整骨院・接骨院の事業計画書の書き方|開業融資を通す収益計画の作り方
この記事はこんな方におすすめ
- 柔道整復師として独立し、整骨院・接骨院の開業を検討している方
- 日本政策金融公庫などへの融資申込みに向けて事業計画書を準備している方
- 「整骨院は儲からない」という声に対し、採算ラインを数値で確認したい方
- 保険診療と自費メニューの売上構成や資金繰り設計に不安を抱えている方
『整骨院を開きたいが、儲からないと聞いて不安で…』。柔道整復師が独立前にぶつかる壁です。整骨院・接骨院の事業計画書は「保険診療+自費の売上ミックス」と「療養費の入金タイムラグを踏まえた資金繰り」を数値で示せるかが融資審査を左右します。本記事ではバルクアップコンサルティング株式会社が事業計画書作成支援 累計1,080社以上の知見をもとに解説します。
整骨院・接骨院の開業資金と融資の関係
整骨院の開業には、内装工事・医療機器・敷金礼金・運転資金を合わせた初期投資が必要です。柔道整復師は資格者本人が開業するケースが大半のため、融資審査では技術力より「経営者としての数値計画」が重視されます。
資金調達は自己資金と日本政策金融公庫などの公的融資の組み合わせが基本です。希望額の根拠を「設備資金」と「運転資金」に分けて積み上げ、計画書の数値と整合させることが審査通過の鍵です。詳しい書き方は日本政策金融公庫に提出する事業計画書の書き方【審査通過のコツ】で解説しています。
整骨院の事業計画書に必要な項目と数値の作り方
事業計画書では、創業動機・経歴・取扱メニュー・売上計画・必要資金・収支計画・返済計画を一貫した数値ストーリーで組み立てます。要は「売上計画」「資金繰り」「利益計画」の三点です。
売上計画=保険診療(来院数×単価)+自費メニュー+物販
売上は保険診療・自費施術・物販の三本柱で考えます。安定収入の保険診療と伸び代のある自費を組み合わせるイメージです。
| 売上区分 | 計算式の例 |
|---|---|
| 保険診療 | 1日来院数×平均単価×営業日数 |
| 自費施術 | 1日自費利用数×自費単価×営業日数 |
| 物販 | 1日購入者数×客単価×営業日数 |
売上予測はベース・強気・弱気の3シナリオで作るのが基本です。詳細は事業計画書における「売上予測」の立て方と3つのシナリオモデルを参考にしてください。
療養費の入金タイムラグと運転資金(資金繰り表の作り方)
整骨院特有の論点が療養費の入金タイムラグです。療養費とは保険診療分として施術後に保険者から支払われる費用で、患者の一部負担金以外は申請から入金まで2か月前後かかるのが一般的です。
施術しても保険分の現金がすぐ入らないため、その間の家賃・人件費は手元資金で賄います。月別の入出金を並べた資金繰り表を添付し、運転資金を厚めに見積もる根拠を示しましょう。一時的に赤字となる時期があっても、説明次第で融資は十分可能です。考え方は赤字でも資金調達は可能?事業計画書で説得するための3つの視点が参考になります。
必要資金・人件費(柔道整復師・受付)と利益計画
必要資金は、設備資金(内装・施術ベッド・電気施術機器)と運転資金(数か月分の固定費+療養費入金までのつなぎ資金)に分けて積み上げます。人件費は院長本人に加え勤務柔道整復師や受付スタッフを想定し、保険と自費の役割分担まで設計します。利益計画では返済原資(利益+減価償却費)が確保できる水準かを確認します。
「儲からない」を回避する採算ラインの考え方(損益分岐の記入例)
「整骨院は儲からない」と言われる背景には、保険診療単価の制約と地域ごとの競合過多があります。損益分岐とは、売上と費用が一致し利益がゼロになる売上水準のことです。
| 項目 | 金額(月額・例示) |
|---|---|
| 固定費合計(家賃・人件費・リース等) | 80万円 |
| 平均粗利率 | 80% |
| 損益分岐売上高 | 100万円 |
| 1日あたり必要売上(25営業日換算) | 4万円 |
