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資金調達には信頼ある事業計画書が必須!

既存企業もスタートアップ企業も資金調達がカギ
事業計画書の優劣が成否を分ける!

コロナ禍・ウクライナ危機・ビジネスモデルの急激な変化などにより、事業環境の悪化した企業が増えてきています。
現状を打開し今後の不透明な経済環境を乗り越えていくには、事業再編・新事業展開・業種転換・設備導入等にチャレンジするとともに、それを実現する資金調達が重要なポイントとなります。
今回は資金調達方法の種類(とくに「出資」ついて)及びその際に重要な役割を果たす事業計画書について解説していきます。

目次
1.資金調達方法の種類について
2.「融資」と「出資」の違い
3.事業計画書の役割
4.まとめ

1.資金調達方法の種類について

資金調達方法はいろいろとありますが、一般的な種類は以下のとおりです。

融資 銀行融資(プロパー貸) 銀行からの直接借入(保証なし)
信用保証協会の保証付融資 各種金融機関からの信用保証協会保証付借入
政府系金融機関からの借入 日本政策金融公庫など
地方自治体の制度融資 地方自治体独自の企業融資
ノンバンクのローン 消費者金融等からのビジネスローン
出資 他企業 外部企業との提携、株式一部譲渡など
VC(ベンチャーキャピタル) VC=投資会社からの出資
エンジェル投資家 個人投資家による出資
クラウドファンディング インターネットなどを通じた資金調達
その他 公的機関の補助金・助成金・支援金 国、地方自治体の制度

資金調達を実際にすすめるにあたっては、各資金調達方法の目的・メリット・デメリットを理解のうえ決定していくことが必要です。

2.「融資」と「出資」の違い

 1)融資とは

金融機関に融資申し込みをし、借入をおこなうことです。
一般的な融資の種類は以下のとおりです。

(1) 銀行融資(プロパー貸)
銀行融資(プロパー貸)とは、銀行など市中金融機関が独自に審査(調査)し貸出を実行することです。
定量評価(財務状況―財務諸表(決算書・試算表・資金繰り表・借入一覧表 等)による評価)と定性評価(経営者の能力・人間性、市場の将来性、実現性のある事業計画(事業の健全性)などによる評価)の二つを中心に様々な観点から審査し、融資を実行するか判断します。
金利は低めですが、対象企業ごとに信用リスクを算定して決定されます。
従って、審査が厳しく審査日数もかなりかかるのが通常です。ベンチャー企業やスタートアップ企業には難しい面もあるでしょう。

(2)信用保証協会の保証付融資
信用保証協会の保証を受けて、銀行から融資を受けるものです。
保証料の支払いが必要というマイナス面はありますが、万一返済が滞ったり不能となったとしても保証協会が代弁してくれるため、銀行も貸しやすくなります。
銀行融資(プロパー貸)よりも審査のハードルは下がりますので、利用しやすいでしょう。金利も、ノンバンクなどよりは低めになります。

(3)政府系金融機関からの借入
政府系金融機関(日本政策金融公庫、国際協力銀行、沖縄振興開発金融公庫、日本政策投融資銀行、商工組合中央金庫)から融資を受けるものです。
とくに日本政策金融公庫は、一般の金融機関の融資を補完することを主な目的とする政府系金融機関です。従って、利用企業のほとんどは銀行等との融資とともに日本政策金融公庫からの融資も受けていることが多いです。

(4)地方自治体の制度融資
各都道府県や市区町村から融資を受けることです。「制度融資」ともいいます。
各自治体が主体となり、銀行等金融機関と連携して信用保証協会からの保証を受けて融資を行うものです。
地元企業の支援が大きな目的のため審査自体の難易度は低いので、民間の金融機関からの融資は難しい企業でも借りやすい制度となっています。

(5)ノンバンクのローン
ノンバンク(消費者金融など)のビジネスローンで、各種銀行や政府系金融機関などに比べて審査のハードルは低いので融資を受けやすいものとなっています。但し、やはり金利が高いのが難点です。

 2)出資とは

「出資」は、投資家に自社の株式を購入してもらうことによる資金調達方法で「エクイティ・ファイナンス」ともいわれます。
出資を受ける企業は、返済する必要のない資金を調達できる代わりに、期待に応えるだけの利益を産み出していく義務があります。
投資家(出資元)の種類としては、主に以下の4つがあります。

(1)他企業
提案する事業計画案に賛同してくれる外部の他企業と提携して株を購入してもらったり、株式の一部譲渡をしたりして資金調達を行います。
出資企業の調査・選択は困難ですが、事業ノウハウの享受や人的交流が活発になることが多いです。
デメリットとして、経営権を奪われたり絶えず経営に干渉される恐れがあります。

(2)ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタル(VC)は、高い成長率が期待される未上場企業(ベンチャー企業、スタートアップ企業等)等に対して将来的なハイリターンを狙った投資会社のことです。
ファンド(基金)を作って出資を募り、賛同を得た他の投資家が出資する場合は数億円以上の出資となることもあります。
ベンチャーキャピタル(VC)は、対象企業が上場したりM&Aされたりした時に、持ち株を売却することで莫大な利益を得ることを目指しています。
デメリットとして、やはり経営に過度に干渉される恐れがあります。

