報告書ではなく、買い手と共に創り出す未来への期待感を込めた「ラブレター」とも言えるかもしれません。この記事で解説したポイントを参考に、まずは自社の強みと将来像を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。

もし、自社だけでの作成に不安を感じたり、より専門的な見地からのアドバイスを求めたい場合は、信頼できる専門家への相談を検討することも重要です。

M&Aや事業計画書の作成について、より具体的なアドバイスが必要な場合は、専門家への相談を検討してみましょう。バルクアップコンサルティングでは、スモールM&Aに特化したデューデリジェンスサービスに関する無料相談も受け付けています。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

BulkUp Consulting KK

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