金融機関出身者が関与する事業計画書代行の強みとは?
この記事はこんな方におすすめ
- 事業計画書の代行先を選ぶ際に「誰が作るか」を重視している経営者
- 金融機関の審査視点で書かれた事業計画書とはどういうものか知りたい方
- 過去に自作または代行で作成した事業計画書が審査を通過しなかった方
- 融資額が大きく、事業計画書の質を最大限高めたい方
『事業計画書の代行って、結局だれが作るんだろう』。代行業者を比較していると、そんな疑問が浮かぶ方は多いはずです。サービスの見た目は似ていても、実際に作成に関わる人物の背景によって、アウトプットの質は大きく変わります。なかでも「金融機関出身者」が関与するかどうかは、特に融資審査に直結する要素として見逃せません。本記事では、金融機関出身者が事業計画書の作成に関与することで何が変わるのかを具体的に解説します。
金融機関出身者の関与が事業計画書に何をもたらすか
そもそも事業計画書は「経営者が事業構想を書く書類」ではなく、「金融機関の審査担当者が稟議を通すための材料」として機能します。事業計画書の基礎知識でも触れているように、計画書に求められるのは経営者の熱意の表現ではなく、審査担当者が上席に説明できるだけの根拠と整合性です。
この前提を深く理解しているのが、実際に金融機関で審査業務を経験した人物です。彼らは「審査する側」として、どの書類が通りやすく、どこに差し戻しの理由が発生するかを肌で知っています。その経験が、代行サービスの設計や実際の計画書作成に反映されると、出来上がる書類の性格は大きく異なります。
金融機関出身者ならではの4つの強み
審査官目線の構成と優先順位の付け方
事業計画書の書き方について、一般的な解説書では「事業概要→市場分析→競合分析→財務計画」といった順序が紹介されています。しかし実際の金融機関審査では、担当者が最初に確認するのは「返済できるか」という点です。キャッシュフローの現実性、売上根拠の妥当性、借入残高とのバランスが最初の関門になります。
金融機関出身者はこの優先順位を知っているため、読み手が最も重視する項目を冒頭または見やすい位置に配置します。審査担当者が稟議書を起票しやすい構成にすることが、計画書の通過率を高める核心です。
銀行融資に通る事業計画書|金融機関に評価される記載例とは?でも解説されているように、金融機関ごとに審査の重点は微妙に異なります。地銀・信金・政府系金融機関で重視される観点を把握している専門家は、提出先に合わせた構成を選択できます。
NGワード・NG表現を回避できる
融資審査において「審査担当者に不安を与える表現」が存在します。たとえば次のような記述です。
- 「競合はありません」(市場を正確に把握していないとみなされる)
- 「売上は毎年10%増を見込んでいます」(根拠のない楽観的予測)
- 「〜の予定です」(確定していないものを確定として記載)
- 「利益が出れば返済に充てます」(返済財源が不明確)
これらは自作の計画書に頻出する表現ですが、金融機関の審査経験がある人物は即座に問題を特定し、言い換えます。根拠を伴う表現、条件つきのシナリオ提示、保守的な数値設定という代替表現を自然に使いこなせるのは、実務で審査側に立った経験があるからこそです。
数値計画の整合性と信頼性
財務計画の各要素(売上・原価・人件費・借入返済・キャッシュフロー)が矛盾なく連動しているかは、事業計画書の品質を左右する最重要項目のひとつです。事業計画書における「実現可能性」の示し方|根拠ある数字の作り方とはでも解説されているように、数値の根拠と整合性は審査担当者が必ず確認します。
金融機関出身者は、業種別の財務指標や同業他社との比較感覚を持っています。「飲食業で売上原価率35%は高すぎないか」「小売業の人件費比率がこの規模で妥当か」という感覚的な検証ができるため、机上の計算だけでは気づかない数値の違和感を事前に潰せます。
また、売上計画が強気すぎる場合には、ベースシナリオと保守シナリオを並列提示することで「リスクを認識した上で計画している」という印象を与える工夫もできます。事業計画書における「売上予測」の立て方と3つのシナリオモデルも参考になります。
稟議書の起票に必要な「材料」を意識した記載
先述のとおり、審査担当者は計画書を読んだあとに稟議書を作成します。稟議書には「融資を承認すべき根拠」と「リスクへの対応策」が記載される必要があります。金融機関出身者は、稟議書に何が必要かを知っているため、その材料として機能する記載を計画書に盛り込みます。
具体的には次のような要素です。
- 市場データや業界調査を引用した需要の裏付け
- 既存顧客・引き合い案件など具体的な受注根拠
- 競合との差別化ポイントを数値で示した比較
- 返済計画が崩れた場合の代替財源の言及
こうした記載がひとつひとつ積み重なることで、稟議書を起票しやすい計画書が完成します。
金融機関出身者関与のサービスで起こりやすい失敗例
「出身者がいる」と「実際に関与している」は別
代行業者のウェブサイトで「金融機関出身のコンサルタントが在籍」と書かれていても、実際の作成担当者が別のスタッフである場合があります。在籍実績と実際の関与は別物です。依頼前に「誰が実際に計画書を作成・レビューするか」を確認することが重要です。
