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ベンチャービジネス成功の第一歩は事業計画書!

創業資金獲得手段としてのベンチャーキャピタル
出資者の期待に応える事業計画書がポイント!

変化の早い時代に対応するため、そして新しい時代を築くために必要とされているベンチャー企業(ベンチャービジネス)。
世の中のニーズをいち早く掴み、ニッチで成熟していない分野や未知の分野を切り開いてゆく「起業」や「新事業」は閉塞感のある日本経済にとって今や必要不可欠なビジネスとなっています。

今回はベンチャー企業(ベンチャービジネス)の概要とその際に必須となる資金調達に重要な役割を果たす事業計画書について解説していきます。

        目次
1.ベンチャー企業(ベンチャービジネス)の概要
2.ベンチャー企業とスタートアップ企業の違い
3.日本のベンチャー企業(ビジネス)の課題
4.ベンチャービジネス(起業)における事業計画書の重要性
5.まとめ

1.ベンチャー企業(ベンチャービジネス)の概要

「ベンチャー企業」についての明確な定義はありませんが、経済産業省では「ベンチャー」の意味を以下のように定義しています。

「ベンチャーとは、新しく事業を起こす「起業」に加えて、既存の企業であっても新たな事業へ果敢に挑戦することを包含する概念である。
ベンチャーは、産業における新成長分野を切り拓く存在であり、雇用とイノベーションを社会にもたらす、経済活力のエンジンである。」
(出典:経済産業省 「平成26年 ベンチャー有識者会議」)

そして、一般的に「ベンチャー企業」とは次のような特徴を持った企業をいいます。
・創立してからの年数が短い
・会社の規模(売上高、従業員数 等)がまだ発展途上
・既存の大企業にはない新しい事業、ニッチな事業を行っている
・資金は、投資会社(いわゆる「ベンチャーキャピタル」や「ファンド」等)から調達している

ただ、既存の大企業といわれて比較される企業も、もとはといえばベンチャー企業だった例が多いので、未来の大企業となる可能性を秘めた企業群ともいえます。

(ベンチャー企業の必要性について)

 1)産業の新成長分野の開拓者(新事業発見)の役割

(健康分野)-健康増進・疾病予防、生活支援サービス、医薬品・医療機器 等
(環境保護・クリーンエネルギー分野)-クリーン発電、蓄電池、燃料電池、次世代デバイス 等
(IT分野)-「DⅩ(Digital Transformation)による製造業・農林水産業の革新 等

 2)雇用創出の役割

いわゆる大企業(成熟した企業)での雇用削減の動きが顕著になっています。
今まさにベンチャー企業による新規雇用創出への期待が膨らんできているといえるでしょう。
※アメリカでのスタートアップ企業の新規雇用創出割合は50%となっています。
(1980-2010の年平均)

 3)イノベーション創出の役割

新技術、ビジネスモデル等のイノベーションの多くがベンチャー企業から生まれてきています

 4)日本経済発展に寄与

新事業創出の相乗効果により日本経済全体が活性化、発展します

2.ベンチャー企業とスタートアップ企業の違い

広義ではスタートアップ企業もベンチャー企業に分類されますが、スタートアップ企業は全く新しいビジネスモデルを創出するところに違いがあります。
(ベンチャー企業は既存のビジネスモデルを利用して、新しいサービスを付加する形態も多くみられます)
又、スタートアップ企業は創業からの期間が数年(2~3年程度)という企業を指すことが多いです。

さらに、広義のベンチャー企業は企業規模的には、「中小企業」に分類されることが多いので、法人税率の軽減や国からの各種中小企業向け政策(補助金・助成金・給付金)を受けられるなどの利点があります。

3.日本のベンチャー企業(ビジネス)の課題

1)ベンチャービジネス起業にチャレンジする人材が少ない

やはり、日本ではまだまだ新しいビジネスを起こす(起業)ことにチャレンジする人材が圧倒的に少ないようです。このままでは、欧米やアジアのベンチャー・新興産業との格差が拡大する恐れがあります。

 2)ベンチャーキャピタル(VC:資金提供者)がまだ少ない

今まで主な資金提供者であった金融機関は、リスクをとらない政策を長く行ってきたため、ベンチャービジネスに対しては積極的な姿勢にないことが多いようです。
但し、直近10年間の国内VC投資額は増加してきていて、2021年度は過去最高のVC投資額となっています。しかし、まだまだ世界と比較すると周回遅れの感は否めません。
※2021年度VC投資額:アメリカ36兆円、中国14兆円、日本8000億円程度)
(出典:内閣府「スタートアップ・エコシステムの現状と課題」2022.2.21)

又、ベンチャーキャピタル(VC)側もまだまだ技術系ベンチャーの将来性を見極める能力の高い人材が少なく、量・質ともに増加が必要です。
今現在では、アメリカ・中国・韓国に比べてかなり劣っているといえるでしょう。

 3)ビジネスモデルがグローバル化に対応できていない

日本国内市場ではある程度ベンチャー企業がでてきていますが、そのビジネスモデルはあくまで国内向けが多い現状です。世界市場をターゲットにしたグローバルなビジネスモデルを創出できる人材の輩出が急務となっています。

