事業計画書の書き方から資金調達方法まで徹底解説します

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事業計画書の未来予測セクションの書き方|説得力を高める3つの視点

事業計画書の未来予測セクションの書き方|説得力を高める3つの視点

この記事はこんな方におすすめ

  • 事業計画書の「将来の展望」や「売上予測」の項目で筆が止まってしまっている方
  • 希望的観測ではなく、客観的な根拠に基づいた未来予測を立てたいと考えている経営者の方
  • 投資家や金融機関を納得させ、資金調達の成功確率を高める将来性の伝え方を知りたい方
  • 自社のビジネスの成長ストーリーを、論理的に描き出したいと思っている創業者の方

事業計画書の「未来予測」、なぜ重要?

事業計画書を作成する上で、多くの経営者が頭を悩ませるのが「未来予測」のセクションではないでしょうか。「3年後、5年後の売上はどうなっているだろうか」「この事業はどれくらい成長する可能性があるのか」といった問いに対し、単なる希望的観測や夢物語を書いても、資金の出し手である投資家や金融機関を納得させることはできません。

事業計画書における未来予測は、経営者のビジョンを示すと同時に、そのビジョンを達成するための「論理的な道筋」と「実現可能性」を証明するための重要なパートです。ここでの説得力が、資金調達の成否を大きく左右すると言っても過言ではありません。

しかし、未来を正確に予測することなど誰にもできません。では、何を書けば良いのでしょうか。重要なのは、未来を「当てる」ことではなく、「納得感のある根拠」を積み重ねて、事業の成長ストーリーを論理的に描き出すことです。この記事では、説得力のある未来予測を作成するための3つの視点と、具体的な書き方を分かりやすく解説します。これから事業計画書を作成する方はもちろん、既存の計画書を見直したい方も、ぜひ参考にしてください。まずは、計画書全体の基本から理解したいという方は、事業計画書の構成とは?資金調達を成功に導く書き方とチェックリストも併せてご覧ください。

説得力を高める未来予測の3つの視点

説得力のある未来予測は、単一の視点からでは生まれません。「市場が伸びているから、自社も伸びるはずだ」といった単純なロジックでは、経験豊富な投資家や金融機関の担当者には響きません。彼らは、経営者が事業環境を多角的に分析し、リスクも踏まえた上で現実的な計画を立てているかを見ています。

ありがちな失敗は、外部環境の追い風だけを強調したり、自社の強みを過信したりすることです。そうした一方的な未来予測を避けるために、以下の3つの視点を組み合わせて、ストーリーを構築することが不可欠です。

視点1:マクロな視点(市場トレンドの活用)

まず、自社が参入する市場全体が、今後どのように変化していくのかを客観的なデータで示す必要があります。これは、事業の成長ポテンシャルを示す「土壌」の部分です。

  • 市場規模と成長率:
    自社が属する市場の現在の規模(TAM/SAM/SOM)と、将来の成長率予測を提示します。これらは、政府の統計データ(例:e-Stat)や、信頼できる調査会社のレポート(例:矢野経済研究所、富士経済など)から引用しましょう。
  • 社会・経済動向:
    人口動態の変化(高齢化、単身世帯の増加など)、ライフスタイルの変化(健康志向、オンライン化など)、法改正や規制緩和といった、自社ビジネスに影響を与えるマクロなトレンドを分析します。

視点2:ミクロな視点(顧客ニーズの変化予測)

市場全体が成長していても、顧客のニーズを捉えられなければビジネスは成り立ちません。顧客という、よりミクロな視点での分析が求められます。

  • ターゲット顧客の変化:
    設定したターゲット顧客層が、将来的にどのような課題や欲求を持つようになるかを予測します。
  • ニーズの具体化:
    なぜ顧客は自社のサービスを選ぶのか、その理由は5年後も同じでしょうか。顧客へのアンケート調査やヒアリング、競合サービスの分析などを通じて、顧客ニーズの変化を具体的に予測します。

