ブログ

海外進出する際の駐在員の人選(後半)

前半はこちら

①本人のモチベーション、②現地の平均年齢が低いこと、③後継者育成の3つの観点から見ると若手に任せることにむしろ優位性があると言えます。

業種や地域にもよりますが、中小企業の平均年齢は高くなりがちです。すなわち、少し乱暴な言い方をすると、若手目線では上が詰まっていてなかなかチャンスが回ってこないということになります。向上心のある若手にとっては、海外駐在且つ責任者という立場はこの上ないチャンスとなり、高いモチベーションが期待できます。また、独身であれば身軽ですし、ご家族がいらっしゃる場合でも駐在に同行してくれることが多いため、家族のサポートも受けやすいでしょう。

現地国を視察に行かれた際に初めに気付かれることかと思いますが、現地で活躍されている方は現地スタッフも日本人駐在員も含めかなり若いです。現地スタッフの平均年齢が20代という日系企業もかなりあります。大手日系企業や会計事務所、弁護士事務所の駐在員も28~35歳くらいの方が多いです。現地スタッフとうまく調和が取れるか、また、他の日本人駐在員との横の繋がりをうまく作れるかは駐在員生活成功のカギとなります。この意味において、若さはハンデになるどころか、新興国においては大きな強みとなります。

また後継者育成の観点からもメリットがあります。前述のとおり日本本社においてはなかなか若手に責任のあるポジションを渡せない状況があると思います。その若手によっぽど飛び抜けたものが無い限り、序列を無視して抜擢人事をするというのは勇気のいることです。しかし、次の世代が30代中盤になってもプロジェクトや組織のマネージメント経験がないという事は10年20年単位でみると大きなリスクです。現ベテランたちがやりたがらない新興国への赴任は次世代に責任を与え、育成する格好の機会となります。実際にファミリー企業の場合、ご子息を派遣されることがよくあります。

この様に大きなメリットがあるといえる若手の駐在員派遣ですが、十分なバックアップ体制を敷く必要があります。
定期的な経営幹部の出張訪問、本社での財務管理、日系会計事務所との顧問契約は必須です。

本社での財務管理は、メガバンクであれば現地法人の資金管理を日本本社からネットバンキングで行えるシステムがあります。

また、会計事務所は日系である必要はなく顧問契約も必要ないという考え方もありますが、どれだけ英語対応できる方であっても何かしらのアクシデントでひっ迫した状況を想定すると日本語対応できる日系会計事務所の方が良いでしょう。日本本社から直接日本語で会計事務所に問合せでき管理しやすいという点においても同様です。加えて、日系会計事務所は顧問契約締結先を対象に定期的に駐在員向けセミナーや懇親会を開催しています。この様な場が駐在員間のネットワーク作りのきっかけとなります。通常、顧問契約料は3万円/月~5万円/月が相場です。この金額が現地スタッフを追加で一名雇える金額であることを考えると安くはないですが、バックアップ体制構築のための必要経費だと捉えて頂くと良いでしょう。

以上、海外進出の際の駐在員の人選について記述しました。
これから新規で海外進出される会社様や駐在員の交代を検討されている会社様のご参考になれば幸いです。
長文お付き合いいただきありがとうございました。

関連記事

  1. 海外進出する際の駐在員の人選(前半)
PAGE TOP