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外食産業、再生に向けての新戦略は事業計画書で!

想定を超えた逆風の吹く外食産業。新戦略が喫緊の課題。

事業計画書で銀行融資・助成金申請を優位に活用!

 

働き方改革・新型コロナウィルス感染症の拡大に加え、デリバリーサービスや社会全般におけるデジタル化の進展により、サラリーマンや自営業者含めて国民全体で外食を控える動きが加速しています。
特にファミリー向けレストラン・パブ・居酒屋などの店舗型ビジネスの飲食店は経営状況が非常に悪化してきています。お店のやり方を時代にあわせようとしても、どうしていいかわからず途方に暮れている飲食店も多いと思います。
では、どうしたらいいのか!
お店のやり方(事業構造)をどう変えていけばいいのか、そして、資金面での解決を図るための助成金制度について解説していきます。

(目次)
1.外食産業の構造的な変動
2.新たな時代の消費者満足の追求
3.事業再構築補助金の活用
4.飲食店における事業計画書作成のノウハウ
5.まとめ

1.外食産業の構造的な変動

働き方改革による通勤を伴わない勤務が推奨され、さらに新型コロナウィルス感染症の拡大によるリモートワークが日常の勤務形態となった現在、一番影響を受けているのが外食産業です。

生涯未婚率は男25.7%・女16・4%となり(2020年国勢調査確定報より)、国勢調査始まって以来の過去最高となっています。さらに少子高齢化も劇的に進んでいるので、当然のことながら一人世帯が増加しています。
かつては大きく賑わっていたファミリー向けレストラン等は大きく売上額を減らしています。

また、若者の宴会離れ・飲みニケーション離れや新型コロナウィルス感染症対策により、パブ・居酒屋については7割以上も売上額が減少し、もはや通常の経営努力だけでは対応できないレベルとなっています。
まさに外食産業の構造的な変動が起きているといえるでしょう。

※2021年の外食売上高はコロナ前の2019年比で83.2%(△16.8%)となっています。特に業態間の差が大きく、「ファミリーレストラン」は2019年比で70.3%(△29.7%)、「パブレストラン・居酒屋」は同27.2%(△72.8%)と大きく差が出てきています。
(出典:「外食産業市場動向調査」日本フードサービス協会(東京・港区))

2.新たな時代の消費者満足の追求

このような想定を超えた逆風下の中でも、一つの方向性を表す現象として「食の外部化」の加速があります。高齢化の進展・少子化・核家族化・単身世帯・夫婦のみ世帯の増加というような世帯構造の変化が、「外で食べる」「買ってきて食べる」「食事を届けてもらう」という消費者行動を促してきているのです。
早くからシステムのデジタル化やデリバリー化(宅配化)体制を進め、メニューの見直し(夜型メニューの開発など)を進めた外食大手などは、この逆風下でも増収増益を実現しています。

このような消費者行動を満足させる、「時間と空間に縛られない新たなビジネスモデル」を実現することが、今後の外食産業・飲食店の再生戦略であり、思い切った事業構造転換の機会であるといえるでしょう。(店舗依存ビジネスのリスクからの脱却)

3.事業再構築補助金の活用

その事業構造転換の機会を資金面で支えていこうとするのが、従来からの銀行融資や経済産業省・中小企業庁が実施している「事業再構築補助金」等の公的な中堅・中小企業向け補助金制度です。
なかでも、補助金額の多い「事業再構築補助金」は、飲食店等の中小企業・中堅企業が事業再構築つまり企業体質を根本的に強化し、今後長期的に外的変化に耐えうる日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
この補助金制度をどううまく利用するかが飲食店再生のカギといえるでしょう。

ー事業再構築補助金:飲食店におけるメリットとデメリットー
(メリット)

 1)補助金は返済不要

事業再構築補助金は国から支給される資金なので、当然ながら返済不要です。承認されて予定通り事業を完了させれば確実に支給されるお金です。銀行融資と違い、返済の負担が増えることはありません。

  2)設備投資の費用も補助してもらえる

事業再構築に必要と思われる設備投資(経費)の2/3を補助してもらえます。
手元資金に余裕のない場合や、失敗リスクが不安な場合にはとても助かります。

  3)緊急事態宣言特別枠が適用される

令和3年の緊急事態宣言により深刻な影響を受けて、早期の事業再構築が必要な飲食店については、補助率の高い「緊急事態宣言特別枠」が適用されます。
通常枠よりも迅速に審査・採択が行われ、この「特別枠」で不採択となったとしても、加点のうえ「通常枠」で再審査されます。

