スタートアップ成功のカギは事業計画書!

VC・投資家出資

スタートアップ挑戦に不可欠なVC(ベンチャーキャピタル)
目的に合った事業計画書が資金調達のポイント!

これからの日本の産業の新しい成長分野を切り拓くスタートアップ企業。
イノベーションを起こし雇用を創出、日本経済にとって低迷を打破するチャレンジャー「スタートアップ企業」の存在はなくてはならないものです。

今回はスタートアップ創設の意義と、資金調達の際に重要な役割を果たす事業計画書について解説していきます。

   目次

1.スタートアップ企業とは
2.VC(ベンチャーキャピタル)の役割
3.スタートアップ企業の課題
4.スタートアップ企業創設における事業計画書の重要性
5.まとめ

1.スタートアップ企業とは

いわゆるベンチャー企業の中でもスタートアップ企業とは、短期間(数年間)で数千億単位の価値を持つ会社にしたり、世界中にイノベーションを巻き起こすビジネスモデル・技術革新を実現したりする会社のことです。
このため、スタートアップ企業のビジネスモデルには技術系のアイデアを持つ企業が多くなっています。

スタートアップ企業の特徴は以下のようになっています。

 1)目的

スタートアップ企業の目的は、世界規模でのイノベーションを起こし、短期間で投資資金を回収するとともに大きな利益を上げることです。(「イグジット(EXIT)」)

一般的なイグジットの手段としては、以下の手法になります。
(1)IPO(株式公開)
IPOとは(Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)の略で、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることでイグジットを成功させる手法です。
(メリット)
・直接金融市場からの資金調達
・知名度UP
・社会的な信用UP
・優秀な人材の確保  等

  (デメリット)
・上場準備に時間とコストがかかる
・短期的な結果が求められる(維持・向上)
・社員のモチベーション低下
・上場維持コスト/ディスクロージャー対応 等

(2)M&A((合併・買収)
他の事業会社・投資会社に株式や事業を譲渡することでイグジットを成功させる手法です。
  (メリット)
・「のれん」代も加わる株式譲渡益
・事業継続・拡大
・従業員の雇用確保、継続・安定  等
  (デメリット)
・想定価格での譲渡が不確定
・取引先、お客様からの信用低下懸念
・経営権限縮小
・社員モチベーション低下     等

 2)急成長

短期間での急成長を目指すため、成長曲線はいわゆる「Jカーブ」となります。
立ち上げ当初は、商品・サービスの開発や各種ビジネス環境整備のため、かなりの費用がかかります。売上向上・利益確保までの期間にどう資金調達を行うかが課題となります。

 3)イノベーション

新技術革新により、まったく新しいビジネスモデルを創出し、世界的にイノベーションを巻き起こす新しい価値を提供することが、スタートアップ企業のおきな目的です。
顧客満足度の高い、マーケットの要望に応える未知の商品・サービスの提供が必須となります。

 4)資金調達先

スタートアップ企業の目的・手法からいって、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などが主な資金調達先となります。最近では、「株式投資型クラウドファンディング」なども多くなってきています。

 5)組織体制/構成メンバー

短期間での急成長が目的となるので、即戦力なメンバーが組織の主体となります。
集まってきたメンバーに報いるため、ストックオプション等のインセンティブも必要になるでしょう。
また、経営者はそのハイレベルなメンバーのモチベーションを上げ、目的に導くマネジメントスキル・人間的魅力を持つことが必須となります。

コロナやウクライナ危機にみまわれている今、日本経済は低迷し世界的にみても今後の経済・自然環境・生活基盤が不透明となっています。
こんな時期こそ、イノベーションを通じて世界中の人々の生活・雇用・社会環境を変革させられるスタートアップ企業の増加が期待されているといえるでしょう。