視点3:内部環境の視点(自社リソースの進化)

市場と顧客という外部環境の変化に対応するために、自社がどのように進化していくのかを示す視点も不可欠です。これは、計画の「実行可能性」を担保する部分です。

  • 人材・組織:
    事業の成長に合わせて、どのようなスキルを持つ人材を、いつ、何人採用するのか。組織体制をどう変化させていくのかを具体的に示します。
  • 技術・開発:
    新技術の開発ロードマップや、既存サービスのアップデート計画を提示し、競争優位性を維持・強化していく道筋を明確にします。
  • 財務基盤:
    設備投資や人材採用に必要な資金を、どのように調達し、投資していくのか。資金計画と事業計画を連動させることが重要です。

これら3つの視点を有機的に結びつけることで、単なる願望ではない、地に足の着いた成長戦略として成長戦略を魅せる!事業計画書の「中期ビジョン」セクションの作り方が描けるようになります。

未来予測の具体的な書き方とNG例・改善方法

3つの視点を踏まえた上で、実際に事業計画書に落とし込む際の具体的な書き方と、よくあるNG例を見ていきましょう。特に売上予測は、計画の根幹をなす重要な要素です。

売上予測の立て方

売上予測は、以下の計算式で分解し、それぞれの根拠を明確にすることが基本です。

売上 = 顧客数 × 顧客単価

さらに、顧客数を「新規顧客」と「リピート顧客」に分けたり、顧客単価を商品・サービス別に設定したりすることで、より解像度の高い予測が可能になります。

【売上予測のロジック構築例(飲食店の場合)】

項目 計算ロジックの例 根拠データの例
客数 (席数 × 回転数 × 満席率) × 営業日数 ・店舗周辺の通行量調査
・近隣競合店の観察データ
・WebサイトやSNSの想定インプレッション数
客単価 (ランチ平均単価 × ランチ客比率) + (ディナー平均単価 × ディナー客比率) ・メニュー構成と価格設定
・競合店の価格調査
・ターゲット顧客の所得データ
売上高 客数 × 客単価 上記の積み上げによる

このように、最終的な売上高という数字だけでなく、その算出に至ったプロセスと根拠を丁寧に説明することが、事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とはにつながります。

シナリオ分析を取り入れる

未来は不確実であるため、単一の計画だけではリスク対応力を示すことができません。そこで有効なのが、複数のシナリオを用意する「シナリオ分析」です。

  • 楽観シナリオ:
    最も事業がうまくいった場合の計画。マーケティング施策が想定以上に成功した場合など。
  • 標準シナリオ:
    最も実現可能性が高いと考えられる計画。これを基本計画とする。
  • 悲観シナリオ:
    外部環境の悪化や競合の出現など、リスクが現実化した場合の計画。

これらのシナリオを提示することで、「経営者はリスクも認識し、それに対する備えも考えている」という印象を与え、計画全体の信頼性を高めることができます。

NG例と改善方法

NG例 なぜNGか? 改善方法
「市場は年10%で成長しているので、当社の売上も年10%伸びます」 市場全体の成長と自社の成長を安易に結びつけており、自社の努力や戦略が見えない。「他力本願」な印象を与えてしまう。 市場成長を追い風としつつ、「どのようなマーケティング戦略で競合からシェアを奪い、市場成長率を上回る成長を目指すのか」という自社独自の戦略を具体的に記述する。
「最高のプロダクトなので、自然に口コミで広がり、売上は倍増します」 根拠が「プロダクトへの自信」という主観的なものに終始している。具体的な顧客獲得のプロセスが不明確。 プロダクトの優位性を述べた上で、「どのようなターゲットに、どんなチャネル(SNS、広告、イベント等)で情報を届け、顧客獲得単価(CPA)をいくらと想定しているか」を数値で示す。
「3年後には業界No.1になります」 目標は高いが、そこに至るまでの具体的なステップやマイルストーンが欠けている。夢物語に聞こえてしまう。 最終目標を掲げつつ、「1年目は〇〇を達成し、2年目は〇〇に投資して、3年目にNo.1を目指す」というように、目標達成までの道のりを分解して具体的に示す。

説得力のある未来予測は、情熱と論理のバランスが鍵となります。壮大なビジョンを語りつつも、その足元は客観的なデータと具体的なアクションプランで固めることを意識しましょう。

FAQ(よくある質問)

Q1. どれくらいの期間の予測を立てれば良いですか?