(3)個人投資家(エンジェル投資家)
ベンチャーキャピタル(VC)同様に、将来性があり高い成長率が期待される企業に投資することで利益を得ることを目的とした個人投資家のことです。
個人投資家なので、利益追求一辺倒ではなく、社会貢献事業や自分で将来有望と認めた起業家に投資するといった面もあります。
個人なので意思決定が早く、資金調達がスピーディに行えるという利点があります。
デメリットとして、やはり経営権を奪われたり絶えず経営に干渉される恐れがあります。

(4)クラウドファンディング
最近注目されている資金調達方法で、インターネットなどを通じて事業企画や商品企画などを広くオープンにし、賛同を得た不特定多数の人達から少額の資金提供を受けるものです。目標額を達成した時点で起業・企画の実施を行います。
自己資金が乏しい・金融機関等から借入をできないといった人たちでも、多額の資金を集めることができることが利点といえます。
購入型・寄付型・金融型(融資型、投資型)などの方法があります。
資金が集まらない場合は計画が実行できなかったり、計画や商品企画をオープンにしますので、アイデアを横取りされたりするデメリットがあります。

以上が「出資」の種類ですが、「出資」のメリット・デメリットは以下のとおりです。

(「出資」のメリット)

①返済の義務がない
返済資金の資金繰りを考える必要がありません。
②自己資本比率が向上し、対外的信用度が上がる
出資による資金調達なので自己資本額が増加し、自己資本比率が向上します。
金融機関や取引先などからの信用度が上がります。

(「出資」のデメリット)

①経営権を奪われる恐れがある
出資比率(自社株の保有比率)が変動して、比率によっては子会社になったりして独自の経営ができなくなる恐れがあります。
②配当金負担が増える
投資家は当然、銀行融資などの貸付利息よりも大きい配当金を期待します。
期待に応えるために、融資による支払い利息よりも多額の支払いをすることになります。又、税制面でも利息の支払いとは違い損金算入はできないので不利といえます。
③融資に比べ、時間と費用がかかる
上述のように、出資を受けるためには複雑で多様な手続きが必要です。
それに伴い、費用面でも多くかかることが多いです。

※企業の事業リスク(将来の)が不透明な場合、融資を受けることが難しいケースが多いと思われます。この場合、事業失敗時に全リスクを負わず、返済の必要のない「出資」という資金調達方法が得策といえます。
一方で企業の事業リスクが低いことが想定される場合は、融資による資金調達が適しているといえるでしょう。

3.事業計画書の役割

融資にしろ出資にしろ貸し手側とすれば、「利息をつけて返済できる」「将来成長が見込まれ、必ずリターンがある」という評価をした企業です。つまり、今後大きく成長が期待できる企業ということです。
そして、どのような資金調達方法を選択しても、事業計画書の作成は必須となります。

事業計画書とは、「会社の経営理念・事業方針を明確にし、今後の事業推進計画・数値目標(収益見込)・各組織及び各個人のやるべきこと等を可視化し、社内及び社外に説明するための書類」です。

つまり、「事業計画書」には未来の事業方向性・業績予測(収益見込)が描かれています。貸し手側としても、貸出金回収・キャピタルゲイン・インカムゲイン等の目論見と対象会社育成の使命があります。まさに資金調達の決め手は「実現性のある事業計画書」にあるといえるでしょう。

(事業計画書を作成するメリット)

1)自社の今後の方向性を明確なものにし、強み・弱み・課題等を含めて客観的に具体的に可視化して社内共有することができます。
2)会社・経営者の考えが社内統一され、社員は迷うことなく事業を推進できます。
特に幹部社員を事業計画作成時に参加させることにより、当事者意識・責任感が強くなります。又、その後の事業遂行時での意欲が違ってきます。
3)事業計画書作成を経験することで、経営者・幹部社員の能力レベル(スキル)がUPします。
事業計画書を作成する為には、以下のことを確認・調査・分析しわかりやすくまとめなければなりません。
・会社のビジョン、理念、目的
・自社の業務内容(あらためて見直す)
・自社製品(サービス)の強み、弱み
・経営資源(人材)
・顧客(販売ターゲット)、顧客に求められていること
・目標は(今どこに向かっているのか)
・社内体制/各事業・部門の責任者は明確か
・課題及び課題解決の進捗状況
・具合的な業務計画(スケジュール)/損益計画/返済計画の立案と進行状況把握
など

このような作業を通して、経営者・幹部社員ひいては全社員の能力レベル(スキル)がUPします。
4)問題解決力がつきます。
不測の事態・難問が出てきても、事業計画書を経営者・幹部をはじめ社員全員で理解していれば、裏付けのある問題解決案が出やすくなります。

4.まとめ

ここまで説明しましたように、新型コロナ感染拡大・ウクライナ危機等さまざまな社会的背景により経営が厳しくなった企業の資金調達方法にはいくつかの方法があります。
そして、どの資金調達方法を選択するにしても、「事業計画書」の内容をいかに充実させるかが最も重要なポイントとなります。

「事業計画書」作成作業を短期間に進めていくのは、思った以上に大変な作業となります。当然、複数の人間が携わりますので、スケジュール調整も絶えず行う必要があります。又、事業計画書の作成はそんなに頻繁にあるものではありませんし、経験が豊富で完璧に書く自信のある人はあまりいないのが実情ではないでしょうか。
外部の事業計画書作成の専門家(コンサルタント)の活用が資金調達の早道といえるでしょう。

※銀行融資・各種出資及び補助金・助成金・支援金申請全般でお困りの場合は、「事業計画書」作成のプロであるバルクアップコンサルティングがお手伝いします。
以上

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