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事業計画書の基礎知識

事業計画書とは

事業計画書とは、新規事業を行うにあたって必要不可欠なものです。そこで今回は事業計画書について説明します。わかりやすく説明しますのて参考にしてください。

事業計画を綿密化するためのツール

新規事業の参入を決断した時点で、事業化に向けた分析や問題点の洗い出し、さらにはある程度の目的·計画の策定はできているでしょう。

新規事業参入に当たっては、これらの事項をより具体的かつ体系的に検討・整理し、「事業計画書」としてまとめる必要があります。中には「経営者や事業担当者の頭には詳細な計画があるので十分」と考える人がいるかもしれません。

しかし、新規事業は知見が少ないテーマ・分野への参入であり、リスクが高くなりやすいです。事業計画の整合性・妥当性や検討すべき事項の漏れがないかといった、第三者を交えた確認が欠かせないでしょう。そのためには、事業計画書を作成することが不可欠です。事業計画書により、目指すべき目標の妥当性を見極め、目標を達成するためにすべきことを明確にできるからです。

また、新規事業参入後には、事業計画書を基に事前の構想と実際に起きている事態との比較ができるため、新規事業の進捗状況などの現状確認、 さらには計画の変更を含めた施策の改善などもしやすくなります。

何を記載するのか

事業計画書に盛り込む内容は、おおむね次のような内容となります。

  1. 新規事業の概要(製品やサービスの機能、価格、名称、開拓する市場など)
  2. 新規事業の目標(「X 年後までに年商Y億円」「市場シェアZ %」など)
  3. 新規事業の可能性に関する資料(市場規模、業界動向など)
  4. 事業収支計画(損益計算書、キャッシュフロー計算書など)
  5. 具体的な事業推進の工程や体制 (いつ、どこで、誰が、どのように、何を行うか)
  6. 想定リスク

ただし、書籍やインターネットで公開されている 「ひな形」をみると、実際に記載する項目はひな形ごとに異なります。必ずしも「この項目について記載しなければならない」という決まりはありません。

また、参入する新規事業によって重視して記載すべき項目や、記載が必要な項目なども異なるでしょう。

例えば、既存事業と全く関連しない異分野での新規事業と、既存事業と強く関連する分野での新規事業に参入する場合、前者は詳細な項目について記載すべきですし、各項目の内容も綿密に検討しなければなりません。後者の場合、場合によっては簡単な記述で済む項目や、項目自体を省略して構わない場合もあるでしょう。

「事業戦略」 検討・記載のポイント

事業戦略を検討します。記載するにあたっていくつかのポイントがあります。それぞれのポイントについてみていきましょう。

フレームワークを利用する

「PEST分析」「SWOT分析折」「3C分析」「マーケティングの4P 」 「ポジションマップ」といった経営戦略などに関するフレームワークを皆さんはご存知でしょうか。

事業戦略を検討・記載するときには、こうしたフレームワークを積極的に活用するのが良いでしょう。

事業戦略について検討・記載すべき事項は多岐に渡りますが、重要事項を網羅的に整理したフレームワークに沿って行うことで、検討事項の漏れを防ぎ、妥当性の高い事業戦略とすることができるからです。また、フレームワークの概要や、その意味合いは多くの人が知っています。そのため、事業戦略を含む事業計画の内容について、社内外の人たちの理解や信頼を得やすくなるといった効果も期待できます。

KSF(KEY SUCCESS FACTOR:重要成功要因)を意識した事業戦略とする

KSFとは、製品開発力、デザイン力、販売力など事業を成功させるための鍵となる重要な要因です。KSFは「当該事業を遂行する上で必要となる要因」 と「競合他社との差異化を生み出す自社の事業固有の要因」に大別できます。

前者は事業遂行上、最低限必要となる要因、後者は厳しい市場で勝ち残っていくために必要となる要因で、いずれも策定した事業計画を実現するためには不可欠です。

事業成功の鍵を握るKSFは経営資源を優先的に配分して、確実に維持できるよう、常に注意を払いながら事業戦略を含む事業計画に反映させる必要があります。

「事業収支計画」検討・策定のポイント

「事業収支計画」検討・策定のポイントは、現実性のある数値で示すことです。経営者や事業担当者といった関係者は、新規事業に対して熱い思いを抱いています。その場合に陥りがちなのが、事業の可能性を過大評価しがちであるという問題です。この間題は事業計画全般に影響を与えるもので、特に金額などの数値で示される事業収支計画に影響が顕著に表れやすいです。

例えば、実現性が疑われる過大な売り上げを見込んでいたり、費用を過小に計上していたりするケースは珍しくありません。この問題を防ぐには、数値の算出根拠や前提条件を明確にし、 その妥当性を複数の視点から検討することが大切です。

例えば、売上高であれば、算出方法にはさまざまな方法があります。

  1. 積み上げ式で算出する方法
    「客単価×1日当たり来店客数×営業日数」といったように、小さな数値を積み上げて売上高を算出する。
  2. 分解式で算出する方法
    「想定市場規模×想定市場シェア」といったように、大きな数値を分解して売上高を算出する。
  3. 競合他社と比較しながら算出する方法
    同業種・同規模の競合他社の売上高を参考に売上高を算出する。
  4. 統計資料などを基に算出する方法
    調査対象企業の1 企業当たり平均売上高など、統計資料などで公表されている数値を参考に売上高を算出する。

こうした複数の方法で売上高を算出することで、金額の妥当性を確認しつつ事業収支計画に盛り込むとよいでしょう。

また、費用は、実額や実額に近い金額を算出することが大切です。例えば、設備投資額など、外部から購入予定のものは、見積もりを取るなどして実額を把握するとよいです。

「想定リスク・対策」検討・記載のポイント

「想定リスク・対策」検討・記載のポイントは、リスクの洗い出し、さらにはリスクが顕在化した場合の影響を適切に評価することにあります。前述した新規事業に対して熱い思いがあると、 新規事業に対してプラスの要因は過大評価する一方で、リスクのようなマイナス要因を軽視してしまう傾向があります。

しかし、実際には、製品開発の失敗、販売不振、原材料の高騰、 代替製品,サービスの登場など新規事業にはさまざまなリスクがありで、むしろ事業計画書通りに進まないほうが一般的といってよいでしょう。こうしたリスクに負けることなく新規事業を成功に導くためには、新規事業に潜むリスクを把握し、事前、事後の対策を講じることが欠かせません。

なお、高いリスクがある場合、事業収支計画を中心に「リスクが顕在化した場合・顕在化しない場合」など、いくつかのシナリオを用意して、それらに基づく複数の事業収支計画を策定するのが望ましいでしょう。

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