  4)自社の事業計画が明確になる

事業再構築補助金申請時には事業計画書の作成が必須となります。
この事業計画書を作成することによって、あらためて自社の今後の方向性を明確なものにし、強み・弱み・課題を可視化して社内共有することができます。

  5)事業再構築補助金申請により、今後も新戦略展開にチャレンジが可能

この事業再構築補助金申請から補助金支給にいたるまでの過程において、金融機関・コンサルタント等の強いサポートが得られます。これら専門家の強いサポートにより、今後も新たな新戦略展開を進める場合には、自信をもってチャレンジすることができるでしょう。

 

(デメリット)

  1)申請書類の作成に時間がかかる

やはり国の機関に対する申請書なので、それなりに複雑・煩雑です。補助金の目的に合った内容であることを明確に示さなければならないのでかなり労力と時間がかかります。

  2)補助金は後払い(経費は先に自分で払う)

全般的に補助金の支払いは後払いとなっています。資金に余裕がない場合は、短期的に金融機関などから融資等で資金調達をすることが必須となります。

  3)申請が採択されなかった場合、労力と時間が無駄になる

当然ですが、採択されなかった場合は、申請関連で費やした労力と時間が無駄になってしまいます。もちろん、新たに策定した事業計画は今後の会社にとっては非常に大事な柱となりますので、全く無駄ということはありませんが、短期的にはやはり遠回りすることになるでしょう。
このように、事業再構築補助金の申請には、メリットとデメリットがありますので、今重要なポイントはどちらにあるのかを十分に検討する必要があります。

4.飲食店における事業計画書作成のノウハウ

  1)事業計画書作成の目的を再確認する

事業計画書本来の目的である「会社の経営理念(ビジョン/ポリシー)・事業内容・事業方針及び経営戦略を明確にし、今後の事業推進計画・数値目標(売上、損益予想等)・各組織及び各個人のやるべきこと等を可視化し、社内に周知すること。そして社外に認知してもらうこと」について再度確認が必要です。
さらに、銀行融資にしろ事業再構築補助金にしろ、資金の出し手側からみた重要ポイント(実現性の高い内容か、助成金制度の目的に合っているか)を織り込むことが必須となります。

  2)事業計画書の見直しは経営者自身が行うこと

当然のことながら、会社事業の策定・計画・実施・目標達成チェックの責任者は経営者になります。経営者の心血を注いで作成した「事業計画書」は、何よりもこの困難を乗り越え、事業継続を実現し、ポストコロナ・ウィズコロナ時代を生き抜いていく大きな指針となるからです。

  3)飲食店特有の情報・イメージを明確に伝える

特に飲食店の事業計画なので、提出先にはお店のイメージや料理等をビジュアル的にわかりやすく書く必要があります。(文字だけではどうしてもわかりにくいので)
又、前述のように、かつてとは違って社会環境やお客様のニーズも大きく変化してきています。ターゲットとなる客層の変化や料理のジャンル・提供の仕方なども時代に合わせて、再度検討することが必要です。

  4)「事業再構築補助金」の採択事例を参考にする

この補助金については、すでに採択された会社や飲食店の事業計画書の事例が以下のページから参照できますので、参考にしてください。自分が資金提供者だったらどう感じるかという視点がポイントになります。
(中小企業庁:「事業再構築補助金」採択事例)
URL:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/cases.php

5.まとめ

ここまで説明しましたように、新型コロナ感染拡大等さまざまな社会的背景により経営が厳しくなった飲食店が、新事業(分野)展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編等への取り組み等、事業再生に本気で挑戦するためには、将来ビジョンの確立とともに資金調達が成否の分かれ目となります。
銀行融資にしろ「事業再構築補助金」等公的資金援助制度にしろ、申請を有利に進めるためには、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応し新再生戦略を盛り込んだ、信頼ある「事業計画書」の作成が絶対条件になります。

※銀行融資及び各種補助金・助成金・支援金申請全般でお困りの場合は、「事業計画書」作成のプロであるバルクアップコンサルティングがお手伝いします。

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