A. 一般的には3年〜5年の中期計画を立てることが多いです。創業融資などでは1年〜2年の短期計画が重視されることもあります。事業の性質にもよりますが、まずは3年間の月次計画、4〜5年目の年次計画を作成すると良いでしょう。重要なのは、期間の長さよりも計画の具体性と根拠です。

Q2. まだ実績がないのですが、どうやって売上予測を立てればいいですか?

A. 実績がない場合は、類似のビジネスモデルを持つ企業のデータや、市場調査から導き出した数値を参考にします。例えば、見込み顧客へのアンケート調査で「いくらなら購入しますか?」と質問し、その結果から仮の顧客単価を設定する方法などがあります。テストマーケティングの結果も強力な根拠になります。

Q3. 予測が外れたら責任を問われますか?

A. 事業計画書は「契約書」ではなく「計画書」です。予測が計画通りに進まないこと自体が問題になることは通常ありません。しかし、資金提供者は計画と実績の差異(予実管理)を重視します。なぜ計画とズレたのかを分析し、次のアクションプランを論理的に説明できることが経営者には求められます。

Q4. 悲観的なシナリオも正直に書くべきですか?

A. はい、書くべきです。リスクを全く想定していない楽観的な計画よりも、潜在的なリスクを洗い出し、それに対する対応策まで考えている計画の方が、はるかに信頼性が高まります。経営者が事業環境を冷静に分析できている証拠となり、むしろ評価されるポイントになります。

客観的な視点で計画を磨き上げるには

自社だけで事業計画書を作成していると、どうしても希望的観測が入り込み、客観性に欠けることがあります。そのような場合、外部の専門家の視点を取り入れるのも有効な手段です。

例えば、事業計画書の作成支援や財務コンサルティングを専門とする企業が存在します。こうしたサービスを活用することで、独りよがりではない、客観的なデータに基づいた未来予測を構築する手助けを得られます。M&Aや資金調達を専門とする企業の中には、バルクアップコンサルテイング株式会社のように、年間260社もの事業計画書作成を支援している実績豊富な会社もあります。多数の企業の資金調達に強い事業計画書とは?金融機関・VCが重視するポイントを知る専門家は、投資家や金融機関がどのような点を厳しく見るかを熟知しており、計画の説得力を飛躍的に高めるためのアドバイスを提供してくれます。

まとめ:未来予測は「論理」で描く成長ストーリー

事業計画書における未来予測は、単なる数字の遊びではありません。それは、「市場」「顧客」「自社」という3つの視点から集めた客観的な根拠を積み重ねて作り上げる、自社の成長ストーリーそのものです。

  • 未来予測は、投資家や金融機関への「約束」ではなく「説得」
  • 「市場」「顧客」「自社」の3つの視点を組み合わせ、多角的に分析する
  • 売上予測は分解し、算出根拠を明確にする
  • 楽観・標準・悲観のシナリオを用意し、リスク対応力を示す

これらのポイントを押さえることで、あなたの事業計画書は単なる「夢」から、実現可能性を帯びた「計画」へと昇華するはずです。未来への熱い想いを、冷静な分析と論理的な言葉で語ること。それが、資金調達を成功させ、事業を力強く前進させるための鍵となります。

事業計画書の精度を高め、専門家のサポートを受けたいとお考えの方は、一度相談してみるのも良いでしょう。

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執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)

バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。

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