 4)ベンチャー企業と大企業の連携がうまくいっていない

一部の企業を除いて日本の大企業はいまだに自前主義・保守的な考えが抜け切れていません。豊富な経営資源を活かした社内ベンチャー・「カーブアウト」(企業が自社事業の一部門を切り出し、新たにベンチャー企業を立ち上げて独立させること)の創出が望まれています。

 5)技術イノベーションを伴うベンチャー企業が少ない

技術イノベーションを伴うベンチャー(研究開発型スタートアップ)は、事業リスクが高くビジネスが開始されたとしても軌道にのるまでにかなり時間がかかります。
投資家に対して事業内容を正確に説明することが難しく、丁寧に自社の事業を伝えることが重要となります。

日本のハードウェア系の「Deep Tech(ディープテック):テクノロジーを使い、根深い課題を解決していく考え方、もしくはその活動」は大変魅力的であり、機械・材料では世界のトップレベルといわれています。このポテンシャルをどう活かすかは、今後のベンチャー企業が担っている課題といえるでしょう。
従って、大学や専門の研究機関による積極的なベンチャー参加が求められています。

 6)地方発のベンチャー企業が少ない

IT(通信技術)の発達によって、首都圏と地方のビジネス環境の差は縮小していますが、やはり地方発のベンチャー企業創設はまだ進んでいません。

 7)行政によるベンチャー企業支援策が不足している

これまで政府によるベンチャー支援策はいろいろと実施されてきましたが、まだまだ十分とはいえない状況です。(経済産業省:「ベンチャー企業向け支援情報」など)

例えば、経済産業省では令和2年度税制改正において、「オープンイノベーション促進税制」を創設しました。
これは、国内の事業会社またはその国内CVC(Corporate Venture Capital:事業会社が自己資金でファンドを組成し、主に未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資や支援を行う活動組織のこと)が、スタートアップ企業とのオープンイノベーションに向け、スタートアップ企業の新規発行株式を一定額以上取得する場合、その株式の取得価額の25%が所得控除される制度です。(期間:令和2年4月1日から令和4年3月31日まで)

この制度は令和4年3月31日に終了の予定でしたが、令和4年度税制改正において、対象の拡充を行ったうえで、令和4年4月1日から令和6年3月31日まで制度を延長することとなりました。

このような行政による政策は今後も拡充していく必要があります。

4.ベンチャービジネス(起業)における事業計画書の重要性

ベンチャービジネスを起業するには、ベンチャーキャピタル(VC)等の資金提供者から資金を調達することが重要な第一歩となります。
資金提供者側とすれば、「将来成長が見込まれ、必ずリターンがある」という評価が絶対不可欠な条件となります。つまり、今後大きく成長が期待できる企業ということをわかりやすく示すことが必要です。
そして、どのような資金調達方法を選択しても、事業計画書の作成は必須となります。

事業計画書は、当然会社の経営理念・ビジョン・成長性・独自性・事業推進計画・数値目標(売上/収益見込)・各組織体制/目標などを文章化・可視化したものです。

基本的な事業計画書の作成については、当ブログ内にいろいろな記事がありますので、そちらを参照してください。
ここではベンチャー企業(ビジネス)として事業計画書を作成する際の留意点をあげてみたいと思います。

 1)成長性(将来性)重視

・既存会社の事業計画書では過去の実績をもとにした数値がありますが、ベンチャー企業にはありません。従って、対象事業が将来どれだけ可能性があり、成功時のリターンがどれだけ見込まれるかを示す必要があります。
・VC、ファンドによっては重視ポイントが違う場合があるので、それぞれに合わせた事業計画書が必要になります。

 2)独自性重視

・ある事業分野で革新的なイノベーションを起こそうとするわけですから、その事業の独自性(世界に与えるインパクト、提供サービスのオリジナリティ、同業他社との競争力等)を強調する必要があります。

 3)市場ニーズ重視

・目指すビジネスモデルが現在及び将来の市場ニーズに合っていなければ、合理的な納得性は得られません。市場ニーズの裏付けを明確にする必要があります。

5.まとめ

ここまで説明しましたように、ベンチャービジネスを起業し成功させるためには、目的に合った精緻な事業計画書の作成が最も重要なポイントとなります。

VC等出資者向け「事業計画書」の作成作業を短期間に進めていくのは、思った以上に大変な作業となります。当然、複数の人間が携わりますので、スケジュール調整も絶えず行う必要があります。又、ベンチャービジネス(起業)を目的とした事業計画書の作成はそんなに頻繁にあるものではありませんし、経験が豊富で完璧に書く自信のある人はあまりいないのが実情ではないでしょうか。
そこで、外部の事業計画書作成の専門家(コンサルタント)を活用することも資金調達の早道といえるでしょう。

※ベンチャービジネスに関する事業計画書の作成及びに対すベンチャービジネスの取り組み全般でお困りの場合は、「事業計画書」作成のプロであるバルクアップコンサルティングがお手伝いします。

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