この例では1日4万円が損益分岐ラインです。保険診療だけで届かない場合は、自費メニュー比率を高めて客単価を上げる戦略が現実的です。「儲からない」と感じる整骨院ほど、自費メニュー設計と稼働率の見える化が不足しています。
融資審査で見られる整骨院ならではのポイント
融資審査では、柔道整復師の実務経験年数・施術技術・前職での売上実績が経歴欄で重視されます。商圏分析(半径1〜2km圏内の世帯数・競合院数)、立地選定の妥当性、保険と自費の比率の設計根拠を数値で示せると説得力が増します。物件契約前に計画書を完成させ、資金繰り表をセットで提出すると評価されやすくなります。
自作の限界と専門家に依頼すべきケース
以下に当てはまる場合は、早めに専門家への相談をおすすめします。
- 希望借入額が大きく、返済計画の組み立てに自信がない
- 療養費の入金タイムラグを踏まえた資金繰り表が作れない
- 保険診療と自費の売上比率を数字で根拠立てて示せない
- 自己資金が十分でなく、赤字スタート前提の計画説明が必要
バルクアップコンサルティング株式会社では、公認会計士の代表が監修し、年間260社の事業計画書作成を支援しています。整骨院の開業案件にも対応し、融資面談での想定問答までフォローします。
よくある質問(FAQ)
Q. 整骨院の開業資金はいくらかかりますか?
A. 立地・規模・内装・導入機器によって幅があります。計画書では設備資金と運転資金を分けて積算し、見積書などの根拠資料とセットで示します。
Q. 整骨院開業で融資はいくら借りられますか?
A. 借入可能額は自己資金額・経歴・事業規模・返済能力で判断されます。自己資金の数倍程度を目安に希望額を組み立て、返済原資と整合させることが大切です。
Q. 保険診療と自費はどう計画に書きますか?
A. 売上を「保険診療」「自費施術」「物販」に分け、「来院数×単価×営業日数」で積み上げます。比率の根拠として近隣競合の動向や前職での実績を併記しましょう。
Q. 療養費の入金が遅いと資金繰りはどうなりますか?
A. 療養費は申請から入金まで2か月前後かかるため、開業直後は手元資金で固定費を支払う必要があります。資金繰り表で入出金を可視化し、数か月分の固定費相当の運転資金を確保すると安心です。
Q. 整骨院は本当に儲からないのですか?採算ラインは?
A. 主因は保険診療単価への依存と自費メニュー設計の不足です。損益分岐売上を算出し自費比率を高めれば、黒字化は十分に見込めます。
まとめ
整骨院・接骨院の事業計画書は、「売上ミックス」「療養費の入金タイムラグを踏まえた資金繰り」「損益分岐を意識した利益計画」の三点を数字で示すことがポイントです。技術力を経営者の数値計画に翻訳できるかが融資審査の分かれ目になります。バルクアップコンサルティング株式会社は累計1,080社以上の実績で、開業計画を伴走支援しています。
文章表現に不安なら、専門家の視点を取り入れる選択肢も
ここまで解説してきたように、事業計画書の文章表現には多くのコツがあります。しかし、自社の事業に没頭するあまり、客観的な視点を保つのが難しいと感じる経営者も少なくありません。社内用語を無意識に使ってしまったり、当たり前だと思っている前提が、第三者には伝わらなかったりすることはよくあることです。
そのような場合は、外部の専門家の視点を取り入れるのも有効な手段です。事業計画書作成の支援を行うコンサルティング会社などは、数多くの計画書を見てきた経験から、金融機関や投資家がどこに注目し、どのような表現を評価するのかを熟知しています。
例えば、バルクアップコンサルティング株式会社は、財務とビジネスの視点から経営者を支援するコンサルティングファームです。同社は年間260社もの事業計画書作成実績を持ち、特に資金調達やM&Aといった企業の重要な局面で、説得力のある計画書作りをサポートしています。専門家による客観的なレビューを受けることで、自分では気づけなかった表現の課題を発見し、計画書全体の質を大きく高めることが期待できます。
より専門的なサポートが必要な場合は、専門家の知見を借りることも検討してみましょう。