業種への理解が不十分なケース
金融機関の審査経験があっても、特定の業種・ビジネスモデルへの理解が浅い場合は、業界固有の商慣行や収益構造を正確に反映できないことがあります。業種特化の経験があるかどうかも確認のポイントです。
金融機関出身者関与のサービスに向いている人・向いていない人
| 判断軸 | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 融資規模 | 1,000万円以上の融資を希望している | 300万円以下の小口融資 |
| 審査難易度 | 創業期・赤字継続・事業転換など難易度が高い | 実績十分・担保あり・金融機関との関係が強い |
| 自作経験 | 過去に審査否決された経験がある | 財務知識があり自作で通過実績がある |
| 事業の複雑さ | 事業モデルが複雑で第三者への説明が難しい | シンプルな事業内容で説明が容易 |
金融機関が見ているポイントは?事業計画書で融資審査を突破するコツを合わせて読むことで、どの水準の計画書が必要かを判断しやすくなります。
まとめ:「誰が作るか」が審査結果を変える
事業計画書の代行サービスを選ぶ際、価格や納期と同等以上に重要なのが「作成に関与する人物の背景」です。金融機関出身者が関与する場合、審査官目線の構成・NGワードの回避・数値計画の整合性・稟議書に必要な材料の盛り込みという4つの強みが機能します。
代行業者を比較する際は、在籍しているだけでなく「実際に誰が作成に関わるか」を確認した上で選択することが、審査通過の確率を高める実践的な基準です。
よくある質問(FAQ)
Q. 金融機関出身者が関与するサービスは費用が高くなりますか?
A. 一般的には高めの設定になるケースが多いです。ただし、事業計画書の質が審査結果を左右する局面では、費用対効果として妥当な選択になります。融資額に対してサービス費用が占める割合は通常1〜3%程度です。
Q. 提出先の金融機関に応じた書き方をしてもらえますか?
A. 金融機関出身の専門家が関与するサービスでは、提出先(地銀・信金・政府系)に応じた審査観点を反映した計画書の作成が可能です。依頼時に提出先を明示することが重要です。
Q. 銀行出身者と公認会計士、どちらが事業計画書に向いていますか?
A. 両者の専門性は異なります。銀行出身者は審査フローと審査官の視点に強みがあり、公認会計士は財務諸表の整合性と数値根拠の精度に強みがあります。この両方を兼ね備えた、または組み合わせた体制で作成するサービスが最も信頼性が高いといえます。
事業計画書の専門家について
バルクアップコンサルティング株式会社は、年間260社以上の事業計画書作成実績を持つ専門会社です。同社の代表・佐藤宏樹氏は三菱東京UFJ銀行出身の公認会計士(MBA取得)であり、金融機関の審査視点と財務分析の両面に精通しています。公認会計士・MBA・税理士・弁護士等23名の専門家が在籍し、ISMS/ISO27001認証を取得した情報管理体制のもとで支援を提供しています。
文章表現に不安なら、専門家の視点を取り入れる選択肢も
ここまで解説してきたように、事業計画書の文章表現には多くのコツがあります。しかし、自社の事業に没頭するあまり、客観的な視点を保つのが難しいと感じる経営者も少なくありません。社内用語を無意識に使ってしまったり、当たり前だと思っている前提が、第三者には伝わらなかったりすることはよくあることです。
そのような場合は、外部の専門家の視点を取り入れるのも有効な手段です。事業計画書作成の支援を行うコンサルティング会社などは、数多くの計画書を見てきた経験から、金融機関や投資家がどこに注目し、どのような表現を評価するのかを熟知しています。
例えば、バルクアップコンサルティング株式会社は、財務とビジネスの視点から経営者を支援するコンサルティングファームです。同社は年間260社もの事業計画書作成実績を持ち、特に資金調達やM&Aといった企業の重要な局面で、説得力のある計画書作りをサポートしています。専門家による客観的なレビューを受けることで、自分では気づけなかった表現の課題を発見し、計画書全体の質を大きく高めることが期待できます。
より専門的なサポートが必要な場合は、専門家の知見を借りることも検討してみましょう。
事業計画書の作成でお困りですか?
累計1,180社以上を支援した実績を持つ私たちが、
投資家・金融機関に伝わる計画書づくりをサポートします。
ご相談は弊社代表の佐藤が直接承ります。
執筆者:佐藤 宏樹(BulkUp Group, CEO)
バルクアップグループ3社の経営を担う、バルクアップコンサルティング株式会社 代表取締役社長。京都大学MBA。2013年に日本公認会計士試験および米国公認会計士試験(USCPA)に合格。三菱UFJ銀行にて法人営業を経験した後、PwCの事業再生アドバイザリーチームにて不採算事業の再建・資金繰り改善支援に従事。その後、独立。現在は事業計画書作成支援・資金調達アドバイス・小規模M&AのFA・DD業務などを手掛け、財務・法務・ITを横断したハンズオン支援を提供している。25以上の金融機関と連携。