2.VC(ベンチャーキャピタル)の役割

次世代の活躍が期待されるスタートアップ(ベンチャー)企業の資金調達を支えるVC(ベンチャーキャピタル)は、高い成長を見込んだ未上場企業(スタートアップ企業)に先行投資しハイリターンを狙った投資会社です。
通常は、ファンド(基金)を作って出資を募り、賛同を得た投資家が出資して対象のスタートアップ企業に投資します。
スタートアップ企業が成長し、IPOやM&A等により高値で株式を売却することによりキャピタルゲイン(売却益)を獲得します。

VC(ベンチャーキャピタル)による資金調達は、銀行融資による借金や国の助成金・補助金などによる支援などと違って、「投資」という形になります。
従って担保提供・返済義務(銀行融資)などはありませんし、国の助成金・補助金などように申請時の複雑で細かな条件もありません。
まさにスタートアップ企業の目的と実態にあった資金調達方法といえましょう。

但し、最近は国の方でもベンチャービジネスについては、日本経済に活力を与え雇用創出や世界にイノベーションをもたらすという意味で、強力に後押しする方向で動いています。
(経済産業省:新規事業・スタートアップ など)
https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/index.html

3.スタートアップ企業の課題

1)スタートアップにチャレンジする人材が少ない

日本ではまだまだ世界にイノベーションを起こすような新しいビジネスにチャレンジする人材が圧倒的に少なく、欧米やアジアとの格差が拡大しています。

 2)ベンチャーキャピタル(VC:資金提供者)がまだ少ない

資金提供者としての金融機関は、保守的でリスクをとらないめ、ベンチャービジネスに対しては積極的な姿勢にないことが多いようです。
これまで説明してきたように、スタートアップ(ベンチャー)企業を強力に後押しする目的であるベンチャーキャピタル(VC)側も、まだまだ技術系ベンチャーの将来性を見極める能力の高い人材が少なく、量・質ともに増加が必要です。

 3)ビジネスモデルがグローバル化に対応できていない

日本国内市場向けのビジネスモデルは多少増えてきていますが、世界市場をターゲットにしたグローバルな技術イノベーションを創出するポテンシャルのあるスタートアップ(ベンチャー)企業はまだまだ少ないのが現状です。

日本のハードウェア系の「Deep Tech(ディープテック)」は世界でも競争力はあるので、大学や専門の研究機関による積極的なベンチャー参加が求められています。

 4)地方発のスタートアップ企業が少ない

IT(通信技術)の発達によって、首都圏と地方のビジネス環境の差は縮小していますが、やはり地方発のスタートアップ企業創設はまだ進んでいません。

 5)行政によるベンチャー企業支援策が不足している

上述のように、これまで政府によるベンチャー支援策はいろいろと実施されてきましたが、まだまだ十分とはいえない状況です。

4.スタートアップ企業創設における事業計画書の重要性

スタートアップ企業(ビジネス)を起業するには、ベンチャーキャピタル(VC)等の資金提供者から資金を調達することが重要な第一歩となります。
「将来成長が見込まれ、必ずキャピタルゲイン(リターン)がある」という評価が絶対不可欠な条件となります。つまり、今後大きく成長が期待できる企業ということをわかりやすく示すことが必要です。
従って、その評価を確固たるものにする事業計画書の作成が一番重要なポイントとなります。

5.まとめ

ここまで説明しましたように、スタートアップ企業(ベンチャービジネス)を起業し成功させるためには、目的に合った精緻な事業計画書の作成が最も重要なポイントとなります。

ベンチャーキャピタル(VC)等出資者向け「事業計画書」の作成作業を短期間に進めていくのは、思った以上に大変な作業となります。当然、複数の人間が携わりますので、スケジュール調整も絶えず行う必要があります。又、スタートアップ企業の起業を目的とした事業計画書の作成はそんなに頻繁にあるものではありませんし、経験が豊富で完璧に書く自信のある人はあまりいないのが実情ではないでしょうか。
そこで、外部の事業計画書作成の専門家(コンサルタント)を活用することも資金調達の早道といえるでしょう。

※スタートアップ等ベンチャービジネスに関する事業計画書の作成及びベンチャービジネスの取り組み全般でお困りの場合は、「事業計画書」作成のプロであるバルクアップコンサルティングがお手伝いします。

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